子どもに医療保険は必要なのでしょうか?
「医療費への補助金があるから、子どもに医療保険は必要ない」という意見も多くありますが、将来のことを考えると子どもに医療保険は必要ないとは言い切れません。
本記事では、子どもの医療費への助成金の実施状況や、医療保険へ加入することへのメリットを踏まえ、子どもの医療費リスクに対する保険の選び方を詳しく解説していきます。
子どもは医療保険に加入すべき?
医療費の助成金で、子どもの医療費負担が少なくて済むため必要ないと考える方は多いですが、医療保険に加入しておいたほうが良いこともあります。「いま」は医療費に困らなくても、子どもの将来を考えるなら医療保険で備えておくことも考えましょう。
全国の医療費に対する助成金や、医療保険の必要性についてご紹介します。
居住する自治体で医療費の助成金を確認する
国および全国の市町村では、子どもの医療費に対する助成をおこなっています。
- 国:未就学児は2割負担、小学生以上は3割負担
- 全国の自治体:対象年齢を定めて入院や通院への医療助成
国の医療費助成だけでは自己負担が発生しますが、自治体ごとに助成事業があるため、子どもの医療費は自己負担が少ないと言われています。
子どもの医療費が軽減される年齢条件は、居住する自治体によって異なりますが、令和5年度における全国の医療費助成の実施は、以下のようになっています。
| 対象年齢 | 通院医療費の助成(都道府県の数) | 入院医療費の助成(都道府県の数) |
| 5歳未満 | 1 | 0 |
| 就学前まで | 21 | 16 |
| 9歳の年度末まで | 4 | 1 |
| 12歳の年度末まで | 4 | 5 |
| 15歳の年度末まで | 10 | 17 |
| 18歳の年度末まで | 6 | 7 |
| その他 | 1 | 1 |
出典:令和4年度・5年度「こどもに係る医療費の援助についての調査|こども家庭庁
表からわかる通り、医療費の補助は「就学前」や「15歳」の年度末までという自治体が多くなっています。
自治体によって定められている年齢に達した後にくる3月31日を超えてしまうと、医療費の助成を受けられなくなってしまいます。
お住まいの自治体によって医療費の助成実施状況は異なるので、全国の各自治体における医療費の助成について以下の参考資料から確認してみてください。
参考資料:市区町村におけこども医療費助成の実施状況(令和5年4月1日時点)|こども家庭庁
子どもの年齢によって加入を検討することをおすすめ
子どもが成長すると助成金の対象外になってしまいます。
そのため、医療保険や傷害保険への加入を検討しておくことも大切です。
成長し行動範囲が広くなると感染症の病気や怪我をする可能性が高まります。
入院をすることになった場合には、保護者が満足に働けなくなってしまうことも考えられます。
たとえば子どもが入院してしまった際、入院にかかる費用は医療費だけでなく、差額ベッド代や食事代は全額自己負担となります。
令和4年度の入院中における食事代は1食につき460円、差額ベッド代は部屋によって平均額が異なります。
| 部屋 | 1日あたりの平均額 |
| 1人部屋 | 8,322円 |
| 2人部屋 | 3,101円 |
| 3人部屋 | 2,826円 |
| 4人部屋 | 2,705円 |
| 全体平均 | 6,620円 |
出典:主な選定療養に係る報告状況(中医協 総-3-2 5.7.5)|厚生労働省
なお、差額ベッド代は病院ごとに異なるため、入院する医療機関によっては差額ベッド代が日額1万円を超えるケースもあります。
子どもが入院すると、保護者は働けなくなり減収に繋がる恐れがあります。
さらに、医療費や差額ベッド代が必要となり、家計のバランスに大きな影響を及ぼしてしまう可能性が考えられます。
子どもの病気や怪我は、保護者の収入減少や家計の収支バランスを変えるなど、経済的リスクを生むことが考えられるので、もしものときのために医療保険へ加入しておくと安心です。
子どもが医療保険に加入するメリットとは?
