がん保険

がん保険はいらない?加入前に知っておきたいポイントも紹介

高橋 一樹 ファイナンシャルプランナー

AFP・ファイナンシャルプランナー二級。2022年よりライターとして活動を開始し、現在は、保険、投資、税金分野を中心に複数の金融メディアにて執筆活動中。累計100本以上の執筆経験をもとに、分かりやすい記事執筆を心がけております。

がん保険はいらないという意見を聞きますが、「本当に加入しなくても大丈夫なのか?」と不安に思っている方も多いでしょう。

がん保険に加入すれば手厚い保障を受けられるので、がんになっても安心して治療と向き合えます。
一方、手厚い保障を受けなくてもがんのリスクに備えられる人や、保険料を支払っても保障を受けられなかった人がいるのも事実です。

また、がんになった場合の医療費は、実際に計算してみれば意外と少ないと感じる方もいます。
もし、医療費を貯蓄でカバーできるのであれば、がん保険に加入する必要はないでしょう。

そこで、本記事ではがん保険が不要とされる理由や、必要な医療費を計算するための方法などについて紹介します。
がん保険に加入するかどうかを判断する際に参考にしてみてください。

「がん保険はいらない」と言われる理由は?

がん保険は、がんになった場合に手厚い保障を受けられるため、加入を検討している方も多いと思います。
一方で、「がん保険はいらない」といった意見もあります。

がんは、日本人の死亡原因の上位を占めるのにも関わらず、なぜ保険に入らなくてもいいと考える人がいるのでしょうか?

ここでは、その理由について解説します。

約50%の確率で保険料が無駄になるから

日本人のうち、一生涯にがんと診断される確率は以下の通りです。

  • 男性の場合:65.5%
  • 女性の場合:51.2%

平均すると、約50%の確率でがんにかかることが分かりますが、残りの50%はがんにならずに一生を終えるのも事実です。

がん保険は掛け捨て型の保険なので、がんにならなければ支払い続けた保険料はすべて無駄になります。
したがって、がんにならないリスクを踏まえてがん保険に加入しなくて良いと考える人いるのです。

参考:最新がん統計|国立研究開発法人国立がん研究センター

医療保険で入院・通院の費用をカバーできるから

医療保険に加入していれば、がんで入院・通院する場合でも給付金を受け取ることができます。
入院日数や通院日数に所定の金額をかけた給付金を受け取れる仕組みです。

また、「先進医療特約」や「がん診断一時金特約」などを加えれば、がん保険に近い保障を受けることもできます。

がん保険は、高額な治療費や長期の入院・通院で収入が少なくなるリスクに備えるものです。それらを医療保険で十分カバーできるという理由で、がん保険はいらないと思う人も少なくありません。

公的医療保険制度で負担が軽減するから

健康保険や国民健康保険など、公的医療保険制度によって医療費の負担は軽減します。
例えば、がんになった場合には以下の制度を活用できるでしょう。

公的医療保険制度
療養給付 医療費の自己負担割合は1~3割
高額療養費制度 医療費が一定の基準値を超えた分だけ受けられる給付金
傷病手当金 病気やけがで働けなくなった場合、給与の3分の2程度が補助される給付金(健康保険加入者のみ)

例えば、50歳の会社員ががんで入院し、医療費が1ヶ月で100万円だった場合を考えてみましょう。

自己負担率は3割なので、30万円の負担になります。
さらに、高額療養費制度によって、基準値を超えた分だけ給付金が支給されます。月収28~50万円であれば、自己負担額は8万円程度です。

さらに、4日以上連続で仕事を休んだ場合、4日目以降から給与の3分の2ほどの傷病手当金も支給されます。

以上のように、公的医療保険制度が適用されると、実際に負担する医療費は思っているよりも少なくなる可能性があります。
万が一、がんになったとしても公的医療保険制度で負担が少なくなるため、がん保険はいらないと考える人も多いようです。

がん保険に加入するメリット

では、がん保険に加入するメリットは何があるのでしょうか?
加入メリットについてご紹介していきます。

さまざまな給付金を受け取れる

がん保険で受けられる給付金には、以下のようなものがあります。

  • 診断給付金
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • 抗がん剤治療給付金
  • 先進医療給付金

※商品や契約内容によって受けられる給付金は異なります。

がんと診断された段階で受け取れる診断給付金や、手術を受ける場合に支給される手術給付金などがあります。
これらの給付金を合わせると、数百万円の保障を受けられることも多く、余裕を持ってがんの治療費を補填できるでしょう。

