生命保険

既往歴とは?意味や保険加入への影響などについて解説

續 恵美子 ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)
生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。渡仏後、経営学修士号取得、地元企業で会社員生活を送るも、夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

わかっているようで正しく理解できていない人も多い「既往歴」という言葉。
既往歴に関する質問にきちんと答えられない場合、不利益を被る可能性もあります。

本記事では既往歴の意味を解説するとともに、既往歴に関する正しい理解が必要な場面として生命保険加入にスポットを当て、保険加入への影響および注意点等について説明していきます。

既往歴とは?

既往歴とは、これまでにかかったことのある病気の履歴のことです。
「既往症」と呼ばれることもあります。

日常生活のなかで既往歴という言葉を使ったり、聞いたりすることはほとんどありませんが、以下のような場面ではよく使われます。
ただ、既往歴という言葉がわかりにくく、正しく答えてもらえないといった誤解を防ぐために「既往歴」という言葉ではなく「既往症」、またはより簡単に「病歴」などと別の言葉が使われることもあります。

「既往歴」がよく使われる場面

病院などでの初診の際

病院など、その医療機関で初めて診察を受ける際に、既往歴の有無やどんな病気をしたかを確認されます。これは過去の病気や体質が現在の病気に影響している可能性を探り、診断や治療選択の判断において重要な手がかりとなるためです。

生命保険に加入する際

生命保険や医療保険に加入する際、既往歴の有無やどんな病気をした等の告知を求められることがあります。これは、既往歴の内容によっては他の加入者に比べて保険金支払いの可能性が高くなることがあるため、申込み引受けの判断に活かすためです。

既往歴に含まれるものとは?

既往歴を正しく伝えない場合、治療法選択や保険申込み引受けなどの判断が難しくなってしまいます。
結果的に患者または加入者が不利益を被る可能性もありますので、既往歴についての理解を深めておきましょう。

既往歴には、「これまでにかかったことのある病気」以外にも以下のようなものも含まれます。

  • これまでに受けたことのある手術
  • 骨折
  • 薬の副作用
  • アレルギー反応
  • 交通事故
  • 出産の経験

ただし、保険加入に関しては、これらの既往歴の告知がどこまで必要となるか生命保険会社によって異なり、一概に言うことができません。
一般的には、風邪やインフルエンザ、おたふくかぜなど一時的な病気で完治している場合は告知しなくても良いとする保険会社が多いです。

一方で、これまでに新型コロナウイルス感染症にかかり医師の診察や治療を受けたことがある場合には既往歴として告知を求める保険会社もあります。

既往歴と持病の違いはなに?

持病との違いについても知っておきましょう。
持病は慢性的でなかなか治らない病気や治療が長く続く病気のことです。
例えば糖尿病などが該当します。基礎疾患や現症という言葉が使われることもあります。

対して既往歴はこれまでにかかった病気(骨折等のケガも含む)であり、すでに治癒しているものです。申込者の不理解や誤った告知を防ぐために、告知書のなかで既往歴に関する質問の仕方を工夫する保険会社も増えていますので、求められた告知事項に正直に答えるようにしましょう。

既往歴は黙っていればわからない?

既往歴があって保険に加入できなくなるのを恐れ、「すでに治った病気だから黙っていてもわからないのでは?」と告知しないでおこうと考える人もいるかもしれません。

しかし、結論から言うと告知していないことが後から判明するケースもあります。
例えば、保険会社は契約者から死亡や入院・手術などで保険金・給付金の請求を受けた際に、医師の診断書等でその事実を確認することによって請求対象となった死亡や病気に既往歴が影響していることが判明する場合があります。

そうなると、保険会社は既往歴の告知が正しくされていたかどうかを確認し、きちんと告知がされていなければ「告知義務違反」として契約を解除することがあります。せっかく保険に入っていても保険金や給付金が支払わなくなる可能性がありますので、既往歴がある場合には正しく告知をすることがとても大切です。

なお、保険会社が既往歴や現在の健康状態等に関して告知を求めるのは「保険料負担の公平性」を保つ必要があるからです。生命保険は相互扶助や収支相等の原則という基本ルールがあり、加入者がそれぞれの危険(保険金支払いの可能性)に応じた保険料を払い合うことで、公平性を保つ仕組みとなっています。

既往歴があり保険加入に不安がある方は・・・

既往歴の内容にもよりますが、既往歴があると必ず保険に加入できないというわけではありません。
既往歴で保険金支払いの可能性が高いと判断された場合には、特別条件を付けることで保険への加入を引き受けてもらえる場合もあります。

特別条件にはいくつかの種類があり、どれに該当するかは保険会社が告知内容に基づき決定されます。

  • 通常の保険料に割増保険料を加えて払込む
  • 保険金や給付金を削減して支払う
  • 特定の部位や疾病については保険金や給付金を支払わない(不担保)  など

引受基準緩和型保険への加入も検討する

特別条件での加入以外にも、引受基準緩和型保険に加入するという選択肢もあります。
引受基準緩和型保険とは、加入引き受けの範囲を広げ、健康に不安がある人でも加入しやすい保険のことです。

申込み時の告知事項も通常の保険に比べて少ないことが多く加入しやすくなっています。
保険会社によって具体的な商品特長は異なりますが、持病の悪化や既往症の再発に関しても保険金や給付金が支払わるものが多いようです。

ただし、加入後一定期間は保障額が減額される、通常の保険に比べて保険料が割高などといったデメリットもありますので、きちんと確認・比較してから申し込むことが大切です。

既往歴があっても保険には入れる!

既往歴があると保険に加入できるかどうか不安に感じるものですが、既往歴があっても保険に加入する方法はあります。
健康上の不安があるからこそ保障の備えを検討することが大切です。

健康不安がない人も、不安がない状態でいられるうちに保険加入への検討した方が、多くの保険から自分に合った保険に加入できるので早めに検討することをおすすめします。

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續 恵美子 ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)
生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。渡仏後、経営学修士号取得、地元企業で会社員生活を送るも、夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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