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プライベートジェット購入ガイド|値段から取得まで 費用の全構造

プライベートジェットの購入価格は、新品で8億〜120億円(約575万〜8,000万ドル)、中古で3億〜40億円(約200万〜2,700万ドル)が2026年現在の相場です。機種選定から日本国内での登録完了まで、最短でも6ヶ月。年間維持費は機体サイズに応じて5,000万〜2億円が毎年かかります。購入を検討する際にまず把握すべきなのは、機体価格だけでは予算が組めないという点です。初期費用、登録手続き、運航体制の構築まで含め、購入ステップの順に見ていきます。

この記事でわかること

  • 新品・中古それぞれの価格帯と、機種カテゴリ別の費用レンジ(2026年時点)
  • 問い合わせから初回フライトまでの4ステップと所要期間・各段階の費用
  • 年間維持費(固定費+変動費)の全内訳と、フルオーナーシップ・区分所有の判断基準

プライベートジェットの価格帯:新品と中古で何が違うのか

購入検討で最初に直面するのが「新品と中古のどちらを選ぶか」という判断です。両者の違いは単なる機体の新旧ではありません。納期、カスタマイズの自由度、保証の有無、そして購入後すぐ飛べるかどうかが変わってきます。

項目 新品 中古
価格帯 8億〜120億円(約575万〜8,000万ドル) 3億〜40億円(約200万〜2,700万ドル)
納期 12〜24ヶ月 1〜3ヶ月
カスタマイズ フルオーダー可能 前オーナー仕様のまま
メーカー保証 5年程度 なし(一部延長保証あり)
購入前検査 不要 必須(150万〜1,100万円)

新品の価格帯と納期の関係

新品の価格は、機体サイズと航続距離でレンジが大きく変わります。カテゴリ別の目安は以下のとおりです。

  • ライトジェット:8億〜17億円(約575万〜1,200万ドル)
  • ミッドサイズ:16億〜44億円(約1,100万〜3,000万ドル)
  • ラージキャビン:50億〜120億円(約3,400万〜8,000万ドル)

※価格はカテゴリ別の目安です。最上位モデル(Gulfstream G700、Bombardier Global 8000等)は80億円を大幅に超える場合があります。正式な価格は各メーカーまたは正規代理店への問い合わせが必要です。

新品で注意すべきは納期です。Gulfstream G700やBombardier Global 7500は12〜24ヶ月待ちが通常で、仕様の打ち合わせが長引けば2年以上かかることも珍しくありません。「来月から飛びたい」という方には、新品は選択肢に入りにくいのが実情です。

カスタマイズ仕様によっても価格は10〜20%変動します。内装の素材選定(レザー、木目パネル)、エンターテイメントシステム、Wi-Fi設備などのオプションが積み上がると、リストプライスの1.2倍程度に達することもあります。

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新品購入の場合、契約時に機体価格の10〜20%を前払いし、製造進捗に応じて追加入金が求められます。納機まで2年かかる場合、その間の資金拘束コストも事前に計算しておく必要があります。

中古市場の相場と「買い時」の見極め方

中古機の価格は、飛行時間、機体年数、整備履歴の3要素で決まります。新品価格からの減価率の目安は以下のとおりです。

  • 5年落ち・飛行時間1,000時間未満:新品価格の60〜70%
  • 10年落ち・飛行時間2,500時間未満:新品価格の40〜50%
  • 15年落ち・飛行時間5,000時間以上:新品価格の25〜35%

狙い目のタイミングもあります。新型機がリリースされた直後は、旧モデルの売却が一気に進みます。たとえばGulfstream G700の納入が本格化した2024年以降、G650の中古在庫が増え、交渉余地が広がった局面がありました。

購入前検査(Pre-Buy Inspection)は中古機取得で省略できないプロセスです。エンジン、アビオニクス、機体構造の詳細検査に150万〜1,100万円、2〜4週間を要します。ここで重大な不具合が見つかれば、価格交渉の材料にもなりますし、購入中止の判断根拠にもなります。

費用の目安


中古機購入時の追加コスト

  • 購入前検査:150万〜1,100万円
  • 整備・修繕費用(検査結果による):1,000万〜5,000万円
  • 内装リファービッシュ(任意):3,000万〜5億円

