50代は働き盛りであるとともに、子供の進学・独立や自身の昇進など様々な転機がある年代です。
しかし同時に健康面のリスクも高まってくるため、早くから医療保険を用意しておくと安心できます。
ただ医療保険の選び方に悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は50代におすすめの医療保険を選ぶポイントを解説していきます。
50代で医療保険は必要か?
50代になって健康に気遣うため、医療保険の加入や見直しを考える方もいますよね。中には「50代で医療保険は必要なのか」と感じる方もいるでしょう。
実際に50代は医療保険が欠かせません。その理由を紹介します。
三大疾病をはじめ病気にかかるリスクが高まる
50代の場合、40代までに比べて様々な病気にかかるリスクが高まります。
厚生労働省の『令和2(2020)年 患者調査』によると、20~60代の人口10万人当たりの受療率は以下のようになっています。
| 年齢(5歳区切り) | 入院(人) | 外来(人) |
| 20~24歳 | 141 | 2321 |
| 25~29歳 | 198 | 2692 |
| 30~34歳 | 246 | 3043 |
| 35~39歳 | 257 | 3174 |
| 40~44歳 | 273 | 3480 |
| 45~49歳 | 345 | 3745 |
| 50~54歳 | 478 | 4285 |
| 55~59歳 | 664 | 5113 |
| 60~64歳 | 895 | 6113 |
| 65~69歳 | 1207 | 7591 |
参考:厚生労働省『令和2(2020)年 患者調査』
入院に限ると20代から40代前半は伸びは100人未満と大きくありません。しかし40代後半や50代になるにしたがって、100人単位で増加しています。
特に50代でも50代前半は40代後半より70人程度の伸びであるのに対し、50代後半は50代前半に比べて200人近くも伸びています。60代にもなると伸びしろが200人や300人台に達するほどです。
外来診療の場合も、40代前半までは100~300人程度の伸びに対し、50代前半は40代後半よりも500人程度も伸びています。
50代後半も50代前半に比べて1000人近く伸びている分、油断はできません。しかも上記の数字にはがんなど三大疾病の分も含まれているため、大きな病気への備えも必要です。
50代になると40代までの場合以上に治療が必要なケースが増える分、日頃から医療保険の準備は欠かせないでしょう。
働き盛りで病気になると収入が下がるリスクも
50代は40代とともに働き盛りの年代です。社内のベテランとして役職に就いて活躍する方や、子どもの高校や大学の学費でお金がかかる家庭も多くあります。中には住宅ローンの返済を進める方も多いでしょう。
50代で病気で入院や治療が必要な場合、病気の程度によっては高額の治療費もかかります。教育費や住宅ローンの返済でお金が必要な中、病気などで休職すると収入が減る場合もあるでしょう。
病気で収入が減った場合に備えて、医療保険などで治療費を確保しつつ、収入の減少に向けて対策も必要です。
年齢が高くなるほど医療費がかかるため
年齢が高くなるほど医療費がかかるのも、50代で医療保険が必要な理由に挙げられます。厚生労働省の『令和3(2021)年 国民医療費調査』によると、年齢階級別(5歳区切り)の医療費は以下の通りです。
| 年齢(5歳区切り) | 国民医療費(億円) |
| 20~24歳 | 6194 |
| 25~29歳 | 7613 |
| 30~34歳 | 9089 |
| 35~39歳 | 11222 |
| 40~44歳 | 14061 |
| 45~49歳 | 20123 |
| 50~54歳 | 23932 |
| 55~59歳 | 25543 |
| 60~64歳 | 29823 |
| 65~69歳 | 39340 |
参考:厚生労働省『令和3(2021)年度 国民医療費調査』
40代後半の段階では2兆円程度だったものが、50代前半で約2.4兆円、50代後半で約2.6兆円と急に伸びています。さらに60代では3兆円や4兆円程度にまで増えている状況です。
病気やけがで医療機関で治療を受ける人が増えていることも意味する分、医療保険を使って治療費の準備をしておいた方が良いでしょう。
早く加入するほど保険料を抑えられるから
保険料の面でも50代のうちに医療保険を準備することがおすすめです。一般的に保険料は高齢になるほど高くなっていきます。保険料は加入年齢に応じて計算されるため、加入が早いほどコストを抑えられる仕組みです。
50代で健康面で問題がない場合でも、60代になって加入が必要となった場合、高い保険料を払わなければいけません。
先々の保険コストを早めに抑える意味でも、できるだけ早期に加入するのがポイントです。
50代の医療保険事情についてご紹介
50代で医療保険に入るか決めるにしても、周りの人たちがどの程度加入したりいくら保険料を払っていたりするのか気になりますよね。50代の医療保険事情も見ていきましょう。