「子どもは医療保険に加入しなくて良い」と言われる理由には、医療費の助成や子どもが入院するリスクが少ないと考えられている点があります。
しかし、前述でも解説したとおり、集団生活が始まる就学前に医療費の助成が終わってしまう自治体も多く、もしもの入院や通院に備えておくことは大切だといえます。
医療費助成の年齢制限を背景に、子どもが医療保険に加入するメリットを解説していきます。
メリット① 保護者の減収に備えられる
医療保険に加入していると、子どもが入院や手術をして保護者の収入が減ってしまった場合でも、保険金を生活費に充てることができます。
子どもの入院や手術で保険金が支払われた場合でも、受け取った保険金や給付金を必ず医療費の補填にする必要はありません。
医療保険から支払われる保険金は、税金がかからないだけでなく何に使うかも受け取った方の自由です。
子どもが病気や怪我で入院してしまい、保護者が思うように働けず減収になったときには、医療保険の保険金を減収に充てることができます。
入院などで面会や付き添いが必要となり保護者の収入減少となってしまったら生活が困ると考えるのであれば、医療保険への加入を検討することをおすすめします。
メリット② 将来の病気やケガに備えられる
医療保険に加入していれば、子どもが医療費の助成を受けられない年齢になったとしても、万が一の病気や怪我に備えることができます。
「今は助成金があるから、医療費の心配がない」と考えていても、将来の事は誰にもわかりません。
万が一健康状態を指摘されてしまった後では、一般的な医療保険に加入が難しくなってしまいます。
たとえば小児喘息を発症する子どもの多くは2~3歳であり、全体の約90%は6歳までに発症すると言われています。
喘息と診断されると一般的な医療保険への加入は難しくなり、引受基準緩和型などの一般的な医療保険よりも割高な保険料の保険を検討しなければなりません。
また、小児がんや慢性腎炎などの小児慢性特定疾患児の平均入院日数は52日と非常に長く、0~19歳の子ども全体の平均入院日10日の5倍以上となっており長期にわたって医療費の負担が必要となります。
小児慢性特定疾患を発症した場合、医療費に対する助成金制度を利用できますが、差額ベッド代など健康保険適用外の費用については全額自己負担は免れません。
医療保険は早めに加入することで保険料も安くなり、将来の医療費への備えだけでなく子どもの入院に伴うさまざまな出費や減収に備えることができるのです。
子どもの保険はどんな選び方が良いの?
子どもの医療費に備えるための保険には、生命保険・医療保険・傷害保険があります。
加入を検討する際には、それぞれの保険の特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
「せっかく加入していたのに保険金が支払われない」など困った状況にならないよう、ぜひ参考にしてみてください。
オールマイティに備えるなら生命保険か医療保険
生命保険と医療保険は、病気やケガなど原因を問わず保険の対象となる保険です。
それぞれにメリットやデメリットがあるので、保険商品の特徴を理解しておきましょう。
| 生命保険 | 医療保険 | |
| メリット |
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| デメリット |
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生命保険と医療保険では保障内容や保険期間が異なり、一般的にどちらの保険でも病気やケガで通院した場合の保障がない保険商品が多くなってます。
なかには、通院に対する備えができる医療保障を付加できる保険商品もありますが、その多くが入院を伴う通院のみ保障される制限があるため、医療保険を検討するときは注意してください。
また、生命保険と医療保険は子どもの年齢が低い時点で保険期間が長い保険商品に加入しておくことで、子どもが成人したときでも割安な保険料で継続できるメリットがあります。
多くの自治体で、中学校卒業と同時に医療費の助成金を受けられなくなるため、子どもの医療費に対してオールマイティに備えるなら、将来を見据えて生命保険や医療保険を検討してみてください。
ケガに備えるなら傷害保険
子どもの医療費に備えるなら、傷害保険がおすすめです。
傷害保険は、ケガで入院したときだけでなく通院も補償され、ケガへの備えに特化した損害保険の1つです。
厚生労働省が発表する人口10万人あたりの年齢別の受療率は以下のとおりで、入院では0歳児、通院では0~14歳の受療率が高くなっていることがわかります。
| 年齢 | 入院 | 外来 |
| 0歳 | 1,065人 | 7,296人 |
| 1~4歳 | 134人 | 6,327人 |
| 5~9歳 | 71人 | 4,816人 |
| 10~14歳 | 99人 | 3,313人 |
| 15~19歳 | 123人 | 2,178人 |
| 20~24歳 | 141人 | 2,321人 |
| 25~29歳 | 198人 | 2,692人 |
子どもの場合、ケガに対する外来の受療率も多いと考えられ、通院には保護者が付き添う場合の交通費や就業に制限が出てしまう可能性があります。
子どものケガに対しても備えておくことで、万が一の場合でも安心することができます。
ただし傷害保険の場合、病気に対する補償はないため検討するときには注意が必要です。
基本補償は保険商品ごとに異なるため、傷害保険を検討するときは複数の傷害保険を比較して検討することをおすすめします。
子どもの将来を考えるなら医療保険や傷害保険に加入を
子どもの医療費に対する備えは、医療費の助成金があったとしても将来を考えると医療保険や損害保険への加入を検討すべきだと言えます。
全国の自治体で子どもの医療費に対する補助がおこなわれていますが、その多くが中学を卒業するまでです。
医療保険には一生涯保険料が変わらない商品もあり、将来は子どもの保障の土台にもなります。
病気への備えはないものの、短期的な目線で考えれば子どもに多いケガに備えられる傷害保険も検討しておくと良いかもしれません。
子どもの医療費に対して検討するなら、助成金がなくなる時期と医療保険の保険料を含めて検討しましょう。