生命保険

認知症保険とは?介護保険との違い・必要性・選び方

和泉 直樹 ファイナンシャルプランナー

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
2017年よりWebライターとして活動。2020年からは金融系の記事案件でもSEOを駆使しながら執筆活動中。幅広いジャンルの金融系記事の執筆経験や、それを通じて得た専門知識をもとに分かりやすさと読みやすさを意識しながら記事を作成しております。

老後に認知症になることが心配な方もいますよね。実は近年の高齢化に合わせて認知症患者が増えているため、認知症に備えられる保険もあります。

認知症保険があれば認知症になってしまっても、介護費用や保障の特約を準備できて安心です。今回は認知症保険について、介護保険との違いや必要性・選び方のポイントとともに見ていきましょう。

認知症保険とは?

自身や家族が認知症になった場合に備えて入れる保険がないのか気になりますよね。もし認知症に備えたい場合は、認知症保険がおすすめです。

認知症保険の特徴

認知症保険とは、介護保険の中でも認知症に特化したものです。医師から認知症の診断を受けたり、認知症で介護が必要になったりした際に保険金や給付金がもらえます。

なお給付条件となる認知症の定義や支払いの対象になる条件は、保険会社によって様々です。認知症保険を比較検討する際は、各商品の説明書きをよく読むようにしてください。

認知症と介護保険の違いは?

認知症と介護保険の違いがよく分からない方もいるでしょう。まず認知症保険は民間介護保険でも認知症に特化したものです。

一方介護保険は認知症も含む要介護状態の診断を受けた方向けに、必要な介護費用・サービスを提供します。公的介護保険と民間介護保険があり、公的介護保険は40歳で加入が義務付けられているのが特徴です。公的介護保険に加入していれば、介護が必要になった時点で1~3割程度の料金負担で介護サービスを受けられます。

民間介護保険は公的介護保険だけでは不足する部分をカバーする保険です。加入は任意であるとともに、主に介護に必要な費用を給付金として支給します。

認知症保険は必要か?普及の背景や加入率などの事情を解説

認知症は高齢者を中心になる人が多いイメージがあるため、保険自体必要なのか気になりますよね。ただ認知症保険は近年急速に普及していてニーズも高めです。普及の背景などの現状を知っておくと将来に向けて準備すべきかを判断できるでしょう。

認知症保険は高齢化が進んで登場

認知症保険が登場した背景として挙げられるのが、昨今の少子高齢化です。認知症は高齢者が主になりやすい病気であるため、高齢化が進むほど認知症患者も増える傾向にあります。2017年の内閣府の発表では、2012年時点の高齢化率(65歳以上高齢者の割合)は24.1%で、認知症患者は全体の15.0%・462万人でした。

この発表では、今後高齢率が上がるにつれて認知症の患者数も2030年には744~830万人になる予想も出ています。認知症の発症率は今や5人に1人ともされているほどであるため、認知症を扱う保険が多く登場するようになりました。

認知症や介護に必要な費用はいくら?

自身や家族が認知症も含めて介護が必要な状態になった場合、介護費用がいくら必要なのか気になりますよね。公益財団法人生命保険文化センターの『2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査』によると、項目別に必要な費用は以下の通りです。

  • 一時費用(住宅の改造や介護用ベッドの購入などの費用):約74万円
  • 介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用含む):約8.3万円/月

出典:公益財団法人生命保険文化センター

介護に要した費用だけでも毎月8.3万円で、年額にすると99.6万円にのぼります。加えて同じ年に一時費用が発生した場合は、74万円加算されて年間で170万円以上かかる計算です。認知症を含めて介護に必要な費用は軽視できないと考えて良いでしょう。加えて常に介護が必要な人に寄り添う必要もあるため、体力面や精神面の負担も大きいです。

認知症など介護に使うお金で心配がないようにするためにも、貯金などに加えて公的介護保険や認知症保険も欠かせません。

認知症保険の加入率は?

年々ニーズの高まっている認知症保険ですが、現時点での加入率をもとに利用を決めたい方もいますよね。『2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査』によれば、認知症保険の加入率は6.6%です。介護保険・介護特約の14.1%の半分程度ですが、今後の高齢化の進展やニーズの高まりを考えると、加入率が上がるのは間違いないでしょう。

認知症保険の2つの主な種類

認知症保険は大きく分けて、以下の2種類があります。

治療保障タイプ

まず治療保障タイプは、本人や家族が認知症と診断された際に給付金や保険金が払われるタイプです。支払われたお金は認知症の治療や介護に使えます。給付の条件は要介護認定(公的介護保険で要介護1~3と認定すること)と医師の診断が主です。

ちなみに治療保障タイプの商品は生命保険を扱う会社が販売しています。損害補償タイプの認知症保険については、次の項目を参考にしてください。

損害補償タイプ

認知症保険には損害補償タイプもあります。認知症になった人は、本人も意識しないうちに性格が変わったり他の人に危害を加えたりするケースも多いです。ものを壊したり他人にけがを負わせたりした場合、損害賠償を請求されることもあるでしょう。

