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売れない空き家を手放す方法|原因5パターンと買取・国庫帰属の活用

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相続した実家を売りに出したものの半年以上反応がない、不動産会社に査定を頼んだら相場よりかなり低い金額を提示された…。そんな状況で困っている方は少なくありません。空き家が売れない原因は価格だけではなく、物件の構造的な特性に起因していることが多いのです。

空き家が売れないときの対処法は、①物件タイプ別の原因特定、②仲介での売却努力、③買取業者への売却、④相続土地国庫帰属制度や無償譲渡の順に検討するのが現実的です。価格を下げても売れないときは、仲介に固執せず買取や国庫帰属も選択肢に入れることをおすすめします。

この記事では、空き家が売れない5つの原因パターンと、パターン別の具体的な対処法、最終手段としての買取・国庫帰属・無償譲渡までお伝えしていきます。

目次

空き家が売れない原因は5つのパターンに分類できる

空き家が売れないとは、一般的に仲介で半年以上買い手が見つからず、内覧依頼や問い合わせが極端に少ない状態を指します。価格を下げても反応が変わらない場合は、価格以外の要因が原因であるケースが多いのです。

原因は大きく5つのパターンに分かれ、それぞれ向いている対処法が異なります。まずは以下の早見表で、自分の物件がどのパターンに該当し、どの方法が適しているかを把握してみてください。

原因パターン 主な特徴 推奨手段 想定価格水準 想定売却期間
築古・耐震不適合 1981年5月以前の旧耐震基準 耐震補強・古家付き土地・買取 市場価格の5〜8割 3〜12ヶ月
狭小・変形地 30坪未満・間口2m未満・旗竿地 隣地所有者への打診・投資家向け売却 市場価格の6〜9割 3〜9ヶ月
再建築不可 接道義務未達(建築基準法43条) セットバック・専門買取業者 市場価格の3〜5割 1〜6ヶ月(買取)
立地条件 人口減少エリア・駅から遠い 空き家バンク・無償譲渡・国庫帰属 無償〜市場価格の3割 6ヶ月〜数年
権利関係の複雑さ 共有持分・借地権・心理的瑕疵 共有持分・訳あり物件専門買取 市場価格の3〜5割 1〜3ヶ月(買取)

空き家が半年以上売れない場合、価格だけの問題ではなく物件側の構造的な売れにくさを抱えている可能性が高いです。各パターンの詳しい対処法は、以下のセクションで順にお伝えしていきます。

売却を検討する所有者が直面している課題のデータ

国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、賃貸・売却を検討する世帯(251千世帯・複数回答可)が抱える課題のうち、本記事の5つのパターンに直接関わる項目として以下の数値が公表されています。

物件側の障壁 該当世帯数 割合
住宅の耐震性(築古・耐震不適合に関連) 38千世帯 15.1%
リフォーム費用(築古に関連) 51千世帯 20.3%
再建築不可(道路付けの悪さなど) 18千世帯 7.2%
家財などの処理(実家系で頻発) 89千世帯 35.5%
地域の高齢化や人口減少(立地に関連) 51千世帯 20.3%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月公表)集計結果 表35「賃貸・売却する上での課題(15区分)」

家財処理や築古・耐震に関わる障壁が一定の割合で発生しており、特に相続した実家のように家財や仏壇が残ったままの物件は、売却前にひと手間かける必要があります。価格を下げる前に、こうした構造的な障壁を一つずつ解いていく方が結果的に近道になります。次のセクションから、パターン別の具体的な対処法を見ていきます。

築古・耐震不適合の空き家が売れないときの3つの対処法

1981年5月以前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準と呼ばれ、住宅ローン審査で否決されやすい傾向があります。金融機関は担保価値を重視するため、耐震性能が証明できない物件への融資には慎重になりがちです。

買い手が住宅ローンを使えないということは、現金で購入できる層に限定されることを意味します。この構造的な問題を踏まえたうえで、以下の対策を検討してみてください。

耐震診断・耐震補強で住宅ローン適合物件にする

耐震基準適合証明書を取得すれば、買い手は住宅ローン減税の対象となり、購入のハードルが下がります。耐震診断の費用は10〜20万円程度、耐震補強工事は100〜200万円程度が目安です(2025年時点)。

ただし、補強費用をかけても売却価格が大きく上がらないケースもあります。補強費用と売却価格の上昇幅を比較して判断したいところです

古家付き土地として売り出す:解体費用を価格に織り込む

建物の価値がほぼゼロの場合、古家付き土地として売り出す方法があります。買い手に解体を任せる代わりに、解体費用相当額(延床面積30坪程度の木造で100〜200万円が目安)を売却価格から値引きする交渉が一般的です。

古家付き土地のメリット
・売主は解体費用の初期負担を抑えられる
・買い手は自分の好みで解体・新築プランを立てられる
・更地にするより固定資産税の軽減措置を維持できる

