諸費用

住宅ローン諸経費の保証料とは?保証料が返金されるケースもある?

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(構成・文=横山 晴美/ファイナンシャルプランナー)

住宅ローンの諸経費のひとつに「保証料」があります。保証料は小さな額ではなく、諸経費のうちで大きな割合を占める費用です。

ただし保証料は繰上返済や一括繰上返済時に一部が戻ってくることがあります。

「保証料は安いほうがいい」と考えている人にとっては、保証料の返金は気になる仕組みでしょう。

保証料の返金とはどういったものなのか、保証料の仕組みから解説します。

保証料の役割

最初に、保証料の必要性について見ていきましょう。保証料は保証会社と契約(保証を受ける)するために必要な費用です。

住宅ローン契約者が保証会社の「保証」とは、万が一住宅ローンの支払いが滞った場合に、契約者に代わり、保証会社が金融機関への返済を行うことをいいます。

なお、保証会社が返済をした場合も住宅ローン契約者の返済義務は変わりません。

返済先が保証会社へ変わるだけです。ただし、金融機関にとっては返済不能リスクがなくなるので、大きな意味があります。

直接的には、保証会社の「保証」は金融機関側の安心のためのものです。しかしその「安心」があることで、住宅ローン融資を受けやすくなります。

最終的には保証料は住宅ローン契約者の利益になるといえるでしょう。

保証料の多様化

以前の住宅ローンでは、保証料が発生するのが一般的でしたが、近年は保証料のない住宅ローンも増えてきています。

ただし、保証料がない住宅ローンは返済不能リスクを考慮するため、審査が厳しい傾向にあります。

また、保証会社ではなく金融機関自らが審査を行いますので、事務手数料も高い傾向にあるようです。

保証料が無料であることのデメリットにも、留意しましょう。

なお、全期間固定金利のフラット35はどの金融機関でも共通して保証料が不要となっています。

フラット35を運営する住宅金融支援機構では、そもそも制度上、保証料を不要としているからです。

保証料の支払い方法

保証料の返金について知るには、保証料の支払い方法について知っておかなければなりません。

保証料の支払い方法は通常2種類です。

保証料1 一括前払い方式

借入時に保証料を一括支払いする方式です。

例えば35年間の返済期間であれば、35年分を一括して支払うことになります。

そのため、繰上返済や一括繰上返済で返済期間が短縮されると保証料が返金される可能性が生じるのです。

保証料の返金は「割戻し保証料」「戻し保証料」などと呼ばれます。

一括前払い方式では融資時の諸経費が大きくなりますが、後の負担はありません。気になる保証料は「借入期間」「借入額」「審査内容」などにより変わるため、一概に「いくら」とはいえません。

ただし目安としては一般的に、融資額の2%程度(借入期間35年の場合)とされています。

りそな銀行で公開している保証料で検証してみます。

【保証料(りそな銀行の場合)】

借入期間

融資100万円あたりの保証料

10

8,544

15

11,982

20

14,834

25

17,254

30

19,137

35

20,614

(出典 りそな銀行「保証料(一括前払い)の一覧表」)

上記の例から、借入期間35年の保証料を確認すると「20,614円」となっています。100万円の2%は「20,000円」ですので、やはり融資額の2%程度と考えてよさそうです。

仮に3,000万円借入した場合の目安は60万円ということになります。

保証料の総額からみると一括前払い方式方は、次にご紹介する金利上乗せ型よりも金額が抑えられる傾向にあります。

保証料2 金利上乗せ方式

金利上乗せ方式は、名前の通り金利が上乗せされる支払い方法です。

上乗せ金利の目安は0.2%程度です。借入時の諸経費は抑えることができますが、毎月の負担が増えることになります。

金利上乗せ方式は、借入額と返済期間によって支払う保証料が変わってきます。

実際にいくらになるのか、シミュレーションしてみましょう。

【保証料の例】

  • 借入額 3,000万円
  • 返済期間 35
  • 金利1.2%(保証料上乗せ分0.2%含む)

金利

毎月返済額

総返済額

1%

8.5万円

3,557万円

1.2%

8.8万円

3,676万円

保証料上乗せ分(総額)

