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相続した実家の処分方法5つ|売却・買取・解体・賃貸・国庫帰属を比較

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両親から実家を相続したけれど、住む予定はないし、かといって思い出のある家を手放すのも気が引ける…。そんな状態のまま月日が経ってしまっている方は少なくありません。

実家の処分方法は、売却(仲介)・買取・解体後売却・賃貸活用・相続土地国庫帰属制度の5つに分けられます。

直近1年間に空き家を手放した世帯の解消理由を見ると、約75.8%が売却を選んでいるという調査結果もあり、現実的な選択肢として売却が最多になっています(国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査)。とはいえ、期間や費用、手残り額がそれぞれ大きく違うため、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

このページでは、5つの処分方法を比較しながら、物件の状態・処分の緊急度・費用負担力という3つの軸で最適解を見つける判断材料をお伝えしていきます。

目次

実家の処分方法5つ。結論早見表と3軸の判断フロー

5つの処分方法について、期間・費用・手残り額の目安を一覧で比較します。まずは全体像を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。

処分方法 期間の目安 主な費用 手残り額 向いている人
売却(仲介) 3〜12ヶ月 仲介手数料3%+6万円 相場の9割前後 時間をかけても高く売りたい人
買取 1〜4週間 なし(業者負担) 相場の6〜8割 早く確実に手放したい人
解体後売却 4〜15ヶ月 解体費100〜300万円 土地相場次第 建物が老朽化している人
賃貸活用 継続保有 リフォーム50〜500万円 賃料収入 立地が良く長期保有できる人
国庫帰属 6ヶ月〜1年 負担金20万円〜 なし 売れない土地を手放したい人

ポイント
・高く売りたいなら売却(仲介)、スピード重視なら買取
・建物の老朽化が激しいなら解体後売却を検討
・売却が難しい土地は国庫帰属という選択肢も視野に

実家を処分する人は売却を選ぶケースが多い

使用目的のない空き家を実際に手放した方は、どんな方法を選んでいるのでしょうか。国土交通省の最新調査によると、直近1年で空き家を解消(住む・売る・解体する等)した世帯の解消理由は以下のようになっています。

空き家の解消理由(使用目的のない空き家) 割合
売却した 75.8%
除却(解体)した 9.1%
所有者や親族が居住した 6.1%

出典:国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査 結果のポイント

解消理由の7割以上が売却となっており、実家を手放す現実的な選択肢として売却がもっとも選ばれていることがわかります。次いで解体が約1割、自分や家族が住むケースも一定数あるという結果です。

処分方法別の期間・費用・手残り額の目安

早見表に出した5つの方法を、もう少し具体的に見ていきます。

売却(仲介)は、市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、買主が見つかるまで3〜12ヶ月程度かかります。

買取は最短1週間程度で現金化できますが、価格は相場の6〜8割程度。

解体後売却は木造2階建て30坪で100〜150万円、鉄骨造で150〜240万円が目安です(構造・立地で変動)。

賃貸活用は水回り中心のリフォームで300〜500万円、最低限の修繕でも50〜100万円程度は必要になります。地方では入居者確保が難しいケースもあるため、賃貸需要の見極めが欠かせません。

相続土地国庫帰属制度は2023年4月に始まった制度で、審査に6ヶ月〜1年程度、審査手数料14,000円と負担金(原則20万円、面積により加算)がかかります。

FP

FP

仲介で高く売りたいと希望しながら、実際には相続人間の調整で半年以上かかり、結局買取になるケースは少なくありません。処分方法を決める前に、相続人全員の合意形成にどれくらい時間がかかりそうかを先に見積もっておくと、方法選びの精度が上がります。

売却(仲介)で高く売る。向いている物件と進め方

できるだけ高く売りたいと考える方にとって、まず検討したいのが仲介売却です。不動産会社が買主を探し、成約時に仲介手数料を支払うシンプルな仕組みになっています。

市場価格で売却できる可能性があるため、以下のような物件に向いています。

  • 築30年以内:住宅ローン審査が通りやすく買主が見つかりやすい
  • 駅徒歩15分以内または生活利便性が高い:実需の購入ニーズがある
  • 建物の状態が比較的良好:大規模修繕なしで住める