機種選びの基本:航続距離・キャビンサイズ・用途で絞り込む

機種選定でまず確認すべきは、想定する飛行距離です。東京〜大阪が中心なのか、シンガポールまで行くのか、ニューヨークまでノンストップで飛びたいのか。この答えで候補は3〜4機種に絞られます。逆に、行き先と合わない機種を選ぶと年間数千万円の維持費が余分にかかることになります。

主要メーカーと代表機種の特徴比較

ビジネスジェット市場は、米国・カナダ・フランス・ブラジルのメーカーが主要プレーヤーです。GAMA(General Aviation Manufacturers Association)の2025年統計によると、同年の世界全体のビジネスジェット納入数は854機に達しています。

メーカー 代表機種 航続距離 乗客定員 2025年納入実績
Gulfstream(米) G650ER 13,900km 最大18名 158機
Bombardier(加) Global 7500 14,260km 最大19名 157機
Dassault(仏) Falcon 8X 11,945km 最大16名 37機
Textron Aviation / Cessna(米) Citation Longitude 6,482km 最大12名 171機(Citation全機種合計)
Honda Aircraft(日米) HondaJet Elite II 2,865km 最大6名 12機
Embraer(伯) Praetor 600 7,440km 最大12名 155機

参考:スペック(航続距離・定員)は各メーカー公式サイト公表値。納入実績はGAMA「General Aviation Aircraft Shipment Report 2025 Year-End」(2026年2月18日発表)に基づく。価格は各メーカーまたは正規代理店への問い合わせが必要

納入実績を見ると、Gulfstream(158機)とBombardier(157機)がほぼ拮抗し、Embraer(155機)がこれに続いています。Textron Aviation(Cessna)はCitation全機種合計で171機と数では最多ですが、ライト〜ミッドサイズ中心のラインナップです。

注目すべきは地域別の納入比率です。北米が64.9%、欧州が12.9%を占める一方、アジア太平洋地域は6.0%にとどまっています。日本でのビジネスジェット購入はまだ限られた市場であり、国内で購入経験のあるブローカーや運航管理会社の選定が、スムーズな購入の鍵を握ります。

Gulfstream(ガルフストリーム)は、東京〜ニューヨークをノンストップで飛べるG650ERが代表機種です。長距離国際線を頻繁に利用するオーナーに選ばれており、超富裕層の間では「最初の1機」として名前が挙がることの多いメーカーです。

HondaJetは、国内移動や近距離アジア圏での利用に向いたライトジェットです。燃費効率と運航コストの低さが強みで、年間飛行時間100〜200時間程度の利用であれば、維持費を抑えながら自由な移動手段を確保できます。

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日本国内の空港事情も機種選定に影響します。羽田・成田・関空以外のローカル空港では、滑走路の長さや施設の制約から大型機が離着陸できないケースがあります。地方拠点への移動が多い場合は、事前に就航可能な空港リストを確認しておくことが重要です。

用途別のおすすめカテゴリ

用途と機体カテゴリの組み合わせは、行き先と同乗者の人数でほぼ決まります。

国内専用(東京〜大阪〜福岡〜札幌)

ライトジェット(HondaJet、Cessna Citation CJ4等)が適しています。航続距離2,000〜3,000km、乗客定員4〜6名で、国内主要都市間を1〜2時間でカバーできます。機体価格8億〜17億円(約575万〜1,200万ドル)、年間維持費5,000万〜8,000万円が目安です。

アジア圏(東京〜シンガポール、東京〜香港)

ミッドサイズジェット(Cessna Citation Latitude、Embraer Praetor 500等)が選択肢になります。航続距離5,000〜6,500km、乗客定員8〜10名で、東南アジア主要都市へ給油なしで到達可能です。機体価格16億〜44億円(約1,100万〜3,000万ドル)、年間維持費8,000万〜1.2億円が目安です。

欧米直行(東京〜ニューヨーク、東京〜ロンドン)

ラージキャビンジェット(Gulfstream G650、Bombardier Global 7500等)が必要です。航続距離12,000km以上、乗客定員12〜19名で、太平洋・大西洋をノンストップで横断できます。機体価格50億〜120億円(約3,400万〜8,000万ドル)、年間維持費1.2億〜2億円が目安です。

