
共済の火災保険・地震保険を詳しく解説!共済ではどんな保障を受けられるの?
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ファイナンシャルプランナー 竹国弘城
【経歴】 証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務、執筆業務などを行う。RAPPORT Consulting Office(ラポール・コンサルティングオフィス)代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士/CFP
火災や地震による損害を補償するのは保険会社の保険だけでなく、共済でも取り扱っています。
損害保険と同じような補償ですが、共済によって補償内容、共済金の条件はいろいろあります。
地震に対する補償も地震保険とは異なり、各共済によって内容が違います。
地震保険の場合、政府と保険会社の共同運営ですが、共済が独自で運営している場合は、1回の風水害、1回の地震等による共済金の支払限度額を各共済で決められています。
このように共済でも火災や地震の補償をすることができますが、損害保険とは少し異なってきます。
今回は、共済の火災・地震の保障を紹介しましょう。

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火災や地震の際にその後の生活が困らないようにしっかり補償を受け取ることができるように、どんな補償があるのか紹介していきましょう。
3つの共済の火災・地震の保障について調査!
こくみん共済coop(旧 全労済)の「住まいる共済」
こくみん共済coop(旧 全労済)の「住まいる共済」には、火災保険に該当する「火災共済」と、地震等の自然災害を保障してくれる「自然災害共済」が組み合わさっています。
火災共済の保障内容
住宅と家財をあわせて最高保障額は6000万円です。
自然災害共済の保障内容
自然災害共済には大型タイプと標準タイプの2つのタイプがあります。
(例)大型タイプの場合
火災の場合
・火災等で全焼の場合・・・契約共済金額の全額
※全焼・・・住宅の70%以上の焼破損の場合
・全焼にいたらない場合・・・契約共済金額の範囲内で損害額が支払われます。
地震の場合
火災共済の30%が最高保障額となります。
・住宅の損害額が20万円を超え100万円以下の場合・・・地震等特別共済金が支払われます。
一世帯あたり4.5万円です。
※標準タイプでは3万円。
・損害額が100万円超の場合・・・地震共済金が支払われます。
全壊・全焼(損害の程度70%以上)で加入保障額10万円(1口)あたり3万円
大規模半壊・大規模半焼(損害の程度50%~70%未満)で加入保障額10万円(1口)あたり18,000円
半壊・半焼(損害の程度20%~50%未満)で、加入保障額10万円(1口)あたり15,000円
一部壊・一部焼(損害の程度20%未満)で、加入保障額10万円(1口)あたり3,000円

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加入例
・東京都で木造住宅30坪
・住宅と家財の保障に加入
・新自然災害共済は大型タイプ
・住宅の加入基準240口
・家財の加入基準150口 の場合
■火災共済の保障金額
・火災など:最高3,900万円
・風水害など:最高300万円
■自然災害共済の保障金額
・風水害など:最高2,730万円
・地震など:最高1,170万円
その他諸費用共済金、特別共済金、持ち出し家財共済金、臨時費用などの保障もあります。
JA共済の「建物更生共済むてきプラス」
「建物更生共済むてきプラス」では、火災、落雷、破裂・爆発、水ぬれ、盗難、台風、洪水、大雪、ひょう、地震、噴火・爆発などの保障が基本保障に含まれています。
また、火災や自然災害でケガをした場合や死亡した場合の傷害共済金や、満期共済金があります。
住宅だけでなく、営業用の什器備品や、畜舎や堆肥舎などの建物も保障対象とすることができます。
共済期間は5年間または10年間となりますが、10年で契約して契約時に「継続特約」を付けることで、通算して30年など長期契約することも可能です。
地震の場合・・・
地震の時に支払われる自然災害共済金は、地震保険の「全損」「大半損」「小半損」「一部損」のように4段階ではなく、損害割合が5%以上のとき、火災共済金の50%に損害割合(=損害額/共済価額)をかけた金額が支払われます(損害額の50%を限度)。
加入例
建物:火災共済金額2000万円(再取得価額)、満期共済金額200万円 の場合
■火災、落雷、破裂・爆発、水ぬれ、盗難または盗難による汚損、騒じょう
・全損の場合
2,000万円+臨時費用共済金・特別費用共済金・残存物取り片づけ費用共済金
・分損の場合
復旧するために要する額(損害の額)+臨時費用共済金など
■風災・ひょう災・雪災・水災
損害の額(火災共済金額を限度)+臨時費用共済金など
※損害割合が一定以上のときなど制限有り
■地震
1,000万円×損害割合(損害の額の50%を限度)
※損害割合が5%以上のとき
■その他
火災や自然災害によって、死亡した場合600万円(被害者1名につき)
治療または施術の場合30万円
満期(保険期間満了)のとき200万円+割りもどし金(契約期間7年以上の場合)
県民共済の「新型火災共済」
県民共済は、住まいか職場のある都道府県で加入できます。
「新型火災共済」は火災、落雷、破裂・爆発、消防冠水などが保障対象です。
・住宅の保障額:最高4000万円まで
住宅の総坪数によって決定します。
・家財の保障額:最高2000万円まで
家族の人数によって決定します。
掛金は鉄筋コンクリート造か木造かによって変わります。
地震等によって住宅が半焼・半壊以上の損害を受けた場合には、地震等見舞共済金が支払われます。
地震等見舞共済金は加入額の5%の範囲内で最高300万円まで支払われます。
加入住宅の被災が原因で、加入者または加入者と同一世帯の人が死亡または重度障害になった場合には、1人につき100万円、最大500万円まで支払われます。
他にも、決算後、剰余金が生じたときは、払込掛金に応じて割戻金があるのも特徴の一つです。
加入例
住宅の保障額2,100万円(住宅の総坪数30坪)、
家財の保障額1,200万円(家族の人数3人) の場合
■火災、破裂、爆発、消防破壊・ 消防冠水、航空機の墜落、車両の衝突、落雪等
住宅の損害に対しては、全損(70%以上の焼破損)の場合2,100万円、一部損(70%未満の焼破損)の場合、損害額(再取得価額)が支払われる。家財に対しては、再取得価額で評価した損害額が支払われる。
■臨時費用
火災後に必要な仮住まい等の費用。
火災等共済金の20%で最高200万円
■焼死等
加入している住宅の火災等で加入者または家族が死亡・重度障害になった場合、1人100万円(合計500万円まで)
■持出し家財の損害
家財の加入額の20%の範囲内で最高100万円
■地震等
地震等による住宅の半焼・半壊以上の損害の場合、加入額の5%以内で最高105万円
■風水害
風水害等による10万円を超える損害または床上浸水の場合
・全壊・流出(罹災証明書による「全壊」認定):600万円
・半壊(罹災証明書による「大規模半壊/中規模半壊/半壊」認定または床上浸水):300万円
・一部破損:5~60万円
少額短期保険で地震補償をつけられる