逆に、築50年以上で大きな修繕が必要な物件や、人口減少が進む地域では、仲介で買主を見つけるのに時間がかかる傾向があります。

仲介売却にかかる費用と税金の内訳

仲介売却で発生する主な費用は以下のとおりです。

  • 仲介手数料:売却価格×3%+6万円+消費税(上限)。2,000万円で約73万円(税込)
  • 印紙代:売買契約書に貼付、1,000万円超〜5,000万円以下で1万円(令和9年3月31日まで軽減措置適用)
  • 登記費用:抵当権抹消がある場合、登録免許税(不動産1件1,000円)+司法書士報酬1〜2万円程度
  • 譲渡所得税:売却益が出た場合に課税(所有期間5年超で20.315%、5年以下で39.63%。いずれも復興特別所得税を含む)

空き家3,000万円特別控除の主な適用要件

相続した実家が被相続人の居住用財産に該当する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。要件は厳格に定められているため、主なものを整理しました。

要件区分 内容
建築時期 昭和56年5月31日以前に建築された家屋
建物の種類 区分所有建物登記がされている建物ではないこと(マンション等は対象外)
譲渡期限 相続開始日から3年経過する年の12月31日まで、かつ令和9年12月31日までに譲渡
居住要件 相続開始直前まで被相続人が居住(老人ホーム入所中も一定要件で対象)
売却代金 1億円以下
その他 令和6年1月1日以降の譲渡は、買主による耐震改修・取壊しの実施も対象

出典:国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

要件を満たすかどうかの判断は専門的な知識が必要になります。適用の可否や必要書類については、税理士に確認しておくと安心です。

売却期間が長引くときの対処法

仲介売却では、3ヶ月を目安に反響(問い合わせ・内見)の状況を確認しましょう。反響が少ない場合は以下の対応を検討します。

  • 価格改定:相場より5〜10%高い設定なら、適正価格への見直しを検討
  • 不動産会社の変更:専任媒介契約の更新タイミング(3ヶ月ごと)で判断
  • 買取への切り替え:6ヶ月以上売れない場合、買取も並行して検討
相続した実家の判断を先送りにすると、税金や管理面でさまざまなリスクが発生します。こちらの記事で詳しく解説しています
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買取で確実に手放す。仲介との違いと価格差の実態

とにかく早く・確実に手放したい、相続人が複数いて長期戦は避けたいという方には、買取が現実的な選択肢になります。買取は、不動産会社が直接物件を購入する方法で、仲介と比べて以下のメリットがあります。

  • 現状のまま売れる:残置物の処分やリフォームが不要なケースが多い
  • 確実に売却できる:契約後のキャンセルリスクがほぼない
  • 現金化が早い:最短1週間、通常2〜4週間で完了
  • 仲介手数料がかからない:買取業者との直接取引のため

一方、買取価格は相場の6〜8割程度になるのが一般的です。これは、買取業者がリフォームや解体を行ったうえで再販売する際のコストとリスクを織り込んでいるためで、価格差はある意味でスピードと確実性の対価とも言えます。

買取が向いている物件・状況

  • 築40年以上で大規模修繕が必要な物件
  • 相続人が遠方に住んでおり、内見対応が難しい
  • 相続税の納税期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月)が迫っている
  • 他の相続人との共有状態を早期に解消したい

買取業者を選ぶ3つのチェックポイント

買取価格は業者によって数百万円の差が出ることもあります。以下の点を確認してみてください。

  • 複数社への査定依頼:最低3社以上に依頼し、価格の妥当性を比較する
  • 買取実績の確認:空き家や古家の買取実績が豊富な業者を選ぶ
  • 契約条件の透明性:諸費用の負担や残置物処分の条件を事前に確認する

買取価格が相場の5割を大きく下回る場合や、契約を急かす業者には注意が必要です。複数社の査定額を比較し、極端に低い・高い金額を提示する業者は慎重に判断したいところです。

買取と仲介を並行する買取保証という選択肢

一部の不動産会社では買取保証付き仲介というサービスを提供しています。一定期間(3〜6ヶ月程度)仲介で売り出し、その期間内に売れなければ事前に提示した価格で買い取る仕組みです。

  • メリット:高値売却のチャンスを残しつつ、売却の確実性を担保できる
  • デメリット:買取保証価格は通常の買取よりさらに低くなることがある

時間に余裕はあるが、いつまでも売れ残る不安がある方には有効な選択肢といえます。

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解体して土地で売る判断基準。更地のほうが高く売れるケース

建物がもうボロボロで、このまま売れるか不安と感じている方も多いのではないでしょうか。建物の状態が悪い場合、解体して更地にしたほうが売れやすくなることがあります。ただし解体費用がかかるため、費用対効果の見極めが大切になります。

