公的年金(国民年金・厚生年金)では、将来の年金額が不安…。

企業年金とは?
企業年金は、企業から退職後に支給される年金のことです。
企業年金には、
- 確定給付型・・・給付額が確定している
- 確定拠出型・・・掛金の額が確定している
の2種類があります。
確定給付型企業年金とは?
確定給付型企業年金(DB)には、厚生年金基金と確定給付企業年金があります。
確定給付型企業年金は、老齢給付と脱退一時金の他に、障害給付や遺族給付を行うことも可能となります。

厚生年金基金
厚生年金基金は、厚生年金に上乗せすることを目的としている年金です。
2014年4月1日以降は、厚生年金基金の新設は認められていません。
支給開始年齢は老齢厚生年金と同じく60~65歳となります。
加入者(従業員)の負担した掛金は、社会保険料控除の対象です。
確定給付企業年金
確定給付企業年金には、規約型と基金型があります。
- 規約型企業年金・・・労使合意の年金規約に基づき、事業主が資産管理運用機関(信託銀行や生保など)と積立金の管理・運用に関する契約を結び、資産管理運用機関が年金資産の管理、運用、給付を行うもの。
- 基金型企業年金・・・企業とは別の法人格を持つ基金を設立して年金資産管理を行うもの。
確定給付企業年金の掛金は、事業主負担ですが、規約に定めれられていれば従業員も負担できます。
加入者(従業員)が負担した掛金は生命保険料控除の対象となります。
確定拠出年金とは?
確定拠出年金(DC)には、企業型年金(企業型DC)と個人型年金(iDeCo)の2つがあります。
原則、60歳まで引き出し・脱退は不可となります。
確定拠出年金は、運用商品の中から加入者本人が運用指図を行い運用リスクを負います。
運用商品には、預貯金、保険商品、投資信託等で3つ以上提示されます。
運営機関によって、口座管理手数料や運用できる金融商品は異なります。
加入者が負担した掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
企業型年金の加入者が確定給付型企業年金だけがある企業に転職をした場合や、退職して国民年金第1号被保険者・第3号被保険者になった場合は、年金資産を国民年金基金連合会に移し、個人型年金に移管することができます。
通算加入者期間が10年以上あれば、60歳以降に老齢給付を受給することができます。
老齢給付の年金は公的年金等の雑所得として公的年金等控除の対象となります。
一時金として受給した老齢給付金は退職所得として分離課税となります。
企業型年金(企業型DC)
企業型年金の加入者は、原則60歳未満の全従業員です。
規約に定めれば、65歳未満でも加入できます。
掛金の年額上限(月額)
- 企業型年金のみの加入企業:66万円(5.5万円)
- 企業年金と確定給付型年金に同時加入している企業:33万円(2.75万円)
企業型年金の拠出者は、企業で従業員が上乗せすることも可能です。
運営主体は企業(事業主)となります。
個人型年金(iDeCo)
個人型年金の加入者は、20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者・第3号被保険者、厚生年金の被保険者となります。
掛金の年額上限(月額)
- 国民年金第1号被保険者は付加年金または国民年金基金と合算:81.6万円(6.8万円)
- 企業年金がない厚生年金被保険者、国民年金第3号被保険者:27.6万円(2.3万円)
- 企業型年金加入者:24万円(2万円)
- 確定給付型企業年金加入者、公務員:14.4万円(1.2万円)

個人型年金の拠出者は、加入者本人で中小事業主が上乗せすることも可能です。
運営主体は国民年金基金連合会となります。
自営業者が公的年金にプラスするためには・・・
自営業者等の年金制度には、
- 付加年金
- 国民年金基金
- 小規模企業共済
- 中小企業退職金共済
の4種類があります。
付加年金とは?
付加年金の加入者は、第1号被保険者だけです。
掛金(月額)
付加年金納付月数×200円が老齢基礎年金に増額されます。
※付加年金と国民年金基金の併用はできません。
年金の支給繰上げ、繰下げをすると付加年金も連動して繰上げ(減額)・繰下げ(増額)されます。
国民年金基金とは?
国民年金基金の加入者は、国民年金の第1号被保険者、任意加入被保険者(60~64歳)です。
掛金(月額)
国民年金基金の掛金は、加入者本人が負担します。
掛金の全額が社会保険料控除の対象となります。
小規模企業共済とは?
小規模企業共済の加入者は、従業員20人以下の個人事業主または会社役員です。
従業員は加入することはできません。
掛金(月額)
増額も減額も可能です。
小規模企業共済の掛金は、加入者本人が負担します。
掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
中小企業退職金共済とは?
中小企業退職金共済の加入者は、一定の要件を満たす中小企業の全従業員です。
事業主や役員は加入することはできません。
掛金(月額)
新規加入後4カ月目から1年間の掛金1/2を国が助成してくれます。(従業員ごと5,000円が上限)
中小企業退職金共済の掛金は、企業(事業主)が負担します。
福利厚生費として全額損金(必要経費)となります。