女性にとって30代は結婚など様々なライフイベントが待っています。今後の人生にとっても重要な時期であるため、将来に向けて保険を用意したい方も多いでしょう。
30代女性が保険を考える場合、万が一の保障の準備と資産形成を同時にできる貯蓄型保険を活用する方法があります。
しかし貯蓄型保険が本当におすすめなのか気になりますよね。
今回は30代女性に貯蓄型保険がおすすめなのかについてご紹介していきます。
貯蓄型保険とは?掛け捨て型保険との違いも
貯蓄型保険は、将来の万が一に備えつつ資産形成や貯蓄まで一緒にできる生命保険です。
保障も解約しない限りずっと続く上、満期だけでなく解約時も保険金を受け取れます。
貯蓄型保険以外にも掛け捨て保険があります。2つの違いを表にまとめました。
貯蓄型保険 | 掛け捨て型保険 | |
特徴 | 万が一に備えつつ、貯蓄や資産形成までできる | 安い保険料で高い死亡保障を付けられる |
保険料 | 高い | 安い |
満期保険金 | あり | なし |
解約返戻金 | あり | なし(少額で戻る商品もある) |
主な種類 | 終身保険・養老保険・外貨建て保険・学資保険など | 定期保険・医療保険・がん保険など |
30代女性に貯蓄型保険がおすすめな4つの理由
30代女性にとって貯蓄型保険がおすすめな4つの理由を紹介します。
万が一の保障の準備と資産形成を両立できる
貯蓄型保険は死亡など万が一の場合に必要なお金に備えられるとともに、将来に向けて資産を蓄えられたりするのが特徴です。
30代の女性は健康面で問題があまりなくても、何らかの理由で死亡や高度機能障害に陥る場合もあります。
特に結婚や出産を控えている場合は、何かあった時にパートナーや生まれてくる子どものためにお金を残すことが大切です。
同時に貯蓄型保険は満期で保険金が受け取れるだけでなく、解約返戻(へんれい)金も受け取れます。基本的に長く加入しているほど、満期保険金や解約返戻金の額が増える傾向があります。
そのため、資産形成の手段としても便利に活用できます。
解約した場合は保険料の一部が戻って来る
解約時に解約返戻金が戻ってくるのは貯蓄型保険の特徴であるとともに、掛け捨て型保険にはないメリットです。人生には万が一の場合以外にも、冠婚葬祭のような大きな出費が必要な場合があります。
解約返戻金は加入中に払った保険料の一部が戻って来る仕組みです。
解約のタイミングが加入した頃からずっと後であるほど、返戻率が上がります。タイミングを見極めて解約すれば、大きな出費を準備できます。
加えて老後の生活資金が心配な場合も、長期間加入した後に解約すれば十分な元手を得られるでしょう。
契約者貸付を利用できるケースがある
契約者貸付を利用できる点も便利です。
契約者貸付とは、生命保険に加入している途中で解約返戻金の範囲内でお金を借りられる仕組みを指します。特に借りたいタイミングで解約返戻金が高額な場合は、大きなお金を一時的に確保する上でおすすめです。
借りても契約は残るため、お金が苦しい時でも安心して借りられます。
なお、あくまでも借金であるため、後日利息とともに返すことも重要です。
生命保険料控除で税金が安くなる
貯蓄型保険も生命保険の一部であるため、確定申告や年末調整で生命保険料控除を利用できます。
生命保険料控除は所得税や住民税の計算で差し引かれる金額のことです。控除額は1年間に払った保険料に応じて決まります。
控除額が大きいほど税金も安くなるため、節税対策の1つとしておすすめの方法です。
具体的な控除額を表にまとめました。
所得税 | 住民税 | ||
年間の支払い保険料 | 控除額 | 年間の支払い保険料 | 控除額 |
2万円以下 | 支払った保険料の全額 | 1万2000円以下 | 支払った保険料の全額 |
2万円超え 4万円以下 |
(支払った保険料×1/2)+1万円 | 1万2000円超え 3万2000円以下 |
(支払った保険料×1/2)+6000円 |
4万円超え 8万円以下 |
(支払った保険料×1/4)+2万円 | 3万2000円超え 5万6000円以下 |
