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空き家を賃貸活用するには?通常賃貸・民泊・シェアハウスの収益比較

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目次

空き家を賃貸活用するなら3つの選択肢から収益性で選ぶ

相続した実家や親から譲り受けた住まいを、売らずに収益化したい。そう考えながらも、どの方法を選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。空き家を持ち続けながら収益化する方法は、通常賃貸・民泊・シェアハウスの3パターンに分かれます。それぞれ収益性・管理負担・法的要件が異なるため、物件の特性とご自身の状況に合わせて選んでいきたいところです。

まず、空き家所有者全体の中で「賃貸活用」を考えている方はどのくらいいるのか、国の調査データから見てみます。

今後の利用意向 世帯数 構成比
空き家として所有しておく(物置含む) 323千世帯 31.2%
売却する 199千世帯 19.2%
別荘やセカンドハウスなどとして利用する 194千世帯 18.8%
取り壊してさら地にする 144千世帯 13.9%
所有者や親族が住む 76千世帯 7.4%
賃貸する 52千世帯 5.0%
住宅以外の用途で利用する(民泊・店舗・事務所など) 15千世帯 1.5%
寄付・贈与する 15千世帯 1.5%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月公表)表33「今後の利用意向」(総数1,034千世帯、不詳17を含む)

賃貸活用を選ぶ世帯は全体の5.0%、民泊・店舗等を加えても6.5%にとどまります。多くの所有者が活用に踏み出せないのは、何から始めればいいのか・どこに相談すればいいのかが見えにくいからではないでしょうか。

賃貸活用を検討する際の判断基準
・維持コスト(年間15〜30万円が目安)を賃料収入でカバーできるか
・物件の立地が賃貸需要のあるエリアか
・どこまで管理の手間をかけられるか

通常賃貸・民泊・シェアハウスの収益比較早見表

3つの活用形態を比較すると、初期費用・月間収益・管理手間に大きな違いがあります。下の表でそれぞれの目安をご紹介します。

活用形態 初期費用目安 月間収益目安 管理手間
通常賃貸 100〜300万円 5〜15万円 低(委託可)
民泊 50〜200万円 3〜20万円※稼働率次第 中〜高
シェアハウス 200〜500万円 10〜25万円

賃貸管理を業者に委託する場合は、賃貸住宅管理業の登録を受けた事業者を選ぶと安心です。国土交通省の賃貸住宅管理業法に基づき、管理戸数200戸以上の事業者には登録が義務付けられています。

賃貸活用に向かない空き家の3条件

すべての空き家が賃貸活用に適しているわけではありません。次のようなケースでは、賃貸化のハードルが高く、売却や解体を検討した方が合理的な場合もあります。

  • 旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物):耐震補強に数百万円かかり、回収が困難になりやすい
  • 賃貸需要が乏しい立地:駅から遠く、人口減少が進むエリアでは入居者確保が難しい
  • 大規模修繕が必要な状態:屋根・外壁・水回りの劣化が進み、リフォーム費用が500万円を超える場合

賃貸活用が難しいと判断した場合は、売却や買取といった他の選択肢を併せて検討するのも一つの方法です。

賃貸以外の処分方法を比較したい方はこちら
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通常賃貸で空き家を活用する。収益シミュレーションと始め方

通常賃貸は3つの活用形態の中で最も管理負担が少なく、安定した収益が見込める方法です。戸建て賃貸の家賃相場は立地により月5〜15万円程度が一般的で、管理会社に委託すれば遠方に住んでいても運用できます。

通常賃貸のメリット
・長期契約で安定収入が見込める
・管理会社への委託で手間を最小化できる
・法的要件が比較的シンプル

リフォーム費用と回収期間のシミュレーション例

空き家を賃貸に出す際、最低限のリフォーム(クロス張替え・水回り補修・クリーニングなど)で100〜300万円程度が目安となります。次は回収期間のシミュレーション例です。