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地震補償保険は、SBIいきいき少額短期保険が「SBIいきいき少短の地震の保険」を販売しています。
「SBIいきいき少短の地震の保険」は、地震保険と違い火災保険とセットではなく、単独で加入できます。
補償額は300~900万円の5タイプあり、世帯人数で決まります。
加入条件は、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物、または耐震改修によって同時点の新耐震基準を満たした建物に限られます。
ただし、家財は対象外で、保険期間は1年となっています。
保険金の支払額は建物の損壊程度で変わり、損害の程度の認定は地震保険とは異なり、地方自治体が調査し発行する「り災証明」のみで行われます。
- 全壊の場合:100%
- 大規模半壊の場合:50%
- 半壊の場合:約6分の1 (約16.67%)
- 一部損壊:補償対象外
※【全壊】
住宅がその居住のための基本的機能を喪失したもの、または、住宅の損壊が甚だしく、補修により元どおりに再使用することが困難なもの。
・住宅の損壊、焼失、もしくは流失した部分の床面積が、住宅の床面積の7%以上のもの。
・住宅の主要な構成要素の経済的被害が、住宅全体の5%以上に達した程度のもの。
【大規模半壊】
半壊であって、構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ、当該住宅に居住することが困難であると認められるもの。
・損壊部分がその住宅の床面積の5%以上7%未満のもの。
・住宅の主要な構成要素の経済的被害が、住宅全体の4%以上5%未満のもの。
【半壊】
住宅がその居住のための基本的機能の一部を喪失したもの。住宅の損壊が甚だしいが、補修すれば元どおりに再使用できる程度のもの。
・損壊部分がその住宅の床面積の2%以上5%未満のもの。
・住宅の主要な構成要素の経済的被害が住宅全体の2%以上4%未満のもの。
※平成21年6月1日現在の政府の認定基準となります。
保険会社の特約に地震補償の上乗せあり

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地震危険等上乗せ補償特約・・・
地震・噴火・津波による損害について最大で火災保険金額の100%を補償してくれます。
地震火災特約・・・
地震等による火災で建物が半焼以上、または保険の対象の家財が全焼した場合に、地震保険の保険金、火災保険の地震火災費用保険金とあわせて、最大で火災保険金額の80~100%まで補償されます。
今回は火災や地震を補償してくれる共済や少額短期保険、地震の際に補償を上乗せしてくれる特約についてご紹介しました。
それぞれの家庭によってどんな保険や補償をつけるかは選ぶことができる時代です。
どんな保険に入って、どんな補償をつけるのか自分の家庭に合わせてしっかり選ぶことが大切です。
これから保険に加入しようとしている方は、参考にしてみてください。