損害補償タイプの認知症保険では、認知症患者の行動で損害賠償が発生した場合に備えられます。加入していれば損害が発生した場合も保険金でカバーできて安心です。なお損害補償タイプの場合、損害保険会社が扱っています。

認知症保険の代表的な3つの給付内容

認知症保険に入っていると、どのような給付を受けられるのかを知っていると、前向きになれますよね。認知症保険の代表的な給付内容は以下の3種類です。

認知症診断一時金

認知症診断一時金は、医師から認知症の診断を受けた時点でもらえます。診断を受ける以外にも、要介護認定を受けるなど保険会社が指定する状態であることが条件です。まとまった金額を一度にもらえるため、治療や入院に備えたい方に向いています。

認知症介護年金

認知症介護年金は、認知症になってもらえる保険金を年金形式で受け取れるのが特徴です。毎月安定した金額を受け取れるため、介護サービスのように定期的に料金が発生するものの支払いに役立ちます。認知症介護年金も、保険会社が認める条件を満たすことが需給の条件です。

その他の給付金

認知症保険は特約で医療保障や死亡保障が付いている商品もあります。認知症の患者は思わぬ行動によるけがに見舞われるケースも少なくありません。

加えて高齢が理由で死亡のリスクに備える必要もあります。医療保障などの特約付きのものもあれば、認知症以外の病気やけがにも備えられて安心です。

なお保険商品によっては、認知症の前段階である軽度認知障害に備えられる特約も用意されています。早いうちから認知症に備えられるため、合わせて検討してみるのもおすすめです。

認知症保険に加入する際の4つの注意点

認知症保険に加入する際、いくつか注意すべき点もあります。商品を比較検討する際は以下の4つも意識してください。

加入したことは必ず家族に伝えるべき

まず認知症保険に加入したら、必ず家族に伝えましょう。認知症では記憶障害が発生するため、本人も保険に入ったことを忘れてしまうからです。放置すると保険金を早く受け取れないだけでなく、保険料を無駄に多く支払いかねません。保険に加入したら、早いうちに信頼できる家族に契約した内容や書類の保管場所などを伝えましょう。

認知症保険では基本的に指定代理人請求制度もあるため、自身が認知症になってうまく請求できない場合に備えられます。加えて保険によっては家族登録制度があるため、事前に登録しておくと保険会社から家族に連絡する際に便利です。

不担保期間があってすぐにお金がもらえない

また認知症保険には不担保期間があるため、加入後すぐにお金がもらえない点に注意しましょう。不担保期間とは、保険会社が定めた期間中は請求があっても保障を受けられない期間です。

不担保期間は保険商品にもよりますが、短くて180日(約半年)、長くて2年に及びます。不担保期間で給付金を受け取れない事態を避けるには、早めに保険に加入するのが良いでしょう。

加入年齢が高いほど保険料が高い

さらに認知症保険は、加入年齢が高いほど保険料が高くなる仕組みです。高齢になるほど認知症のリスクが高まりやすいため、認知症保険でも他の保険と同じく年齢に応じて保険料が上がります。実際のところ、認知症保険は高齢の加入者が多いため、保険料も全体的に高い傾向です。

もし認知症保険のコストを抑えたい場合は、若いうちの加入をおすすめします。ただ特約を多く追加すると逆に保険料が高くなるため、必要最低限の保障内容に留めるべきです。

掛け捨てで解約返戻金はない

認知症保険は掛け捨てタイプである点に注意しましょう。保険料を払っても満期保険金や解約返戻金の形で戻ってこない点に気を付けるべきです。

あくまでも認知症の診断を受けた場合などに限り保険金がもらえるため、解約返戻金は期待できません。

認知症保険を検討するべき人とは

認知症保険に備えるべきかに悩む方もいますよね。以下のケースに当てはまる場合は、加入を検討すると良いでしょう。

認知症治療や介護に必要な費用を用意したい人

まず認知症の治療や介護に必要な費用を用意したい人におすすめです。認知症の治療や介護に必要な費用は、住宅の改造など一時的な費用だけでも74万円もかかります。加えて介護サービスを使う場合も毎月8.3万円、年額で100万円近くと高額です。

自身や家族が認知症になった場合の経済的な負担は大きいため、前もって十分に備える必要があります。認知症保険であれば一時金形式や年金形式で費用を用意できる点で安心です。

認知症による損害に備えたい人

また、認知症による損害に備えたい人も加入を考えると良いでしょう。認知症になった人がいると、他人に危害を加えたりものを壊したりする場合があります。危害を受けた人のけがの状態や壊されたものの価値次第では、高額の損害賠償が発生する場合も考えられます。

損害保険会社が販売している認知症保険であれば、認知症で損害が発生しても保険金でカバーできる仕組みです。治療や介護への備えと合わせて考えてみることをおすすめします。