更地にしたほうがよいケース・しないほうがよいケース

更地にしたほうがよいケース

  • 建物の築年数が50年以上で、倒壊リスクや雨漏りがある
  • 建物があることで土地の評価がマイナスになっている
  • 土地の需要が高いエリア(更地のほうが買主の用途が広がる)

現況のまま売ったほうがよいケース

  • 古家付き土地として安さを求める買主がいる
  • 解体費用を回収できる見込みがない
  • 買取業者が現況のまま購入してくれる

解体後の固定資産税増加に備える

住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。建物を解体するとこの特例が外れ、翌年度から土地の固定資産税が増加することは押さえておきたいポイントです。

状態 固定資産税(土地200㎡以下の場合)
住宅あり(特例適用) (評価額×1/6)×1.4%
更地(特例なし) 評価額×1.4%

固定資産税は、土地の評価額に対して住宅用地の特例で課税標準額が1/6に圧縮される仕組みです。建物を解体するとこの特例が外れ、税額が最大で約6倍に近づきます。
賦課基準日は毎年1月1日のため、12月に解体すると翌年度から税額が上がります。年度末に近い時期に解体を予定している場合は、売却時期との兼ね合いを考えておきたいところです。

解体費用の補助金制度を確認する

多くの自治体では、空き家の解体費用に対する補助金制度を設けています。補助率は1/5〜1/2、上限額は20〜100万円程度が一般的で、たとえば東京都板橋区の老朽建築物等対策事業や墨田区の老朽危険家屋除却費等助成制度では上限100万円規模の支援が用意されています。

補助金申請のポイント
・解体工事の契約前に申請が必要な自治体が多い
・自治体によっては、特定空家・管理不全空家・不良住宅などの認定が条件となる場合がある
・1年以上空き家であることや、昭和56年5月31日以前建築であることを要件にする自治体も多い
・予算枠に限りがあり、年度途中で受付終了することがある

補助金の有無や条件は、物件所在地の市区町村役場(空き家対策担当課)に事前確認してみてはいかがでしょうか。

賃貸活用と国庫帰属。処分以外の選択肢を検討する

売却以外にも、賃貸活用と国庫帰属という選択肢があります。それぞれ向いている状況が異なるので、条件を見ていきましょう。

賃貸活用が成り立つ条件

  • 最寄り駅から徒歩15分以内、または車社会でも生活利便性が高いエリア
  • リフォーム費用を5〜10年程度の賃料収入で回収できる見込み
  • 管理会社に委託するか、自主管理できる体制がある

地方の一戸建てでは、月額賃料5〜8万円程度が相場です。リフォームに300万円かかった場合、月5万円の賃料では回収に5年以上かかります。空室リスクや修繕費を考慮すると、立地条件が良くなければ賃貸活用は難しいといえそうです。

FP

FP

賃貸活用で見落とされがちなのが、空室期間中も固定資産税・火災保険・管理費がかかるという点です。入居者がいる前提の収支計算だけでなく、年間2〜3ヶ月の空室を織り込んだシミュレーションをしておくと、想定外の赤字を防げます。

相続土地国庫帰属制度の要件と費用

2023年4月に施行された相続土地国庫帰属制度は、相続した不要な土地を国に引き取ってもらえる制度です。売れない土地を手放す最終手段として注目されています。

項目 内容
申請できる人 相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地を取得した人
審査手数料 土地1筆あたり14,000円
負担金 原則20万円(面積に応じて加算される場合あり)
審査期間 6ヶ月〜1年程度

出典:法務省 相続土地国庫帰属制度

申請できない土地の主な条件

  • 建物がある土地(申請前に解体が必要)
  • 担保権や使用収益権が設定されている土地
  • 境界が明らかでない土地
  • 土壌汚染や埋設物がある土地
  • 崖地など管理に過大な費用がかかる土地

国庫帰属を申請するかの判断ポイント

国庫帰属制度は売れない土地を手放す手段ですが、費用と手間がかかります。以下の点を検討してみてください。

  • 負担金20万円+審査手数料14,000円+解体費用(建物がある場合)を支払う価値があるか
  • 固定資産税を払い続けるより、負担金を払って手放すほうが総コストが低いか
  • 将来的に相続人に負担を残さないメリットをどう評価するか