  • リフォーム費用150万円・月額家賃8万円の場合:年間収入96万円、維持コスト差引後の手残り約60〜70万円、回収期間は約2〜3年
  • フルリノベーション500万円・月額家賃12万円の場合:年間収入144万円、手残り約100万円、回収期間は約5年

築年数が古くても立地が良ければ、最低限のリフォームで貸し出す方が投資効率は高くなりやすい傾向があります。

※上記は税引前・主要経費(固定資産税・火災保険料・管理委託費等の維持コスト)控除後の概算で、所得税・住民税や空室損失・原状回復費は含めていません。実際の手残りはこれらを差し引いた金額になります。

入居者募集から契約までの流れと注意点

賃貸運用を始める際は、次の流れで進めるのが一般的です。

  • 不動産管理会社の選定:賃貸住宅管理業の登録有無を確認する
  • リフォーム・クリーニング:入居者募集前に最低限の修繕を実施
  • 募集条件の設定:周辺相場を参考に家賃・敷金・礼金を決定
  • 重要事項説明・契約:空き家特有の告知事項(長期空室歴など)を確認
FP

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戸建て賃貸で見落としがちなのが原状回復の範囲の取り決めです。マンションと違い、庭木の剪定や雑草処理、外構の補修をどこまで入居者負担とするか曖昧なまま契約すると、退去時にトラブルになるケースがあります。契約書に具体的な負担区分を明記しておくことで、後々の費用負担の押し付け合いを防げます。

民泊で空き家を活用する。住宅宿泊事業法の要件と収益性

民泊は観光需要を取り込める立地であれば、通常賃貸より高い収益を得られる可能性があります。ただし、住宅宿泊事業法(民泊新法)により年間営業日数は180日までに制限されており、自治体によってはさらに厳しい上乗せ規制がある点に注意したいところです。

民泊開始に必要な届出と設備要件

民泊を始めるには、都道府県知事(または保健所設置市・特別区の長)への届出が必要です。観光庁の住宅宿泊事業法に基づき、次の要件を満たす必要があります。

要件項目 内容
届出先 都道府県知事等(民泊制度運営システムで電子申請可)
年間営業日数 180日以内(自治体による上乗せ規制あり)
設備要件 台所・浴室・便所・洗面設備、非常用照明器具、消防設備
標識掲示 届出番号を記載した標識を門扉等に掲示

出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト

自治体によっては住居専用地域での営業を禁止したり、週末のみ営業可としているケースがあります。届出前に自治体の条例を必ず確認してみてください。

民泊運営の収益モデルと現実的な稼働率

民泊の収益は立地と稼働率で大きく変動します。次は収益目安の参考例です。

  • 観光地・都市部:1泊1〜2万円、稼働率50〜70%で月間収益15〜25万円も可能
  • 郊外エリア:1泊5,000〜8,000円、稼働率30〜50%で月間収益3〜10万円程度

運営代行を利用する場合、売上の20〜35%が手数料として差し引かれるのが一般的です。手残りを試算した上で、通常賃貸と比較検討することをおすすめします。

シェアハウス運営という選択肢。空き家の間取りを活かす

4LDK以上の広い戸建てであれば、シェアハウスとして部屋単位で貸し出すことで収益を高められる可能性があります。ただし、入居者間のトラブル対応や共用部の清掃など、管理負担は通常賃貸より大きくなります。

シェアハウス向けリフォームと設備投資の目安

シェアハウス化にあたっては、次のような設備投資が必要になるケースが多いです。

  • 共用部の改修:キッチン拡張・シャワー増設などで100〜200万円
  • 個室の鍵・プライバシー確保:ドア交換・防音対策で50〜100万円
  • 消防設備の設置:火災報知器・消火器などで10〜30万円

用途変更の確認が必要なケース
シェアハウスは建築基準法上「寄宿舎」に該当します。延べ床面積が200㎡を超える場合、用途変更の建築確認申請が必要になります。200㎡以下であれば建築確認申請は不要ですが、寄宿舎としての設備基準(採光・間仕切壁など)や消防法の適合は別途求められます。事前に建築士や行政窓口に相談してみてはいかがでしょうか。

