病気やケガで治療が必要になった時、入院保険や通院保険の必要性を強く感じることでしょう。
しかし、いざ保障が必要となった時「保障されない」「思ったより保障されなかった」というケースも多々発生しています。
民間の保険会社で販売されている入院保険と通院保険には、知っておくべきポイントがあるのです。
この記事では、保障内容や保険の種類について詳しく解説しているので、医療保険を検討する際には、ぜひ参考にしてください。
入院保険の保障とは?
入院保険とは、病気やケガで入院した時に、入院保険の契約内容にもとづき、給付金を受け取れる保険です。
入院日数が大きく影響する入院保険は、日額や一時金など給付タイプが様々ですので、加入する時は、ニーズに合っているのかをよく確認しておかなければなりません。
入院保険について、詳しく解説していきます。
入院日数で給付金が変わる
一般的に入院保険は、給付金の支払い方法が2つあります。
- 一時金保障タイプ
- 日額保障タイプ
近年増えつつある保障タイプが一時金保障タイプで、入院すると1日目、30日目の2回に分けて入院給付金を受け取ることができます。
日額保障タイプは、入院1日に対して保障額が決まっているため、単純に入院日数に日額を乗じた金額が入院給付金として受け取れる仕組みで、以前は主流の入院保険でした。
たとえば、入院保障日額が5,000円だった場合、入院日数によってそれぞれどのような違いがあるのか比較してみましょう。
| 入院日数 | 日額保障タイプの給付金 | 一時金保障タイプの給付金 |
| 1日で退院 | 5,000円 | 15万円 |
| 10日で退院 | 5万円 | 15万円 |
| 20日で退院 | 10万円 | 15万円 |
| 30日で退院 | 15万円 | 30万円 |
| 60日で退院 | 30万円 | 30万円 |
短期入院や30日を超える中・長期入院にも対応している保障が一時金保障タイプであることがわかり、主流になりつつあることも頷けます。
日帰り入院と外来の違いは何?
日帰り入院と外来の違いは、医療費の会計をした時に受け取る医療費の点数明細に、入院に関する医療点数がついていれば、日帰り入院として入院保険の対象となります。
治療を受けすぐに回復して帰宅した場合、「病室に運ばれたから入院給付金が受け取れる」と思ってしまいがちですが、医師の判断で日帰り入院になったり、外来扱いになったりするのです。
たとえば、早朝に救急車で運ばれて点滴治療を受けるために病室のベッドを借りていたが、体調が良くなったためその日の夜に退院した場合は、日帰り入院の扱いになることが多くあります。
一方、事故によって救急車で運ばれて病室のベッドを借りて処置をし、5時間ほど経過観察をしたあと帰宅した場合は、外来扱いとなってしまうこともあるのです。
外来扱いになってしまったがために、日帰り入院として保険会社へ請求しても受け付けてもらえなかったというケースもあるので、必ず請求する前に医療費の点数明細を確認しておいてください。
短期と長期、どちらの保障が必要か
厚生労働省「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、平均入院日数は27.3日で、ひと昔前と比べると入院日数は短期化傾向にあります。
一方で、外来患者数は増加しており、入院と併せて通院に対する保障の必要性が高くなってきているのです。
ただし、病状によっては長期の入院もありえることから、短期と長期で悩んだ時は、以下のようなリスクをもとに、自分に必要な保障を選ぶことが大切です。
短期入院に対する保障を重視するケース
- 短期入院でも日中は子どもを預けなければならない
- 差額ベッド代が発生しても個室に入院したい
- 個人事業主やアルバイトなど短期間でも働けなくなると困る場合
長期入院に対する保障を重視するケース
- 個人事業主やアルバイトなど、収入の保障を受けられない
- 家族の生活費を貯蓄で賄えない
- 高額療養費制度を適用しても医療費の支払いを貯蓄で賄えない
医療技術の発達とともに、入院保険も短期化しており、入院30日目までや60日目までの保障が一般的となっています。
自分が置かれている状況から、もしもの時のリスクを考えて入院保険を選ぶようにしておいてください。
通院保険とは?
通院保険とは、通院前後に入院をした場合に保障される保険のことです。
よく「通院すれば保障される」と間違えられやすいのですが、入院を伴っていることが条件であることが多く、通院だけでは支払われないケースが多くなっています。
具体的に、通院保険とはどのような保障があるのか詳しく解説していきます。
給付金がもらえる通院とは?