(支払った保険料×1/4)+1万4000円 |
8万円超え | 4万円 | 5万6000円超え | 2万8000円 |
30代女性におすすめの貯蓄型保険5種類を紹介
30代女性におすすめの貯蓄型保険5種類を紹介します。
終身保険
終身保険は万が一に備えられる保険の中でも、保障が一生涯続く特徴をもっています。
つまり、加入している限りはいつ万が一の場合になっても保険金をもらえます。
保険料が加入時のまま変わらないメリットもあります。
途中解約した場合には解約返戻金がもらえるのも特徴の1つです。保険料を払う期間が過ぎた後に解約する方が返戻率が上がる分、返戻金も多めにもらえます。
養老保険
養老保険は死亡や高度機能障害の場合は保険金を、満期を迎えた場合は満期保険金を受け取れるのが特徴です。
ほかにも解約時には解約返戻金が受け取れる点もメリットです。
死亡・生存両方の場合で保険金や返戻金を受け取れるため、様々な場合でお金を受け取る準備がしたい場合に向いています。
なお、死亡保険金と満期保険金は基本的に同じ金額である点も安心できる要素です。
ただし、満期保険金の額は支払った保険料の合計額を下回るケースもよくあります。加入を考える際、事前のシミュレーションは欠かせません。
変額保険・外貨建て保険
変額保険や外貨建て保険は、払った保険料で金融商品や外貨を運用し、その運用実績に応じて保険金額が変わるのが特徴です。
変額保険はインフレ対策に役立つ上、運用中の利益に対しては税金が発生しない強みがあります。
外貨建て保険は、日本円よりも高い金利で運用されるのが魅力です。うまくいけばもらえる保険金が当初より大きく増える可能性もあります。
ただし両方とも、経済動向によっては保険金が元本割れする場合がある点に注意が必要です。加入する際は両方の特徴やリスクをよく理解することが欠かせません。
個人年金保険
個人年金保険は、老後の生活資金を準備する上で役立ち、契約時に決めた年齢から一定期間年金を受け取れる仕組みです。
国民年金のような公的年金とは別に準備できるため、受け取る年金額を増やせます。
確定年金など細かい種類があるとともに、種類によっては死亡後に遺族が受け取れるものもあります。
【子どもがいる場合】学資保険
もし子どもの出産を控えていたり、すでに子育てしていたりする方の場合は学資保険もおすすめです。
学資保険は子どもの教育資金を用意できる特徴があります。
小学校や中学校への入学や、一定の年齢を迎えるタイミングでお祝い金をもらえます。
加えて、満期を迎えた場合は満期保険金も受け取れます。
また、親に万が一のことがあった場合も契約は継続するとともに、保険料の支払いが不要になる点でも安心です。
30代女性がおすすめの貯蓄型保険を選ぶ4つのポイント
30代女性がおすすめの貯蓄型保険を選ぶ際に意識しておきたい4つポイントをご紹介します。
ライフスタイルや必要な保障を確認する
30代女性向けの貯蓄型保険では、ライフスタイルによって必要な保障内容が変わってきます。
ライフスタイル | 必要な保障内容 |
独身 | 医療保障・がんへの備え・死亡保障(最低限) |
既婚・子なし | 医療保障・がんへの備え・手厚めの死亡保障 |
既婚・子あり | 医療保障・がんへの備え・手厚めの死亡保障・子どもの教育資金 |
子どもの独立が見えてきたら | 医療保障・がんへの備え・死亡保障・老後資金の準備・介護費用 |
現在の生活状況や必要な保障内容を明確にできれば、加入目的を明確にした上で必要な保険を絞れます。
保険料を支払い続けられる保険を検討する
保険料を長く払っていけるかも重要なポイントです。
特に貯蓄型保険は、長期的に加入しているほど解約返戻金が増えていきます。言い換えれば、なるべく高額の解約返戻金を受け取りたい場合、保険料を長期的に支払い続けられることが必要です。
もし早い段階で解約した場合、返戻金の額も支払ってきた保険料に比べて少なくなります。今まで保険料を払ってきた分が報われない結果になりかねません。