シェアハウスの家賃相場は1室あたり月3〜6万円程度が目安です。4室貸し出せれば月12〜24万円の収益が見込めますが、空室リスクと管理負担を考慮した上で判断したいところです。

賃貸収入にかかる税金と確定申告のポイント

空き家を賃貸に出して得た収入は、不動産所得として確定申告が必要になります。経費を適切に計上することで、税負担を抑えていきたいところです(参考:国税庁タックスアンサーNo.1370「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」)。

不動産所得の経費に算入できる主な項目
・固定資産税・都市計画税
・火災保険料・地震保険料
・管理委託費・仲介手数料
・減価償却費・修繕費
・ローン金利(元本返済は不可)

青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。ただし、事業的規模(5棟10室基準)に該当するかどうかで控除額が変わる場合があるため、判断に迷う場合は税理士に相談することをおすすめします(参考:国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」)。

専門家に相談すべきポイント。税務判断で迷ったら

次のようなケースでは、税理士への相談が選択肢として考えられます。

  • 事業的規模の判定:複数物件を所有している場合の所得区分
  • 減価償却の計算:中古建物の耐用年数・償却方法の選択
  • 修繕費と資本的支出の区分:リフォーム費用の税務処理
FP

FP

相続で取得した空き家を賃貸に出す場合、減価償却の取得価額は被相続人の取得費を引き継ぐのが原則です。被相続人の購入時の契約書・領収書・住宅ローン関連書類などが残っていれば、減価償却の基礎資料として活用できます。書類が見つからない場合、取得費は売却価額の5%とみなされるケースがあり、将来売却時の譲渡所得計算で不利になりやすいため、賃貸開始前に書類を探しておくことをおすすめします。

よくある質問

空き家の賃貸活用は、通常賃貸・民泊・シェアハウスの3つから選んでいきます。維持コスト(年間15〜30万円)を賃料収入でカバーできれば、売却せずに資産を保有しながら収益化できる選択肢です。立地・物件状態・管理負担を考慮しながら、ご自身に合った形態を選んでみてはいかがでしょうか。

Q1:空き家を賃貸に出す場合、最低限どのくらいのリフォーム費用がかかりますか?

最低限のリフォーム(クロス張替え・水回り補修・クリーニング)で100〜300万円程度が目安です。築年数や状態によって大きく変わるため、複数の業者から見積もりを取ってみてください。

Q2:民泊と通常賃貸はどちらが収益性が高いですか?

観光需要が高い立地では民泊の方が高収益になる可能性がありますが、年間180日の営業制限があります。安定収入を重視するなら通常賃貸、稼働率に自信があれば民泊という選び方が一般的です。

Q3:遠方に住んでいても空き家を賃貸運用できますか?

可能です。賃貸住宅管理業の登録を受けた管理会社に委託すれば、入居者募集から家賃回収・トラブル対応まで任せられます。管理委託費は家賃の5〜10%程度が相場です。

Q4:賃貸に出した後、将来売却したくなったらどうすればいいですか?

入居者がいる状態(オーナーチェンジ)でも売却は可能です。ただし、居住用物件より買い手が限られるため、売却価格が下がる傾向があります。定期借家契約を結んでおけば、契約期間満了後に退去してもらい、通常の売却ができます。

Q5:賃貸活用が難しい場合、他にどんな選択肢がありますか?

売却・買取・解体・相続土地国庫帰属制度など、複数の選択肢があります。物件の状態や立地によって最適な方法が異なるため、まずは不動産業者や専門家に相談してみてはいかがでしょうか。詳しくは「相続した実家の処分方法5つ」でご紹介しています。

※本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスへの加入や契約を推奨するものではありません。実際のお手続きやご判断は、各サービスの公式情報をご確認のうえ、ご自身の判断でお願いいたします。

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