特約で不安に応じて保障範囲を広げられる

がん保険には主契約と特約とがあり、特約によって保障範囲を広げることが可能です。

例えば「女性がん入院特約」を加えれば、乳がんや子宮頸がんなど、女性特有のリスクに対応できます。
また、「抗がん剤・放射線治療特約」は、所定の抗がん剤治療や放射線治療を受けたときに給付金を受け取れます。

人によって手厚くしたい保障内容は異なるので、特約によって幅広い保障を受けられるのはがん保険のメリットのひとつです。

がん保険に加入するデメリット

がん保険のデメリットについてもご紹介していきます。

がんの場合にのみ保障される

がん保険は、がん以外の病気やけがの場合は保障されません。
そのため、病気やけがで医療費がかかる場合に備えられる医療保険よりも、保障範囲は狭いです。

ただし、がんになった場合は、診断給付金や手術給付金で100万円程度支給されるなど、保障内容が手厚いです。

したがって、がん保険は医療保険に加えて、がんのリスクに万全に備えておきたい人におすすめします。

保障が開始するまで3ヶ月待たなければならない

がん保険に加入してから3ヶ月が経つまでは、がんになっても保障されません。
この期間を免責期間といいます。

免責期間は、保険金の不正受給を防ぐためのものです。
もし免責期間が無ければ、がんの可能性が高い人でも保険金を受け取れることになります。がんが疑われてからすぐにがん保険に加入すれば、保険金を受け取れるようになるからです。

不正受給をするつもりがなくても、加入から3ヶ月以内にがんになってしまうと、保障対象外となるので注意しましょう。

がん保険の必要性が高い人とは?

がん保険の必要性が高い人の特徴について解説します。

貯蓄が少ない人

がんの治療は長期にわたる場合があるので、その期間の医療費や生活費を貯蓄でカバーしなければなりません。
貯蓄が少ないとがんで入院するリスクに対応しきれない場合があるからです。

したがって、貯蓄が少ない人は、がんのリスクに備えてがん保険に加入する必要性が高くなります。

自営業者やフリーランスの人

会社員と異なり、自営業者やフリーランスの人は傷病手当金が支給されないので、働けない期間の収入が保障されません。
がんで入院すれば、収入が少なくなり、医療費と生活費の負担が重くなることが想定されます。

そのような場合、一時金としてまとまった給付金や、入院日数に応じて一定額が支払われるがん保険で、万が一の時に備えられると安心です。

がん保険が不要な人とは?

次に、がん保険が不要な人の特徴をご紹介します。

がんにかかった際の医療費を賄える貯蓄のある人

がん保険は、がんになった時の医療費や生活費の負担に備えるものです。十分な貯蓄があり、それらの負担が問題ないのであれば、がん保険に加入する必要はありません。

十分な貯蓄とは、日頃の生活費や収入、他の医療保険の有無など、人によって大きく異なります。
そのため、がんになって入院する際に、貯蓄がいくらくらいあれば安心なのかを計算しておきましょう。

その際、先ほどお伝えした公的医療保険制度を踏まえて、医療費の自己負担分を算出しておきます。
想定よりも少ない貯蓄でがんに備えられる場合もありますので、がん保険を検討する前に、必要となる医療費を把握しておきましょう。

加入中の保険でがんのリスクに対応できている人

医療保険や勤務先で加入している団体保険で、がんのリスクに備えられる場合もあります。
医療保険に加入していれば、がんの場合でも入院・通院の給付金を受給可能です。

また、団体保険では「月々の医療費が2万円を超えた分だけ保障する」といったものもあります。

加入中の保険でがんのリスクに備えられるのであれば、がん保険に加入する必要はありません。現在加入している保険で、どの程度の保障を受けられるのかをしっかりと確認しておきましょう。

がん保険加入前に、必要な医療費を計算しよう!

がんになったとしても、民間の医療保険や公的医療保険制度で備えられることがあります。
また、がん保険はがん以外では保障されないため、支払った保険料が無駄になる可能性もあるでしょう。
これらが「がん保険はいらない」といわれる理由になります。

一方、がん保険で保障される給付金は高額なので、がんのリスクには万全に備えられます。

貯蓄額や加入中の保険によって、がんのリスクにどれほど備えられるかは人によって異なります。まずは、がんになった場合に必要な医療費とあなたの貯蓄額を照らし合わせてみましょう。

もし、貯蓄額が必要な医療費を上回るのであれば、「がん保険はいらない」といえます。

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高橋 一樹 ファイナンシャルプランナー

AFP・ファイナンシャルプランナー二級。2022年よりライターとして活動を開始し、現在は、保険、投資、税金分野を中心に複数の金融メディアにて執筆活動中。累計100本以上の執筆経験をもとに、分かりやすい記事執筆を心がけております。

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