購入ステップと所要期間:問い合わせから初回飛行まで最短6ヶ月

中古機を前提にした場合、問い合わせから初回フライトまで最短6ヶ月。新品なら納機待ちを含めて2〜3年を見ておく必要があります。各ステップで何が起き、いくらかかるのかを順に見ていきます。

購入スケジュール概要

  • STEP1:問い合わせ〜機種選定(1〜2ヶ月)
  • STEP2:契約〜機体検査(2〜3ヶ月)
  • STEP3:日本国内の登録手続き(1〜2ヶ月)
  • STEP4:引き渡し〜初回フライト(2〜4週間)

合計所要期間:6〜9ヶ月

STEP1:問い合わせ〜機種選定(1〜2ヶ月)

最初のステップは、ブローカー(仲介業者)またはメーカー直販窓口への問い合わせです。日本国内には複数のプライベートジェットブローカーが存在し、海外市場の在庫情報へのアクセスや価格交渉を代行してくれます。

初回のヒアリングで確認されるのは、主に以下の5点です。

  • 年間想定飛行時間(例:200時間)
  • 主な行き先と距離(例:東京〜シンガポール往復)
  • 同乗者の人数(例:常時4名、最大8名)
  • 予算の上限(機体価格+初期費用)
  • 希望納期(例:6ヶ月以内)

これらをもとにブローカーが3〜5機種の候補を提案します。

気になる機体があれば、デモフライト(試乗)の手配も可能です。デモフライトは通常無料〜数十万円で、実際の乗り心地やキャビンの使い勝手を体感できます。

STEP2:契約〜機体検査(2〜3ヶ月)

購入機体が決まったら、売買契約の締結に進みます。国際的なビジネスジェット取引では、エスクロー(第三者預託)を利用した決済が一般的です。

購入代金をエスクローアカウントに預け入れ、機体検査完了・所有権移転の確認後に売主へ支払われる仕組みです。

売買契約書の主要条項は以下のとおりです。

  • 購入価格と支払条件:エスクロー入金のタイミング
  • 引き渡し条件:検査合格を条件とするか否か
  • 表明保証:整備記録の正確性、事故歴の有無
  • 契約解除条項:検査で重大不具合が発覚した場合の処理

契約締結後、購入前検査(Pre-Buy Inspection)を実施します。メーカー認定の整備施設で行われ、所要期間は2〜4週間、費用は150万〜1,100万円です。

検査項目には、エンジンのボアスコープ検査、アビオニクスの動作確認、機体構造の非破壊検査などが含まれます。

不具合が見つかった場合は、売主負担での修繕、価格引き下げ、または契約解除のいずれかを交渉します。この段階での交渉力がブローカーの腕の見せどころです。

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購入前検査の結果報告書は、将来の売却時にも重要な資料となります。検査を省略して安く買おうとするオーナーもいますが、隠れた不具合で数千万円の修繕費が後から発生するリスクを考えると、検査費用は必要な投資と捉えるべきです。

STEP3:日本国内の登録手続き(1〜2ヶ月)

海外から購入した機体を日本で飛ばすには、国土交通省への航空機登録と耐空証明の取得が必要です。手続き自体は購入者自身でも可能ですが、航空法規に精通した専門家(航空機登録代行業者)に委託するのが一般的です。

航空機登録申請

国土交通省航空局に航空機登録申請書と必要書類を提出します。登録免許税・手数料として数万〜十数万円が発生し、登録完了まで2〜4週間です。

耐空証明の取得

日本の航空安全基準に適合していることを証明する耐空証明を取得します。申請手数料・審査期間は機種や申請内容により異なるため、詳細は国土交通省航空局または航空機登録代行業者にご確認ください。この間、機体は国土交通省の検査官による実機検査を受けます。

並行して進めるべき手続き

  • 無線局免許:総務省への申請、1ヶ月程度
  • 航空保険:機体保険・賠償責任保険の加入
  • 格納庫契約:羽田・成田・その他空港での駐機場所確保
  • 運航管理会社の選定:パイロット手配、整備管理、運航計画の委託先