国庫帰属制度の申請要件は細かく、専門知識が必要です。適用可否の判断や申請手続きについては、弁護士・司法書士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

FP

FP

国庫帰属の負担金20万円を高いと感じる方も多いですが、固定資産税が年3万円の土地なら約7年分に相当します。お子さんやお孫さんへ管理できない土地を相続させないという観点で考えると、負担金は将来世代への保険料ともいえます。

5つの選択肢を3軸で整理。あなたに合う方法の判断フロー

ここまで5つの選択肢を見てきましたが、結局自分はどれを選べばいいのかと迷う方も多いのではないでしょうか。実家の処分方法は、以下の3つの軸で考えると判断がしやすくなります。

  • 軸1:物件の状態 - 建物の築年数・腐朽破損の程度
  • 軸2:処分の緊急度 - いつまでに手放したいか
  • 軸3:費用負担力 - 解体費・リフォーム費を負担できるか

3軸×状況別の判断早見表

状況 物件の状態 処分の緊急度 おすすめの方法
築浅・好立地 良好 低(時間に余裕) 売却(仲介)
築古・要修繕 悪い 高(早く手放したい) 買取
築古・土地需要あり 建物価値ゼロ 解体後売却
立地良好・余裕あり リフォーム可 長期保有可 賃貸活用
売れない土地 建物なし or 解体予定 国庫帰属

判断に迷ったらまず複数査定から始める

3軸で考えても判断が難しい場合は、まず複数の不動産会社に査定を依頼してみることをおすすめします。仲介・買取・賃貸など複数の選択肢を同時に比較できるサービスを利用すれば、客観的な価格情報をもとに判断できます。

査定を取る前に準備しておくとよい書類
・登記簿謄本(法務局で取得)
・固定資産税納税通知書
・建物の図面・建築確認済証(あれば)
・境界確認書(あれば)

これらの書類が揃っていると、査定の精度が上がり、その後の売却・解体手続きもスムーズに進みます。

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よくある質問

実家の処分でよく寄せられる質問にお答えしていきます。

Q1:実家の処分は相続後いつまでに決めるべきですか?

法律上の期限はありませんが、空き家3,000万円特別控除を使うには相続開始から3年経過する年の12月31日までの売却が条件です。また、空き家のまま放置すると固定資産税の増額や特定空家指定のリスクがあるため、相続から1年以内を目安に方針を決めていくのが望ましいといえます。

Q2:遠方の実家でも売却や買取は依頼できますか?

依頼できます。地元の不動産会社または全国対応の買取業者に連絡し、現地立会いなしで査定・契約を進めることも可能です。オンライン相談や郵送での契約に対応している業者を選ぶとスムーズです。

Q3:相続人が複数いる場合、処分方法はどう決めればよいですか?

相続人全員の合意が必要です。意見が分かれる場合は、まず複数社の査定を取り、客観的な価格情報をもとに話し合うことをおすすめします。合意形成が難しい場合は、弁護士や司法書士に遺産分割調停の相談をすることも選択肢の一つです。

Q4::家財道具が残ったままでも売却できますか?

仲介売却の場合、引き渡しまでに売主が処分するのが原則です。買取の場合は、残置物込みで買い取ってくれる業者も多くあります。残置物の処分費用は量にもよりますが、一戸建てで20〜50万円程度が目安です。

Q5:処分方法を決める前にやっておきたいことは何ですか?

まず相続登記を済ませることが、その後の手続きをスムーズに進める前提になります。2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内の登記が必要になりました(法務省 相続登記の申請義務化について)。また、権利証・登記簿謄本・固定資産税納税通知書などの書類を揃えておくと、査定や売却手続きが進めやすくなります。

Q6:売却と買取、どちらを先に検討するのがよいですか?

まず複数の不動産会社に査定を依頼し、仲介での売却見込みを確認することをおすすめします。半年以内に売れる可能性が低いと判断された場合や、売却活動に時間をかけられない場合は、買取を並行して検討するのが効率的です。

実家の処分方法を選ぶ際は、物件の状態・処分の緊急度・費用負担力の3軸で判断することが大切です。一人で抱え込まず、まずは複数社の査定を取り、客観的な情報をもとに方針を決めていきましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスへの加入や契約を推奨するものではありません。実際のお手続きやご判断は、各サービスの公式情報をご確認のうえ、ご自身の判断でお願いいたします。税務・法務に関する具体的な判断は、税理士・弁護士・司法書士など専門家にご相談ください。

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