通院保険で給付金を受け取れる通院は、取り扱う生命保険会社によって異なりますが、主に2つのケースに当てはまるケースです。
- 通院していたが入院が必要になった
- 退院後に通院治療をすることになった
たとえば、ある保険会社では以下のような通院保険があります。
| 通院 | 保障の有無 |
| 通院のみ | なし |
| 入院前120日以内の通院 | あり |
| 退院後120日以内の通院 | あり |
体調を崩して通院したとしても、通院保険の対象外となるケースが多く、なかには入院前の通院は保障の対象外という生命保険会社もあります。
加入しようとしている保険会社によって、保障内容が大きく異なることがあるので、よく確認することが大切です。
1つの傷病で保障される通院日数
通院保険で保障される日数は、生命保険会社によって条件が異なります。
入院を伴う通院であること以外に、入院日数や通院の保障期間などの条件がある場合があるのです。
通院保険で保障される日数などについては、実際に給付金請求をおこなう時に初めて気づくケースが多いため、事前に理解した上で加入を検討しておきましょう。
3つの保険会社で通院保険を比較してみましたので、参考にしてみてください。
| 保険会社 | 入院の条件 | 通院保障 | 通算支払限度 |
| A社 | 入院給付金の対象となる入院 (日数は問わない) |
|
1,095日 |
| B社 | 入院給付金の対象となる入院 (日数は問わない) |
退院後120日以内のうち30日を限度 | 700日 |
| C社 | 入院給付金の対象となる入院 (日数は問わない) |
|
|
保険会社によって通院に対する保障日数の違いや、保険期間の中で請求できる通算支払限度額なども異なっています。
入院を伴うがんの通院治療をした場合は、退院から5年間は制限なしで通院給付金を受け取れる保険会社もあるので、検討する時は比較しながら検討することが大切です。
通院保険は必要か
前述でも解説したとおり、入院よりも外来患者が増加しており、通院に対する医療費に不安があるなら加入を検討しておくべきでしょう。
通院期間が長くなればなるほど、医療費がかさんでしまいます。
がんを含む生活習慣病では、通院期間が長期化する可能性が高いため、がん保険や生活習慣病に対する通院を中心に検討すべきだと言えます。
通院保険を考える時は、「どのような時の通院に備えるのか」がポイントとなることを覚えておいてください。
入院保険と通院保険のある保険種類と特徴
入院保険と通院保険は、生命保険だけでなく他の保険商品でも販売されています。
保険商品によっては給付対象外となってしまうため、加入する保険種類の特徴を理解したうえで加入を検討しなければなりません。
2つの保障を準備できる保険商品を3つ紹介するので、特徴をよく理解しておきましょう。
原因を問わない生命保険と医療保険
生命保険や医療保険では、入院保険や通院保険の対象となる原因は、病気もケガも含まれる特徴があります。
ただし、以下に該当する場合は保障されず、入院や通院をしても給付金が支払われないので注意しておいてください。
- 故意または重大な過失があった時
- 犯罪行為をした時
- 精神障害による事故の時
- 泥酔状態が原因の事故の時
- 酒気帯びや無免許運転で事故を起こした時
また、加入時の告知書で虚偽の報告をおこなう告知義務違反が判明した時には、給付金が支払われないばかりか、契約解除となるケースもあるので、告知書は偽りなく正直に記入することが大切です。
がんの治療に特化したがん保険
がん保険にも通院保険があり、がんの治療で入院や通院をした場合に給付金を受け取れます。
特にがんの治療では、抗がん剤や放射線治療で通院をすることが多くなるため、がん保険に加入するなら通院保障をしっかり準備しておくべきでしょう。
多くの保険会社で入院保険は日数無制限となっており、長期入院となっても保障される特徴があります。
通院保険では、従来の入院を伴う通院保障以外に、通院のみでがん治療を受けた場合も1年間は120日を限度として保障されるといった新しいプランが販売されています。
がん保険に加入する時は、長期入院や通院治療に対する保障を重視して検討しておきましょう。
ケガの治療に特化した傷害保険
損害保険会社で販売されている傷害保険は、ケガで入院や通院した時のみ給付金を受け取ることができます。
入院の有無を問わない通院保険が特徴で、「急激・偶然・外来の事故」でケガをした時に入院や通院が保障されるため、原因が病気だと補償の対象外となるのです。
多くの傷害保険では、事故当日から180日以内の入院や通院に対して補償され、入院なら180日、通院なら90日の補償限度日数があります。
たとえば捻挫や骨折、自転車でこけて傷を負ったという場合も、傷害保険に加入していれば通院給付金を受け取ることができます。
入院保険と通院保険は保障される範囲に注意!
入院保険や通院保険は、保険会社や保険商品によって細かく規定があり、保障(補償)される内容に違いがあります。
「なぜ保険に加入するのか」という自分自身の理由をはっきりと持ち、ニーズに合った保険に加入することが求められます。
そのためには様々な保険商品を比較し、入院保険金や通院保険金では、どれくらい保障(補償)されるのか、保険料の違いは何なのかなど、細部まで確認して検討するようにしましょう。