50代の医療保険加入率
まず50代の医療保険加入率は、公益財団法人生命保険文化センターの『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』によると、男性で70.9%・女性で78.3%と高水準です。ちなみに30代の場合は男性で64.4%・女性で70.2%、40代では男性が66.9%・女性が74.9%を記録しています。
年齢が高まるにつれて健康への不安を感じていることから、50代に近付くほど加入率が高くなる状況です。
出典:『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』
50代の医療保険の年間保険料
50代の医療保険の年間保険料も見ていきましょう。ただ医療保険は契約者の状況や契約内容によって保険料も異なる分、年間保険料に関する直接的なデータはありません。
生命保険の年間払込保険料については、公益財団法人生命保険文化センターの『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』では、男性25.5万円・女性19.0万円です。なお50代の年間保険料は全年代の中で最も高くなっています。
50代の医療保険の平均入院給付日額
平均入院給付日額(入院1日で保障される金額)については、『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』では、男性1万883円・女性8669円です。男性については全年代の中で最も高いのに対し、女性の場合は最も高い70代に次ぐ数値です。
50代におすすめな医療保険を選ぶ6つのポイント
50代でおすすめの医療保険を選ぶ際、何を基準にすれば良いのかに悩みますよね。以下の6点を軸にすると、保険選びで役に立ちます。
入院給付金額で考える
基本的な保障である入院給付金額に注目するのがおすすめです。50代は公的医療保険を活用した場合、かかった医療費の3割分を負担するだけで治療を受けられます。
ただし先進医療の技術料や差額ベッドの費用などは、公的医療保険の対象になりません。全額を自己負担で払う必要がある分、なるべく入院給付金額が高い保険を選ぶことが大切です。
最低でも日額5000円、できれば1万円以上の保険を選ぶと良いでしょう。医療保険では入院給付金が日額3000円や5000円などに設定されています。ただ30代や40代の頃よりも病気やけがに見舞われやすいため、治療費がかかりやすいことを考えると高めにしておくのがおすすめです。
三大疾病に備えられる保障がある保険を選ぶ
三大疾病に備えられる保障が付いているものを選ぶこともポイントに挙げられます。「三大疾病」とは、がん・脳血管疾患・心疾患を指し、日本人の死因でも特に大きな割合を示す存在です。
厚生労働省の『令和4(2022)年 人口動態統計月報年計』によると、三大疾病で死亡した割合は死亡者全体の46.8%にも上ります。
出典:厚生労働省『令和4(2022)年 人口動態統計月報年計』
加えて50代は三大疾病への罹患率が上がる年代です。『令和2(2020)年 患者調査』では、がんの入院受療率でも40代後半の40人から、50代前半で55人・50代後半で80人と急増します。
三大疾病のリスクが急に高まることから、三大疾病保障付きの保険やがん保険の活用がおすすめです。
【女性】特有の病気に備えられるか
女性の場合は乳がんや子宮がんのような、女性特有の病気に備えられる保障の有無も考えてください。国立がん研究センターの『全国がん登録』によると、50代前半の乳がん罹患率は人口10万人当たりで224.7人、50代後半で227.4人となっています。
最も高い40代後半の232.9人よりは低いものの、依然として高水準です
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
女性特有の病気に対して引き続き備えが必要である分、乳がんや子宮がんなどに対する保障が用意された保険も考えるべきでしょう。
公的医療保険制度との併用を考える
50代で医療保険を選ぶ際は、公的医療保険制度との併用が重要です。日本では国民皆保険制度が取り入れられているため、50代でも何らかの健康保険に加入しています。3割負担で治療を受けられる上、治療費が高い場合に備えて高額療養費制度も使える仕組みです。
入院生活や先進医療の技術料などは自分で準備しないといけません。公的医療保険制度や自身の貯金などでカバーできる範囲を把握した上で、足りない分を民間の医療保険で補う必要があります。
支払限度日数も重要な指標
医療保険を選ぶ場合、支払限度日数も把握しておく必要があります。支払限度日数は各保険で設定されている、1回の入院で給付金が支払われる日数の上限です。多くの医療保険では最低60日のほか、90日や180日などから選べます。
『令和2(2020)年 患者調査』によると、退院した患者の平均在院日数は32.3日です。最低限の60日に設定しても十分対応できるでしょう。