専門家への相談ポイント:解体か補強かの損益分岐点

解体と補強のどちらを選ぶかは、不動産会社と建築士の両方に意見を求めることをおすすめします。不動産会社は売却価格の見込みを、建築士は補強費用の概算を出せます。

補強しても売れない立地(人口減少が著しいエリアなど)であれば、補強費用をかけずに買取業者への売却を検討する方が現実的な場合もあります。

解体費用の相場や補助金制度については、相続した実家の処分方法5つを徹底比較|売却・買取・解体・賃貸・国庫帰属で詳しくお伝えしています。

狭小・変形地・旗竿地の空き家を売却するための戦略

敷地面積30坪未満、間口2m未満の土地、L字型やくさび型の変形地は、建築プランが限定されるため一般の買い手がつきにくい傾向があります。ただし、売れないというより売り方が違うだけというケースも多いのです。

隣地所有者への打診:最も高値で売れる可能性がある相手

狭小地や変形地は、隣の土地と合わせることで整形地になる可能性があります。隣地所有者にとっては土地が広がるメリットがあるため、市場価格より高く買い取ってもらえるケースがあります。

打診のタイミングとしては、不動産会社に一般の売り出しを依頼する前に、まず隣地所有者に声をかけてみてはいかがでしょうか。不動産会社を通さず直接交渉することで仲介手数料も節約できます。

投資家・建売業者向けに売り出す:居住用ではなく事業用として訴求

狭小地でも、賃貸併用住宅や狭小戸建て投資のニーズを持つ投資家には魅力的な物件となります。また、建売業者が複数の狭小地をまとめて購入し、戸建て分譲するケースもあります。

一般の買い手向けの売り出しで反応がない場合は、投資家や業者向けの販売ルートを持つ不動産会社に相談してみてください。

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狭小地で見落とされがちなのが建ぺい率・容積率の確認です。同じ30坪でも、建ぺい率80%・容積率300%のエリアなら3階建て賃貸が建てられるため、投資家ニーズが高まります。役所で用途地域を確認し、その情報を売り出し資料に明記するだけで反応が変わることも少なくありません。

再建築不可物件を手放すための現実的な選択肢

建築基準法では、建物を建てる土地は幅員4m以上の道路に2m以上接することが求められます(接道義務)。この条件を満たさない土地は再建築不可となり、今ある建物を解体すると新たに建物を建てられません。

再建築不可物件は住宅ローンがほぼ使えないため、買い手は現金客か買取業者に限定されます。先ほどの国土交通省データでも、賃貸・売却を検討する世帯のうち18千世帯が再建築不可を課題に挙げており、流通しにくさを示しています。

隣地購入・セットバックで再建築可能にする方法

隣地の一部を購入して接道幅を確保する、または道路後退(セットバック)で幅員を満たす方法があります。ただし、隣地所有者の協力が必要であり、費用と時間がかかります。

売却価格の上昇幅と隣地購入費用を比較し、費用対効果が見合うか慎重に判断したいところです

再建築不可専門の買取業者に依頼する

一般仲介で買い手がつかない再建築不可物件でも、専門の買取業者なら現金買取で成約できるケースが多いです。買取業者は隣地交渉や建物のリノベーションなど、再生ノウハウを持っているためです。

買取価格の目安は業界慣行として市場価格の3〜5割程度とされています(業者や物件状態により変動)。仲介で売れる見込みがない場合は、複数の買取業者に査定を依頼して比較することをおすすめします。

再建築不可かどうかは、役所の建築指導課で接道状況を確認できます。また、建築基準法43条但し書き許可(特例で建築が認められるケース)の可能性も合わせて確認しておくと安心です。

仲介と買取の違いを理解して選択する

再建築不可物件は仲介で長期間売れ残るリスクが高いです。固定資産税や管理費用の累計額を考えると、早期に買取で手放す方が経済的にプラスになるケースもあります。

仲介と買取の判断基準については、相続空き家は仲介と買取どっち?価格60〜80%差と判断基準5つで詳しくお伝えしています。

価格を下げても売れない場合に検討したい最終手段

仲介で半年以上売れない場合、価格調整だけでは解決しない可能性が高いです。ここからは仲介以外の選択肢を検討します。売れない状態を放置するほど固定資産税や管理費用がかさんでいくため、判断を先送りしないことも大切です。

実際に空き家を解消できた人がとった手段

選択肢を比較する前に、実際に空き家を解消できた人がどのような手段をとったのかを見ておきましょう。国土交通省の調査では、直近で空き家が解消できた228千戸の所有者が実施した内容として、以下の数値が公表されています。

実施した内容 該当戸数 割合
特に何もしていない 82千戸 36.0%
不動産事業者に借り手や買い手を探してもらった 62千戸 27.2%
リフォームした 41千戸 18.0%
専門家に相談した 10千戸 4.4%
空き家バンクに登録した 7千戸 3.1%
行政に相談した 6千戸 2.6%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月公表)集計結果 表32「空き家解消のために実施した内容(11区分)」

「特に何もしていない」が36.0%、「不動産事業者に依頼」が27.2%という結果から、多くのケースでは派手な対策ではなく不動産事業者経由の地道な売却活動で解消されていることが分かります。一方で、リフォームや専門家相談など能動的な手段の効果も一定数あることが読み取れます。

