基礎知識

住宅ローンの借入額はどう考える?年収と年齢から目安を割り出そう

(構成・文=横山 晴美/ファイナンシャルプランナー)

住宅の購入においては住宅ローンを組むのが一般的です。

これから家探しをする人が、住宅ローンがどのくらいの金額借りられるのか不安を感じていることは少なくないでしょう。

住宅ローンには審査があり、審査に通らないとマイホームの購入計画が頓挫してしまう可能性があるからです。

自分のケースではどの程度の住宅ローンを借りられるか、目安を知っておくと住宅購入計画がうまく進みやすいでしょう。

審査では申込者の信用情報や物件の担保価値など多方面からチェックされますが、ここでは特に「年収」と「年齢」に焦点を当てて解説します。

住宅ローン審査とは

住宅ローンの審査とは、金融機関がお金を貸す前に申込者に返済能力があるのかをチェックすることです。審査されるのは次のような項目です。

【申込者の要件】

  • 年齢
  • 勤務先および勤務状態
  • 年収
  • 健康状態
  • 保証会社の「保証」を得られるかどうか など

【その他の要件】

  • 物件が建築基準法を順守しているか
  • 物件の担保価値
  • 返済期間 など

一般的には予備的な審査である「仮審査」に通ると、住宅ローンが組める見込みで購入を本格的に進めていきます。

例えば、仮審査が通ったらすぐに通本審査の申し込みをし、本審査中に住宅の売買契約を結ぶ、といったスケジュールです。

本審査には時間がかかるので、本審査を行っている間に売買契約を行うのは時間効率がいいです。

しかし仮審査の通過は本審査の通過を約束するものではありません。

本審査の結果が出る前に売買契約を結ぶ点に不安を感じる人もいるでしょう。住宅ローン審査が通らなかった場合、購入スケジュールが狂ってしまいます。

住宅ローン借入額と年収の目安

住宅ローン審査の安全性を高めるには、堅実な額で申し込みすることが有効です。

年収を軸に「住宅価格」と「いくら借りられるか」の目安を図る数値を紹介します。

住宅価格の目安となる「年収倍率」

住宅価格を決定するのに役立つのが「年収倍率」です。年収倍率とは、年収の何倍の住宅を購入したかを示す率のこと。住宅金融支援機構の「2019年度 フラット35利用者調査」によると年収倍率は次の通りです。

  • 土地付き注文住宅 7.3倍
  • マンション 7.1倍
  • 建売住宅 6.7倍

住宅金融支援機構 2019年度 フラット35利用者調査(PDFより

おおむね7倍程度ですので、下記が購入物件の目安ということになります。

  • 年収300万円 「2100万円(300万円×7倍)」
  • 年収500万円 「3500万円(500万円×7倍)」
  • 年収700万円 「4900万円(700万円×7倍)」

ただし上の数字は、頭金も含めた住宅価格の総額です。

同調査によると、頭金の平均は2割程度です。

頭金が多い人はもう少し高い物件が狙えるかもしれませんし、逆に少ない人はその分を差し引いて住宅価格を考えるといいです。

住宅ローン借入額の目安となる「返済負担率」

住宅ローン借入額を図るのに有効なのが「返済負担率」です。

返済負担率とは、年収に占める年間返済額(住宅ローン年額)の割合で、住宅ローン以外にも返済金がある場合はそれも含めて算出します。

【計算式】

返済負担率(年収に占める年間返済額)=年間返済額÷年収×100

例えば、年収500万円の世帯において、年間返済額が100万円であれば、返済負担率は「20%(100万円÷500万円×100)」です。

返済負担率は金融機関での審査においても重視される項目です。

住宅ローン審査の基準は金融機関ごとに異なり、返済負担率の基準値も公にされているわけではありません。

ただし住宅金融支援機構のフラット35は基準が公開されています。

【フラット35 返済負担率】

  • 年収400万円以上 「35%以下」
  • 年収400万円未満「30%以下」

ここで、年収ごとに返済負担率を「30%」「25%」とした場合の返済額を紹介します。

年収 返済負担率 年間返済額(a) 毎月返済額
500万円 25% 125万円 約10.4万円
30% 150万円 約12.5万円
700万円 25% 175万円 約14.5万円
30% 210万円 約17.5万円
900万円 25% 225万円 約18.7万円
30% 270万円 約22.5万円

さらに、表中「年間返済額(a)」から借入総額を逆算しています。

【前提条件】

  • 返済期間35年間
  • 元利均等返済・ボーナス払いなし
  • 適用金利3%
  • 住宅ローン以外の借入れは考慮しない
年間返済額(a) 毎月返済額 借入総額
125万円 約10.4万円 約2702万円
150万円 約12.5万円 約3248万円
175万円 約14.5万円 約3767万円
210万円 約17.5万円 約4547万円
225万円 約18.7万円 約4859万円
270万円 約22.5万円 約5846万円