なお支払限度日数が多くなるほど保険料も上がるため、保険料を抑える意味でもひとまず60日で問題ありません。
【持病がある場合】持病向けの保険も検討する
もし何らかの持病がある場合は、持病向けでも加入できる保険も考えると良いでしょう。持病でも加入できる可能性がある保険は以下の通りです。
- 一般の医療保険(条件付き):給付金が減額されるなどの条件に同意すればOK
- 引受基準緩和型の医療保険:加入時の告知項目が少ない
- 無選択型の医療保険:告知義務はない
特に引受基準緩和型と無選択型は、告知項目が少なかったり告知義務がなかったりする分、加入できる確率が上がります。ただ一般の医療保険でも一定の条件を満たせば持病があっても入れる場合があるため、最初に保険会社に相談しましょう。
50代で医療保険を見直す4つのポイント
50代は医療保険を見直すチャンスが色々とあります。見直す場合は、以下の4つのポイントを意識すると良いでしょう。
長年見直ししていない場合は一度検討する
今入っている医療保険の保障内容を長年見直していない場合は、1度は見直しましょう。特に定期的に更新するタイプの場合、保険料が最初に比べて上がってきているため、見直せば余計な出費を抑えられる可能性があります。
終身タイプの医療保険に長年入っている場合も、保障内容が加入した頃のままでは今の状況に合わない場合が多いです。特に加入した時期が若い頃であれば、年齢とともに体調も当時では予想できなかった状態になっているでしょう。健康診断や人間ドックの結果を受け取った際でも良いので、一度保険の内容を確認してはいかがでしょうか。
ライフステージの変化は見直しの好機
ライフステージの変化を機に見直すのもおすすめです。50代では、子どもの進学・独立や住宅ローンの返済の進展、役員への昇進など様々なライフステージの変化があります。
特に子どもが経済的に独立すると、膨大な教育費負担がなくなる分、医療保険の保障を手厚くできるでしょう。万が一に備えて十分な死亡保障をつけたり、資産形成できるタイプの保険に加入したりするのも1つの手です。
最新の医療を受けられるかは重要
医療保険を見直す際、保障内容が最新の医療を受けられるのかも重要になります。特に長年同じ内容で加入し続けていると、最新の治療内容に対応できない場合も多いです。
最新の治療方法に対応できなければ、より高い可能性で治せる治療法にも自分でお金を出さないといけません。医療技術は常に進歩し続けているため、定期的に保険の内容を見直し、最新の医療に対応できるようにしましょう。
新規加入の場合は保険料の検討や専門家への相談もおすすめ
もし50代で新たな医療保険に加入する場合は、保険料の検討や専門家への相談もおすすめします。50代で新規加入する場合、20代や30代の頃に比べて保険料は高めです。少しでも保険料の負担を減らせるように、複数の保険商品を見比べると良いでしょう。
自身で判断ができない場合は、保険会社のスタッフやFP(ファイナンシャルプランナー)の力を借りるのもありです。自身の状況に合う保険商品の選び方や各商品の特徴に精通しているため、疑問や悩みがある時に助けてもらえます。
50代におすすめの医療保険でよくある質問
ここでは50代におすすめの医療保険について、よくある質問に答えていきましょう。
50代は医療保険で毎月いくら払ってるのですか?
50代の場合、男性は年間25.5万円、女性は19万円の保険料を払っています。
1ヶ月の金額に置き換えると男性が2万1250円、女性が約1万5800円です。
50代女性で医療保険が必要か分かりません
50代は性別に関係なく医療保険に入った方が良いでしょう。
がんなどの三大疾病など様々な病気にかかるリスクが高まる上、女性も乳がんなど特有の病気のリスクはまだまだ高い傾向にあります。
元気なうちから医療保険などで対策することがおすすめです。
50代男性におすすめの医療保険の特徴は?
50代男性におすすめの医療保険の特徴は以下の通りです。
- 入院給付日額が5000円以上のもの(1万円であればなお良い)
- 収入が減った場合に備えられる保障があるもの
- 三大疾病に備えられるもの
- 先進医療特約が付いているもの
- 認知症の心配がある時は認知症保険も
- なるべく保険料が安く済むもの
50代女性におすすめの終身医療保険の特徴を教えてください
50代女性におすすめの終身医療保険の特徴は以下の通りです。
- 入院給付日額が5000円以上のもの(1万円であればなお良い)
- 収入が減った場合に備えられる保障があるもの
- 三大疾病に備えられるもの
- 先進医療特約が付いているもの
- 認知症の心配がある時は認知症保険も
- なるべく保険料が安く済むもの
- 女性特有の病気に備えられる保障があるもの
病気のリスクが高まる50代だからこそ医療保険で対策を!
50代は40代まで以上に病気のリスクが高まります。一方で自身が働き盛りだったり子どもが独立前だったりする分、まだまだ元気に活躍したい年代です。
なるべく健康を維持しながら活躍するためにも、日頃から体調に気を付けながら医療保険を活用すると良いでしょう。