火災保険の見直し、節約ならウィズマネ火災保険一括見積り
選び方 見直し方 料金シミュレーション ランキング

火災保険金額の決め方ってどうするの?

HOME > 火災保険 > 戸建・分譲マンション >

監修者

ファイナンシャルプランナー 岩崎祐二

【経歴】 国立大学卒業後、建築設計事務所へ入社。将来のキャリアについて悩みながら転職、大手設計事務所やゼネコンで勤務。キャリアの悩みや転職経験から、人生を描く時に考えるべきことが『お金の問題』だと痛感。明確な資金計画から人生設計のサポートをするため、特定の企業や機関に属さない独立FPとして開業。現在はライフプランをもとに人生設計のサポート、保険や投資のコンサルティング、セミナー、執筆等を行っている。

火災保険の保険金額(再調達価格)の決め方ってどのようにするか知っていますか?

支払う火災保険料は受け取る保険金の金額によって変わってきます。
火災保険は家の保険ともいわれるほど重要な保険ですが、だからと言って保険料の払い過ぎや無駄は避けたいですよね。

今回は火災保険金額をどのように決めれば良いのかをご紹介していきます。

目次

火災保険金額は"評価額いっぱい"で設定する

保険金額を低くすればするほど保険料を安くすることができますが、万一の時に、十分な補償が受けられるよう保険金額は適切に設定することが重要です。
火災保険の保険金額については、好きな金額で設定できるわけではなく保険の対象となる「建物」や「家財」の評価額を基準に決めることになります。

再び建築する費用や再び取得するための費用が2000万円で十分なはずの建物に、4000万円といった過大な評価はされません。
また、逆に500万円と過小な評価が行われることもありません。
では、適切な評価額を算出することが重要となりますが、評価額には、「再調達価額(新価(額))」と呼ばれるものと「時価」と呼ばれる2つがあります。

再調達価額(新価(額)) ・・・
保険の対象である建物や家財を、修理や再建築、再取得するために必要な額を基準にした評価額です。
損害保険金だけで十分な復旧が可能となります。

時価・・・
再調達価額から、損害が生じた時点において年月の経過や使用による消耗分を差し引いた額を基準にした評価額です。

時価で契約してしまうと、もらえる保険金額が少なくなってしまうため、火災保険の契約は「再調達価額」で適切な評価を行うことが大切となります。
万一の時に十分な補償が受けられるよう、評価額いっぱいで保険金額を設定しておきましょう。

現在のほとんどの火災保険(三井住友海上やセコム損保など)は、再調達価額(新価)評価が基本となっていますので、これから契約される方は安心してください。

火災保険の保険金額設定時は【超過保険】と【一部保険】に気を付ける!

超過保険とは?
「超過保険」とは、建物の評価額よりも保険金額が高い状態のことを言います。
超過保険の場合、実際に被害にあっても評価額を超えた部分については保険金が支払われません。
保険金額を高く設定しているため、その分保険料は高くなります。
そのため、支払っている保険料が無駄になってしまうことになるのです。

一部保険とは?
「一部保険」は、建物の評価額よりも保険金額が少ない状態をいい、火災保険に建物評価額より低い保険金額で契約しているケースです。
一部保険の場合、万が一の際に支払われる保険金が減額されてしまう危険性があります。

例えば、火災保険の建物評価額の80%の契約になっていると、実際の損害額の80%しか支払われないということになります。
1000万円の建物に800万円の火災保険しか掛けられていなかった場合、実際に500万円の損害が出ても500万円の80%である400万円の保険金しか受けられないということになります。

火災保険の一部保険には、住宅ローンを借りている人は特に注意が必要です。

建物の評価額が2000万円であっても住宅ローンを1000万円しか借りていない場合、その1000万円にだけ火災保険を付けている場合が多く、このような場合に一部保険ができてしまいます。
また増築やリフォームで建物評価額が上がり保険金額が大幅に上昇した時も一部保険になってしまうことがあります。

まず、今加入している火災保険が超過保険か一部保険になっていないか火災保険の証券をチェックしていただき、どちらかに該当していれば火災保険の見直しを行うことが大切です。

被害にあった時にしっかり補償が受けられるように、今のうちに確認しておくことをおすすめします。

建物・家財の評価ってどうやって行われるの?

火災保険は再調達価額で設定することが大切とお話しましたが、建物・家財の評価はどのように行われるのでしょうか? それでは、建物の評価方法から見ていきたいと思います!

建物の評価方法をチェック!