フラット35のローンシミュレーション「新規借入れを検討の方」により試算

住宅ローンの借入額を決める際の参考になるでしょう。なお、上記は適用金利が「3%」となっており、市場金利と比較すると高い水準になっています。

これは住宅ローン審査においては市場金利よりも高い金利で返済負担率を計算されるのが一般的だからです。

仮に市場金利に準じて「適用金利1%」で試算すると、上記の内一番金額を抑えている「毎月返済額10.4万円」のケースでも、借入総額は「約3684万円」と、1000万円近くも借入総額が伸びることになります。

審査における金利水準も公になっているわけではありませんが、審査では市場金利よりも厳しい金利が適用されるのは確かです。

市場金利で計算するよりも借入額の目安が下がることを知っておくといいでしょう。

住宅ローン借入額の目安と「年齢」

住宅ローン審査においては年齢も重要で、金融機関ごとに借入時の最低年齢と上限年齢が定められています。

最低年齢は通常「20歳」、完済年齢は「75歳~80歳程度」としている金融機関がほとんどです。

つまり35年ローンを組むならば、40~45歳までに申し込まなければならないことになります。

年齢は返済プランにも大きな影響を与える

では、最低年齢と上限年齢さえクリアすればそれでいいのかというと、そうとは言えません。それは上限年齢とは別に退職年齢も含めて考えなければならないからです。

実際に、国土交通省の「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると審査時に考慮する項目としてトップに挙がっているのが「完済時年齢」です。

会社員の人であれば「完済時年齢」をどう考えていくべきでしょう。

20代や30歳前後といった若い人なら、漫然と35年の住宅ローンを組んでも定年退職前に住宅ローンが完済できるでしょう。

このケースでは「退職金制度がないので、早く返済を終わらせて老後資金を準備したい」「早期退職を視野入れている」といった意向がなければ35年返済のプランで問題ないでしょう。

しかし定年退職後も返済が続く場合、それが審査においてマイナスに働く可能性があるだけでなく、自身の返済計画においてもリスクが高いです。

年齢と定年退職時期を照らし合わせたうえで何年の住宅ローンが妥当かを考えていかなければなりません。

年齢に応じて返済プランを調整する方法

通常の返済期間である「35年返済」では定年退職後まで返済が継続する場合、年齢に応じて返済期間を調整するか、それ以外の方法で返済リスクを抑えていくことが必要です。

返済期間を調整する方法とは、主に定年退職時期に完済できるよう返済期間を短縮するケースです。

このケースでは返済期間を短縮した分、毎月返済額が増えるため、日々の給料から無理なく返済できるかに留意します。

返済が苦しくなる場合は、借入額を小さくすることも視野に入れます。借入額を小さくするには、頭金を入れる、もしくは購入する住宅を見直す方法があります。

返済期間を短くすることが難しい場合は、再就職やより長い期間働ける会社への転職など、長く収入を得られる準備をしておくといいです。

返済期間を考慮することで、住宅ローンの借入額も調整が必要になることがあります。

そのため希望借入額を設定する当初から、「返済期間」も同時に考えておくことが重要です。

借入額の目安を住宅購入計画に役立てるには

住宅ローン借入額において「年収」「年齢(返済期間)」は重要な要素であることを紹介しました。

本記事の内容を生かすためには、次のステップで住宅ローン借入額を設定していくといいです。

  1. 年収倍率で「物件価格」を推測
  2. 「物件価格」から頭金を差し引いて「借入希望額」を推測
  3. 「希望借入額」の返済額を試算し、自身の返済負担率を算出(※返済負担率を算出する際には、年齢に応じた返済期間で試算する)
  4. 返済負担率が高いようなら希望借入額の調整

このように自身の年収や年齢を軸に希望借入額を算出することで、無理な借入れを避けやすくなります。

結果的に審査にも通りやすくなるでしょう。

まとめ 借入額の目安を知り、住宅購入をスムーズに

住宅ローンの審査は複数の要因がからむため、借入額を適切な額にすれば必ずしも審査に通るものではありません。

しかし、借入額が重要な審査項目であることは確かです。

年収や年齢などから借入額の目安を確認し、身の丈以上の借入額で審査に臨まないようにしましょう。

参考40年の住宅ローンを組む場合のメリット・デメリット

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  • この記事を書いた人

Harumi Yokoyama

ライフプラン応援事務所代表 企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信にも力を入れている。»ライフプラン応援事務所

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