
相続税とは?
相続税とは、相続や遺贈によって財産を取得した際に課税される税金のことです。
相続税の課税対象となる金額【課税価格】は、
課税価格=相続財産-非課税財産-債務控除(債務、葬式費用など)
で計算します。
債務控除とは?
- 控除できるもの・・・債務(被相続人の借金)
未払いの税金、未払いの医療費
通夜、葬儀(お布施、戒名料、読経料)、火葬、納骨の費用 - 控除できないもの・・・被相続人が買った墓地・墓石の未払い金
弁護士に支払った遺言執行費用
香典返し
初七日・四十九日に行った法務の費用
相続財産の種類

- 本来の相続財産・・・被相続人が所有していた預貯金、株式、債券、現金、貴金属、不動産、特許権などの金銭に換算できる価値のあるもの
- みなし相続財産・・・生命保険や死亡退職金などの被相続人の死亡で相続人が取得する財産
生命保険:被相続人が契約者で被相続人の死亡により相続人に支払われる保険金
死亡退職金:被相続人の死亡により支払われる退職金で、被相続人の死後3年以内に支給が確定したもの - 生前贈与加算
- 相続時精算課税による贈与財産
生命保険金が相続税の課税対象となるのは?
- 相続人が受取人の場合、相続税の課税対象。
受取人固有の財産となるため、特段の事情がない限り、相続人などによる遺産分割協議の対象とはならない。 - 相続人以外の人が受取人の場合、遺贈となり相続税の課税対象。
- 保険期間中に被保険者より先に契約者が死亡した場合、解約返戻金が相続税の課税対象。
生前贈与加算とは?
生前贈与加算とは、相続人が被相続人から相続開始前の3年以内に贈与を受けた財産は生前贈与財産として相続財産に加算されることです。
加算価額は贈与時の価格で、贈与時に支払っていた贈与税は控除対象となります。

- 贈与時の配偶者控除に相当する部分
- 直系尊属から受けた場合の贈与税の非課税となった金額
- 教育資金の一括贈与に係る非課税措置で非課税となった金額
- 結婚・子育て資金の一括贈与のうち非課税となった金額
贈与税の非課税措置についてはこちらで紹介しています
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贈与税とは?課税方法、納税の仕方、計算方法について紹介。
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相続時精算課税による贈与財産とは?
相続時精算課税とは、贈与時点の贈与税を軽減し、相続が発生した時に贈与分と相続分を合算して相続税を支払う制度のことです。
相続時精算課税制度の適用を受けて贈与を受けた財産は、相続時に相続人として財産を取得しない場合でも、相続を放棄した場合でも、相続税の課税価格に加算されます。
加算価額は贈与時の価格が適用されます。
相続税の非課税財産はこれ!

- 墓地や仏具・・・墓地、墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物は相続税は非課税
- 弔慰金や葬祭料・・・被相続人の死亡によって受ける弔慰金、花輪代、葬祭料などは相続税は非課税
- 生命保険・死亡退職金の非課税限度額
他にも、相続税の申告期限までに国に寄付したものや自動車事故の加害者が加入していた対人賠償保険契約で被害者の遺族が保険会社から受け取った保険金は非課税となります。
「弔慰金の非課税の範囲」を超えたら相続税が課税される
弔慰金には非課税の範囲が決められています。
この範囲を超える部分は相続税が課せられます。

業務上の事由による死亡の場合
被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額
死亡時の普通給与額×36か月分
業務外の事由による死亡の場合
被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額
死亡時の普通給与額×6か月分
生命保険・死亡退職金の非課税限度額
相続人が生命保険や死亡退職金を受け取った時は、生命保険金や死亡退職金のそれぞれにおいて、非課税限度額が設定されていて、限度額以下の場合申告は必要ありません。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
各相続人の非課税限度額は、各相続人が受け取った保険金の割合に応じて按分されます。
各人の非課税限度額=非課税限度額×その相続人が受け取った保険金/全相続人が受け取った保険金合計額
相続放棄した人が生命保険金・死亡退職金を受け取った場合、全額が相続税の課税対象となります。
法定相続人の数はどうやって決まるの?

- 相続放棄者も法定相続人の数に含める
- 被相続人に実子がいる場合、法定相続人に加える養子の数は1人まで
- 被相続人に実子がいない場合、法定相続人に加える養子の数は2人まで
- 特別養子縁組により養子となっている人は法定相続人の数に含める
- 代襲相続人で、被相続人の養子は法定相続人の数に含める
- 配偶者の実子で、被相続人の養子は法定相続人の数に含める
相続税の納税義務者・申告方法・納付方法
相続税の納税義務者は、相続、遺贈、死因贈与によって財産を取得した個人です。
人格のない社団・財団法人、持分の定めのない法人は、個人とみなされて相続税がかかる場合があります。
相続税の納税義務者は、住所や国籍の有無によって、課税財産の範囲が異なります。
日本国内に住所を有していない人でも、相続税の納税義務者となることがあります。
居住無制限納税義務者
居住無制限納税義務者とは、財産取得時に日本国内に住所がある人のことです。
国内外の制限なく取得財産全部が課税対象となります。
非居住無制限納税義務者
非居住無制限納税義務者とは、日本国内に住所を持っていなくて
- 相続開始前10年以内に日本国内に住所がある日本国籍の個人
- 相続人は日本国籍を持たないが、被相続人が相続開始時に国内に住所がある
場合の人のことです。
国内外の制限なく取得財産全部が課税対象となります。
制限納税義務者
制限納税義務者とは、日本国内に住所を持っていない人で非居住無制限納税義務者以外の人のことです。
国内の財産のみ課税対象となります。

相続税の申告方法
相続税の申告書の提出期限は、原則相続人が相続の開始があったことを知った翌日から10カ月以内です。
申告書の提出は、死亡した被相続人の納税地の所轄税務署長となります。
相続税の課税価格の合計額が基礎控除額以下の場合は申告不要です。
配偶者に対する相続税額の軽減や小規模宅地等の評価減の特例を受ける場合は、納付額が0円であっても申告が必要となります。
死亡した被相続人の確定申告【準確定申告】の提出期限は、相続人が相続開始を知った翌日から4カ月以内です。
相続税の納付方法
相続税の納付は、申告書の提出期限内に金銭一括納付が原則です。
要件を満たせば延納も認められています。
相続税延納の要件
- 金銭一括納付が困難であること
- 相続税額が10万円を超えていること
- 相続税の申告期限までに延納申請書を提出すること
- 延納税額と利子税額相当の担保の提供が必要(相続人自身の財産、相続で取得した不動産を担保にすることが可能)
延納税額が50万円未満で延納期間が3年以下の場合は担保不要 - 相続財産のうち不動産価額の割合が一定以上ある時、延納期間最長20年

相続税を物納する場合・・・
物納財産の収納価額は相続税評価額(特例適用後の価額)となります。
物納の許可日の翌日から1年以内であれば、物納を撤回することも可能です。
物納財産の引き渡し、所有権移転登記などによって第三者対抗要件を満たしたときに、物納での納付が認められます。
相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産で、相続税の課税価格に加算されたものは、所定の要件を満たせば物納もできます。
物納に充当できる財産は、相続税法に順位が規定されていて
- 第1位:不動産・船舶・国債証券・地方債証券・上場株式など
- 第2位:非上場株式など
- 第3位:動産
となっています。