建物の評価方法は新築なのか、築年数がたったものなのか、建築費がわかるのかによって変わってきますので、それぞれのパターンの評価方法をご紹介していきます。

パターン1 新築で建物の建築費もわかる場合

火災保険は、新築建物で建築費がわかる場合、建築費がそのまま評価額となります。
そのため、

注文住宅の一戸建てを3500万円で建てました。という方の場合の評価額は3500万円ということになります。

パターン2 中古住宅で建築費がわかる場合

中古住宅で建築費がわかる場合は、建築時の価格に物価変動などを考えて計算する「年次別指数法」で評価額が決まります。
これは、経過年数に応じた物価変動指数(建築費倍率)をかけて算出する方法です。
※倍率は保険会社や建物の構造によって異なります。

例えば 1990年に木造の注文住宅を2000万円で建てました。

という方の場合の評価額は

2000万円×0.98=1960万円

※0.98は建築費倍率です。倍率は保険会社によって異なります。

パターン3 建築費がわからない場合

新築中古に限らず建築費がわからない場合は、建物の構造から推定される建築費単価(保険会社が定めた1㎡あたりの単価)に面積をかけて算出する「新築費単価法」によって評価をします。

例えば、70㎡のマンションを買いました。という方の場合の評価額は

1㎡の単価20万円×70㎡=1400万円

※1㎡あたりの単価は、地域や建物の構造、保険会社によって異なります。

分譲マンション・建売住宅の再調達価額の評価方法はどうやってすればいいの?

分譲マンションの場合

分譲マンションで火災保険の建物評価額(再調達価額)は、建物部分の専有部分のみの金額となります。

しかし、分譲マンションの購入価格には土地代、共用部分の代金も含まれることから、火災保険の対象となる部屋(専有部分)のみの建築費はわかりません。

そこで、分譲マンションの購入金額から専有部分のみの金額を計算する必要があります。

専有部分の金額は、建物金額部分の40%と言われています。
専有部分の金額の計算方法としては、消費税から逆算し分譲マンションの購入金額から、建物金額を求めます。
その建物金額の40%が専有部分の金額となります。

マンション金額内訳

分譲マンション専有部分の計算方法

分譲マンションを3000万円(建物の評価と土地代の合計額)で購入し、消費税が80万円の場合 消費税は建物部分にしかかかっていないため、消費税を10%割り戻すと建物の金額が求められます。

80万円÷10%=800万円 800万円×40%=320万円

320万円が専有部分の金額となります。

分譲マンションで火災保険へ加入する建物保険金額の目安として、専有部分の金額を計算してみましょう。
それから、専有部分のみの金額を保険金額として設定することをオススメします。?

建売住宅の場合

建売住宅の場合も、マンション同様土地と建物がセットになっているため、建物の評価額を気を付けなければなりません。
土地代には消費税がかからないため、建売住宅の売買契約書に記載された建物金額や消費税から逆算して建物金額を推測することが可能です。

建売住宅の場合も、分譲マンションと同様に消費税を逆算する方法で建物金額を求めることができます。

ただし、建売住宅は、購入する方や売主の消費税負担を軽くするために、実際の土地代金と建物金額の内訳を調整して建物金額が安く設定されているときがあります。
このような場合に、建物金額や消費税の逆算から評価額を算出してしまうと、実際の評価額よりも大幅に下回ってしまう可能性があるので注意が必要です。
建物金額が低すぎる可能性がある場合には、実際の建物金額を売主や施工会社に聞いてみることが必要です。

建売住宅の建物金額の計算方法

購入金額が5000万円で消費税が72万円の建売住宅を購入した場合

72万円÷8%=900万円

900万円が建物金額となります。

家財の評価方法をチェック!

続いて家財の評価方法についてご紹介していきます。

火災保険の家財の評価額(再調達価額)は、世帯主の年齢や家族構成によって評価する「簡易評価」、所有している家財の合計金額を計算する2つの方法があります。

簡易評価とは・・・?
簡易評価は家財簡易評価表から家財の保険金額を決める方法です。
家財簡易評価表は参考データですので、実態と合っているかどうか検証することが大切となります。

出典:ソニー損保

【世帯主の年齢が30歳で家族構成が夫婦と子ども2人の4人家族の場合】
この場合、簡易評価では900万円となります。

実際に所有している家財が500万円分しかない場合に、簡易評価を利用すると900万円となるためそのまま保険金額を設定してしまうと、400万円分無駄に保険料を支払ってしまうことになります。
また、所有している家財が1000万円分あった場合は、900万円分しか保険金額に設定していないと万が一の時に100万円分不足することになります。

そのため、簡易評価をそのまま設定するのではなく、実際に所有している家財の金額も考慮して、簡易評価は参考にすることが大切です。

家財の保険金額は家財道具一式を購入した際の金額を計算して設定することをおすすめします。

明記物件とは?
貴金属、宝石、美術品等で1個または1組の価額が30万円(時価)を超えるもの、稿本、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに類する物は、申込書に明記しないと保険の対象にすることができない場合があり、これを明記物件といいます。

ただし、申込書に明記しても盗難の場合、支払われる保険金額が上限が100万円などと制限されている場合もあります。

家財に設定する保険金額は、実際に所有する家財道具を確認して計算した方が実際に補償を受ける際に適切な保険金額を手に入れることができます。
持っている家財一つ一つを確認するには手間がかかりますが、保険金額を簡易評価のみで設定することは危険です。

地震保険で家財も補償する範囲にする場合、火災保険金額の30~50%が加入限度額となっていますので、地震保険でも適切な保険金額を設定するようにしましょう。

火災保険で設定する保険金額によって保険料は変わってきます。
しかし、万が一の時にしっかり補償が受け取れるように評価額いっぱいで保険金を設定するようにしましょう。