119万円

上記の条件では、金利が上乗せされた分の返済総額は119万円でした。一括前払い方式よりも大きい額です。

とはいえ、金利上乗せ型は、都度払いとなりますので、繰上返済をすれば、繰上返済の内容に応じて保証料が減ることになります。

保険料の返金「割戻し保証料」とは

金利上乗せ方式は、繰上返済をしても保険料の返金は発生しません。

保険料の返金は、一括前払い方式のときのみ生じることになります。

ただし、繰上げ返済を行った場合に、保証料の返金が必ず発生するとは限りません。

保証料の返金は、金融機関(保証会社)独自の料率・計算方法によって算出されます。

一般的には、早く返済するほど料率は高いです。

時間が経過するごとに返金の料率は低くなり、完済間際の繰り上げ返済では、保証料の返金がゼロのケースもあるようです。

【返金例(りそな銀行)】

  • 借入額 2,500万円
  • 返済期間 35
  • 一括前払い保証料 51.5万円

全額繰上げ返済時における保険料の返金額

全額繰上返済時期

5年後

10年後

15年後

20年後

25年後

保証料の返金額

31.6万円

18.6万円

10.2万円

5万円

1.9万円

返金手数料は考慮していません

(出典 りそな銀行「戻し保証料とは」)

一括繰上げ返済の事例ですが、借換えでもない限り、5年後や10年後に全額を繰り上げ返済することは難しいでしょう。

現実的には、20年後、もしくはそれ以上の年月がかかると考えられます。

上記の例では、25年後の段階で1.9万円です。

ただし、保証料の返金が生じる場合も、所定の手数料が発生します。りそな銀行の場合は、以下の手数料がかかります。

【保険料の返金が生じる場合の手数料】

  • 保証会社手数料10,800円(消費税等込み)
  • 振込手数料(消費税等込み)

ただし、インターネットバンキングを利用した一部繰り上げ返済の場合は、上記の保証会社手数料10,800円は無料

20年や25年経過後の繰り上げ返済では、保険料の返金は期待しないほうがいいかもしれません。

一方で、返済期間が10年や15年など、比較的短時間で借換を行う場合は、それなりの金額が戻ってくる可能性があります。

例えば10年後に借換を行うと18.6万円(手数料別)の返金が生じる見込みです。

ただし、借換にかかる諸経費にそのまま充当するのは難しいでしょう。

証料の返金額が振り込まれるまでには、一定の時間がかかるからです。

借換が終わった後、保証料の返金額を家計に還元していけるといいですね。

保証料支払い時の考え方

借換や繰上返済を考慮せず、漫然と返済するならば、一括前払い方式のほうが、金利上乗せ方式よりも保証料が低く抑えられそうです。

とはいえ、実際にどうやって返済していくのは、その時の状況によって変わるでしょう。

また、一括前払い方式し保証料を支払った人が繰り上げ返済をしたとしても、保証料が確実に返金されるわけではありません。

保証料の支払い方法で迷ったときは、保証料の返金については考慮しないことをおすすめします。 

保証料は数十万円、場合によっては百万円超の金額になるかもしれません。

それだけの金額ですので、「保証料がかかるかどうか」「保証料返金はあるのか」などが気になる人は多いと思います。

しかし、保証料だけで住宅ローンを決めることはできません。

あくまで「借り入れ当初の資金に余裕があるかどうか」、「最初の諸経費が多くても、毎月の返済を抑えたほうがいい」といった返済プランをベースに考えましょう。

さらに、金利上乗せ方式を選んだ場合でも、審査により保証料の一部を前払いすることを求められる事例があります。

保証料に関しては、金融機関(保証会社)が選択権を持っている部分も多いことを知っておいてください。

まとめ 保証料以外の要素も含めて住宅ローンを選択しよう

保証料が返金される「割戻保証料」は必ずしも受け取れるとは限りません。

また、受け取れる場合も支払った保険料と比較すると少額になるケースがほとんどです。

保証料の返金は「返金があればうれしい」程度に考えおくといいかもしれません。

そもそも、保証料は住宅ローン選びの要素のひとつでしかありません。

仕組を知っておくことは大切ですが、こだわりすぎることのないようにしましょう。

参考保証料なしの住宅ローンはお得?メリットとデメリットがあるので注意

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  • この記事を書いた人

Harumi Yokoyama

ライフプラン応援事務所代表 企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信にも力を入れている。»ライフプラン応援事務所

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