保険料の支払いが困難な場合は、保障額が減る代わりに保険料の支払い義務がなくなる払い済み保険に切り替えたり、保険料の減額を申し出たりしましょう。
保険の返戻率をチェックする
保険の返戻率を事前にチェックすることも大切です。
返戻率とは、支払った保険料に占める満期保険金や解約返戻金の割合を指します。
満期保険金や解約返戻金の金額÷支払った保険料の総額×100=100%を超えているのが理想です。
100%を超えていれば元本以上の額を受け取れることを意味します。
FPなど専門家に相談するのもおすすめ
もし自身でおすすめの貯蓄型保険商品を選ぶのが難しい場合は、FPなどの専門家に相談するのもおすすめです。最近ではFPに無料相談できるサービスやデスクもあるため、検討している保険について気軽に相談できます。
ネット上で相談できるサービスもあるため、自宅にいながら話したい時におすすめです。
30代女性にとっての貯蓄型保険の注意点
30代の女性が貯蓄型保険を利用する際の注意点をまとめました。
掛け捨て型保険よりも保険料が割高
貯蓄型保険は、掛け捨て型保険に比べると保険料が割高に設定されています。
貯蓄型保険の場合、保険料には保険会社の経費・利益や保障する分に加えて、積み立てや運用のコスト分も含まれるためです。
掛け捨て型保険の場合は積み立てや運用のコストまでかからない分、保険料も割安になっています。なるべく長期的に支払っていくためにも、保険料については綿密に確認しましょう。
解約のタイミング次第で返戻金が元本割れする場合がある
解約返戻金は、解約のタイミング次第で元本割れするケースがあります。
一般的に貯蓄型保険は保険料を支払っている期間のうちは、返戻率が抑えられているためです。返戻率は保険料の支払い期間が終わると上昇します。
逆に保険料の支払い期間中など早い時期に解約した場合、返戻率も低いままです。解約返戻金も支払った分の保険料より少ないため、かえって損をします。保険料の高さも頭に置きつつ、解約のタイミングはきちんと判断するのがポイントです。
経済動向で元本割れする保険もある
貯蓄型保険の中には、変額保険や外貨建て保険のように経済動向の影響を受けるものもあります。
経済動向に影響される保険の場合、経済が安定しているうちはまだ安心です。
しかしインフレが大きく進むなどした際、元本割れして保険金額が下がるケースがあります。変額保険などを扱う場合は、最新の経済ニュースにも目を通すことが大切です。
貯蓄型保険以外にも医療保険も重要
30代女性の場合は、医療保険の用意も重要です。30代を過ぎると、20代の場合に比べて生活習慣や加齢などを理由に健康面のリスクが高まります。
特に乳がんや子宮がんのような女性特有の病気も、30代から急に罹患リスクが上がるため、注意が必要です。
女性特有の病気にも対応できる医療保険やがん保険も、早めに準備すると良いでしょう。
30代女性で貯蓄型保険がおすすめな人・おすすめではない人
30代女性で貯蓄型保険がおすすめな人、おすすめではない人がいます。
それぞれの特徴をまとめましたので、参考にしてみてください。
貯蓄型保険がおすすめな30代女性
貯蓄型保険がおすすめな人
- 将来に向けて貯蓄や資産形成をしておきたい人
- 普段から貯蓄が苦手な人
- 将来教育費や老後の生活資金など大きな出費の予定がある人
- 保険料を単に支払うだけでなく、うまく活用したい人
貯蓄型保険をおすすめしない30代女性
貯蓄型保険をおすすめしない人
- すでに株や債券など金融商品で資産運用している人
- 保険料の高い商品を選びたくない人
- 万が一の場合の保障だけで十分な人
- 金融リスクは絶対に避けたい人
30代のうちに貯蓄型保険を理解しうまく活用を!
女性にとって30代は様々なライフイベントが待っている時期です。
結婚や出産・育児など人生全体に影響を与えるイベントも多い分、今後に向けた準備も重要でしょう。
貯蓄型保険は30代以降の日々に起きる様々なリスクに備えたり、大きなお金を作ったりする上で便利な存在です。少しでも気になったら、ぜひ検討してみてください。