若いうちから老後に備えたい人

さらに若いうちから老後に備えたい人も加入を検討するべきです。認知症保険は若いうちに加入しておくと、いつ発症するか分からないリスクに備えられます。加えて若いうちに入る方が保険料が安くなるのもメリットです。

認知症は高齢者がかかるイメージが強いですが、40代や50代でもかかる若年性認知症もあります。いつ誰が発症するか予測できない分、早いうちに備えたいのであればなおさら加入を考えておくのがおすすめです。

認知症保険を選ぶポイント

認知症保険を選ぶ際、基準になるポイントを知っておくと便利ですよね。認知症保険を比較検討する際のポイントは以下の通りです。

保険の加入条件や年齢

まず、保険の加入条件や年齢をもとに選ぶと良いでしょう。認知症保険には大きく一般のものと、加入条件の緩い引受基準緩和型があります。特に引受基準緩和型は持病があっても高い確率で入れますが、一般のものよりも保険料が高くなりがちです。健康面で問題がない場合は、一般のものをおすすめします。

年齢については、多くの認知症保険では幅広い年齢に対応しています。ただ高齢者向けとなると年齢上限を設けているものも多いため、自身の年齢に合わせて探すのもありです。

保険金の給付条件

続いて保険金の給付条件も挙げられます。認知症保険は脳の変化で発症する器質性認知症の診断が認められたり要介護1以上だったりする場合、保険金が給付されるのが一般的です。ちなみに器質性認知症には、いわゆるアルツハイマー病も含まれます

細かい条件は各保険会社・商品によって様々です。複数の保険商品の給付条件を見比べたうえで候補を絞ると良いでしょう。

保険金や給付金の受け取り方法

さらに保険金や給付金の受け取り方法で決めるのもありです。認知症保険の場合は一時金か年金で受け取れます。

一時金形式にするか年金形式で受け取るかは、自身のニーズに応じて決めるのがおすすめです。治療費や介護費用に使いたい場合は高額で受け取れる一時金形式を、介護サービスの支払いのように月々の支払いに回したい場合は年金形式を選ぶのが良いでしょう。

保険の保障期間

保険の保障期間も商品選びで役立つポイントです。認知症保険の保障期間は、期間が決まっている定期型と、一生涯保障される終身型があります。

年を取ってから一定期間だけ入りたい場合は定期型を、早いうちから長期的に備えたい場合は終身型が向いているでしょう。なお保険料は定期型の方が安い傾向ですので、毎月どの程度まで支払えるかで決めることも大切です。

認知症以外の保障・付帯サービス

ほかにも認知症以外の保障や付帯サービスで選ぶやり方もあります。認知症保険の中には特約で医療保障や死亡保障が付くものも多いです。認知症になった人の治療や万が一に向けた保障があれば、より安心して備えられるでしょう。

付帯サービスについては、見守りサービスや認知症に関する情報の提供などが用意されています。保険によっては無料提供の場合もあるため、活用したい場合は検討する価値が十分あるでしょう。

認知症保険でよくある質問

ここでは認知症保険についてよくある質問を取り上げます。

70歳以上や80歳以上で入れる認知症保険はありますか?

70歳以上や80歳以上で入れる認知症保険も豊富です。ただ年齢が高くなるにつれて選べる種類が減ったり保険料が高くなったりするため、早めに検討すると良いでしょう。

85歳で入れる認知症保険はありますか?

85歳で入れる認知症保険はあまり多くありません。むしろ定期型の保険で85歳までとするものが多いほどですので、加入するのであれば早めに考えることをおすすめします。

認知症保険の保険料は安いですか?

認知症保険の保険料は、3,000円台と安いものも多いです。ただし加入年齢や保険金額によって保険料が上がる場合もある点に注意してください。

認知症保険の保険料で一括払いはできますか?

認知症保険の保険料は一括払いは選べませんが、一時払いは利用できます。一括払いは終身保険などの積み立て型保険で運用するための保険料をまとめて支払うことです。認知症保険は原則掛け捨てであるため、一括払いは使えません。

一方で一時払いは保険料を1度にまとめて支払う方法であるため、認知症保険でも使えます。毎月支払うよりも総額が安くなる点が強みです。

認知症保険は老後の備えにも役立つ!

認知症保険は認知症を発症した場合や、認知症が原因で危害を加えたりものを壊したりした場合に備えられます。特に若いうちから入ると保険料を抑えるだけでなく、若年性認知症に備えられる点でもおすすめです。

認知症はいつ発症するか分かりません。認知症に備えたい場合は早めに加入すると良いでしょう。

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  • この記事を書いた人

和泉 直樹 ファイナンシャルプランナー

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
2017年よりWebライターとして活動。2020年からは金融系の記事案件でもSEOを駆使しながら執筆活動中。幅広いジャンルの金融系記事の執筆経験や、それを通じて得た専門知識をもとに分かりやすさと読みやすさを意識しながら記事を作成しております。

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