外貨建て金融商品とは、ドルやユーロなどの外貨で運用される金融商品のことです。

外貨建て金融商品の為替レート
外貨建て金融商品は、ドルやユーロなどの外貨で運用するため、
- 購入時・・・円を外貨
- 売却時・・・外貨を円
に換える必要があります。

為替レートには
- TTS
- TTB
- TTM
の3種類があります。
TTS
TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate)は、円を外貨に換える場合のレートとなります。
円を売るということでSelling Rateとなります。
TTSは、TTMに為替手数料を加えたレートとなります。
TTB
TTB(Telegraphic Transfer Baying Rate)は、外貨を円に換える場合のレートとなります。
円を買うということでBaying Rateとなります。
TTBは、TTMから為替手数料を引いたレートとなります。
TTM
TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)は、基準となる真ん中のレートのことで仲値とも言います。
TTMの為替レートと為替手数料は金融機関ごとに異なります。
外貨建て金融商品には為替リスクあり!

- 為替レートの変動で生じた利益:為替差益
- 為替レートの変動で生じた損失:為替差損
と言います。
為替差益
外貨建て金融商品を買った場合、円安になってから売ると投資利回りが上昇します。
1ドル100円時に購入→円安で1ドル120円時に売却→20円分の為替差益が出る
為替差損
外貨建て金融商品を円高になってから売却すると投資利回りは低下します。
1ドル100円時に購入→円高で1ドル80円時に売却→20円分の為替差損が出る
為替ヘッジの付いたファンドであれば、為替予約取引などを使って将来通貨を交換する際の為替レートをあらかじめ決めておくため、為替相場の変動で基準価額が変動しないように設定されています。
為替予約取引は、為替リスクを回避できる分、円換算での実質的な利回りは少なくなります。
外貨建て金融商品の紹介

外貨預金
外貨預金は、外貨で行う預金のことです。
円預金と同じように、普通預金、定期預金、通知預金などがあります。
外貨預金に預け入れできる通貨の種類や為替手数料は、取扱金融機関によって異なります。
外貨預金をするメリット
- 円で預金するよりも金利が高め
- 預入時より円安となれば、為替差益を得られる
外貨預金をするデメリット
- 国内銀行に預けていても預金保険制度の対象とならない
- 外貨建ての元本と利息は保証されていますが、円換算すると元本割れする可能性がある
- 為替手数料がかかる
- 預入時より円高になると為替差損が出てしまう
- 外貨定期預金は中途換金できないことが多い
外貨預金にかかる税金は?
外貨預金の税金は、
- 利子・・・20%の源泉分離課税
- 元本部分の為替差益・・・雑所得として総合課税
- 先物為替予約付外貨預金の利子、為替差益・・・20%の源泉分離課税
となっています。
外国株式
外国株式は、国外の証券取引所に上場している株式のことです。
外国株式の取引方法
- 外国取引(海外委託取引)・・・外国の取引所に上場している外国株式を円・外貨で取引
- 国内店頭取引・・・証券会社が保有する外国取引所に上場している外国株式を国内で円・外貨で取引
- 国内委託取引・・・国内の証券取引所に上場されている外国企業の株式を円で取引
の3つがあります。
外国株式を国内店頭取引で売買するためには、外国証券取引口座の開設が必要となります。
外国株式にかかる税金は?
外国株式でも国内株式と同様に、売却益は譲渡所得として所得税と住民税の課税対象となります。
外国債券
外国債券は、発行体・発行地・通貨のいずれかが外国の債券のことです。
国内の外国債券取引の中心は、店頭市場での相対取引となっています。
相対取引は、売り手と買い手が直に1対1で取引することです。
取引価格も取引方法も当事者同士の交渉によって決定します。
外国債券の種類
- サムライ債・・・外国債券のうち、外国の発行体が日本国内で発行する円建て外債
- ショーグン債・・・外国の発行体が日本国内で発行する外貨建て外債
- デュアル・カレンシー債・・・購入代金の払込みと利払いは円で、償還を外貨で行う債券
- リバース・デュアル・カレンシー債・・・払込みと償還は円で、利払いを外貨で行う債券。(逆二重通貨建て債)
の4つがあります。
外国債券にかかる税金は?
外国債券の税金は
- 利子・収益分配金・・・20%の源泉徴収または申告分離課税を選択
- 譲渡益・償還益・為替差益・・・20%の申告分離課税
となります。
利子・収益分配金で申告分離課税を選択した場合、上場株式等と損益通算・繰越控除が可能となります。
譲渡益なども申告分離課税のため同じく、上場株式等と損益通算・繰越控除が可能です。
外貨建てMMF
外貨建てMMFは、外国籍の公社債投資信託のことです。
※株式の組み入れ不可
外貨建てMMFは、決算が日々行われ月末最終営業日に元本超過額が分配金として再投資されます。
外貨建てMMFをするメリット
- 外貨預金に比べると利回り高めで、為替手数料が低い
- 預入時より円安になれば為替差益が得られる
- 売買手数料なし
- 購入の翌日から換金可能
- 解約時に信託財産留保額が徴収されない
外貨建てMMFをするデメリット
- 預金保険制度の対象外。国内証券会社で購入した場合は、投資者保護基金の対象。
- 元本が保証されない
- 為替手数料がかかる
- 預入時より円高になると為替差損がでる
外貨建てMMFの取引には、外国証券取引口座を開設する必要があります。
外貨建てMMFにかかる税金は?
外貨建てMMFの税金は、外国債券と同じく
- 利子・収益分配金・・・20%の源泉徴収または申告分離課税を選択
- 譲渡益・償還益・為替差益・・・20%の申告分離課税(上場株式等と損益通算・繰越控除が可能)
となります。