買取業者への売却:スピード重視で手放す

訳あり物件専門の買取業者なら、1週間〜1ヶ月で現金化できます。仲介のように買い手を探す必要がないため、売却期間が大幅に短縮されます。

買取価格を少しでも高くするコツは、複数社の査定を比較することです。1社だけの査定では相場感がつかめず、安く買い叩かれるリスクがあります。

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相続土地国庫帰属制度:国に引き取ってもらう

2023年4月に開始された相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を国に引き取ってもらえる制度です。審査手数料1筆あたり1万4,000円+負担金(20万円〜)で国に帰属させることができます。

ただし、適用条件が厳しい点に注意が必要です。建物がある場合は事前の解体が必要で、抵当権が設定されている土地、境界が明らかでない土地、土壌汚染がある土地などは対象外となります。

相続土地国庫帰属制度の利用手順
①法務局での事前相談(予約制)
②申請書類の提出・審査手数料の納付
③法務局による書面審査・実地調査
④承認後、負担金を納付して国庫帰属

自治体の空き家バンク・無償譲渡

自治体が運営する空き家バンクに登録し、移住希望者とマッチングする方法もあります。価格をゼロ円に設定する無償譲渡でも成約するケースがあり、固定資産税や管理の負担から解放されます。

空き家バンクの登録は無料で、自治体によっては改修補助金制度と連携している場合もあります。

専門家への相談ポイント:どの選択肢が自分に合うか

買取・国庫帰属・無償譲渡のどれを選ぶかは、固定資産税・管理費用の累計額と売却損を比較して判断します。年間の維持費が10万円以上かかる場合、5年で50万円以上の損失となります。

相続土地国庫帰属制度の利用を検討する場合は、法務局への事前相談が必須です。税金の取り扱いについては税理士、権利関係が複雑な場合は司法書士にご相談ください。なお、相続した空き家を売却する場合の譲渡所得税や特例については、空き家3000万円控除|最大約609万円の節税と6つの適用条件もあわせてご確認いただくと、税負担の見通しが立てやすくなります。売却までの全体フローを把握したい場合は、相続した実家を売却する流れ|5ステップと使える税制特例も参考になります。

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買取業者を選ぶときは、査定額だけでなく契約不適合責任の免責範囲を必ず確認してください。売却後に建物の瑕疵で揉めるケースがあるため、契約書で現状有姿・瑕疵担保免責が明記されているかが重要なポイントになります。

空き家が売れないときによくある質問(FAQ)

Q1:空き家が売れない場合、放置するとどうなりますか?

固定資産税や管理費用の負担が続くほか、2023年の空家法改正により特定空家等または管理不全空家等に指定され、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍になる可能性があります。また、老朽化が進むと近隣への損害賠償リスクも発生します。

Q2:再建築不可の物件は絶対に売れないのですか?

再建築不可でも売却は可能です。住宅ローンが使えないため現金客か買取業者が主なターゲットとなります。買取価格は業界慣行として市場価格の3〜5割程度が目安とされていますが、専門業者なら成約できるケースが多いです。

Q3:相続土地国庫帰属制度の費用はいくらかかりますか?

審査手数料が1筆あたり1万4,000円、承認後の負担金は原則20万円〜です。負担金は土地の面積や種別によって変動します。建物がある場合は事前に解体が必要なため、解体費用も考慮しておきたいところです。

Q4:買取業者に売却すると、どのくらい安くなりますか?

業界慣行として、買取価格は仲介で売れる価格の概ね6〜8割程度とされています。ただし、訳あり物件(再建築不可・老朽化・事故物件など)は市場価格の3〜5割程度になることもあります。具体的な金額は業者・物件状態により異なるため、複数社で査定を比較することで、より良い条件を引き出しやすくなります。

Q5:無償譲渡(タダであげる)は本当に成約するのですか?

自治体の空き家バンクでは、無償譲渡でも成約するケースがあります。特にDIY好きの移住希望者や、農地付きの物件を探している方には需要があります。登録は無料なので、まず試してみる価値はあります。

Q6:仲介と買取、どちらを先に検討すべきですか?

まず仲介で3〜6ヶ月売り出し、反応を見てから買取を検討するのが一般的です。ただし、再建築不可や老朽化が著しい物件は最初から買取業者に相談する方が効率的な場合もあります。物件の状態に応じて判断してみてください。

Q7:空き家の固定資産税はいくらくらいかかりますか?

立地や評価額により異なりますが、住宅用地の場合、年間3〜10万円程度が目安です。特定空家等または管理不全空家等に指定されて勧告を受けると住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が最大6倍になります。早めの売却・処分を検討したい理由の一つです。

Q8:複数の相続人がいる場合、空き家を売却するにはどうすればよいですか?

相続人全員の同意が必要です。遺産分割協議で空き家の取り扱いを決め、代表者を定めて売却手続きを進めるのが一般的です。相続人間で意見が分かれる場合は、司法書士や弁護士に相談してみてください。

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※本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスへの加入や契約を推奨するものではありません。実際のお手続きやご判断は、各サービスの公式情報をご確認のうえ、ご自身の判断でお願いいたします。

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