STEP4:引き渡し〜初回フライト

登録手続きがすべて完了すると、機体の引き渡しです。海外で購入した機体の場合、フェリーフライト(機体輸送便)で日本まで空輸されます。

フェリーフライトの費用は、米国西海岸から日本まで500万〜1,000万円、欧州から日本まで1,000万〜1,500万円が目安です。費用には燃料費、パイロット人件費、経由地での着陸料・駐機料が含まれます。

※フェリーフライト費用は機種・ルート・経由地により異なります。正式な見積りはブローカーまたは運航管理会社への確認が必要です。

引き渡し後、初回フライトまでに完了しておくべき準備は以下のとおりです。

  • 専属パイロットの機種別訓練完了確認
  • 整備士による受入検査
  • キャビン備品(食器、リネン類)の搭載
  • Wi-Fi・衛星電話の開通確認
  • VIPターミナルとの利用契約締結

維持費の内訳:年間5,000万〜2億円の「見えないコスト」

機体を購入した後、毎年確実にかかるのが維持費です。格納庫代、保険料、パイロット人件費、整備費用。飛ばなくても発生する固定費だけで年間2,000万〜1.5億円。ここを把握せずに購入すると、数年で手放すことになりかねません。

固定費:格納庫・保険・税金の年間コスト

飛行時間に関係なく毎年発生するのが固定費です。

格納庫賃料

日本国内の主要空港での格納庫賃料は、月額50万〜200万円、年間600万〜2,400万円です。羽田空港のVIPハンガーは空きが出るまで1〜2年待ちになることもあり、購入を決めた段階で並行して確保に動く必要があります。成田やその他の空港であれば比較的確保しやすい状況です。

航空保険

機体保険(ハル保険)は機体価格の1〜2%が年間保険料の目安です。20億円の機体なら年間2,000万〜4,000万円。これに加え、第三者賠償責任保険が年間100万〜500万円程度かかります(補償額・機体サイズにより変動)。

固定資産税

航空機は償却資産として固定資産税の対象です。取得価格を基準に減価償却後の評価額に対して1.4%が年間税額となります。

固定費項目 ライトジェット ミッドサイズ ラージキャビン
格納庫賃料(年間) 600万〜1,000万円 1,000万〜1,500万円 1,500万〜2,400万円
機体保険(年間) 700万〜1,500万円 2,000万〜4,000万円 5,000万〜1億円
固定資産税(初年度) 機体価格により異なる 機体価格により異なる 機体価格により異なる
固定費合計(年間) 2,000万〜3,000万円 4,000万〜6,500万円 8,000万〜1.5億円

※2026年時点のカテゴリ別の目安です。格納庫賃料・保険料は機体サイズ・空港・保険会社により異なります。正式な費用は運航管理会社または保険会社への問い合わせが必要です。

変動費:燃料・整備・パイロット人件費

変動費は飛行時間に応じて増減します。年間200時間飛行を前提にした目安です。

燃料費

ジェット燃料(Jet-A)の1時間あたり消費量は、ライトジェットで約150ガロン、ラージキャビンで約400ガロンです。燃料単価を1ガロン800円として計算すると、1時間あたりライトジェットで約12万円、ラージキャビンで約32万円。年間200時間飛行で2,400万〜6,400万円です。

定期整備費用

航空機には飛行時間・飛行回数に応じた定期点検が義務付けられています。

  • Aチェック(400〜600時間ごと):軽度な定期点検
  • Cチェック(4,000〜8,000時間ごと、機種により異なる):3,000万〜8,000万円
  • エンジンオーバーホール(3,000〜10,000時間ごと、エンジン型式により異なる):2,000万〜5億円

パイロット人件費

運航には機長と副操縦士の2名体制が基本です。ビジネスジェットパイロットの年収は1名あたり1,500万〜2,500万円程度が目安とされていますが、経験・機種・地域により大きく変動します。2名で3,000万〜5,000万円。加えて、機種別の定期訓練費用が年間300万〜1,000万円/名かかります。

機種カテゴリ別の年間総コスト(年間200時間飛行時)

固定費と変動費を合算した、機種カテゴリ別の年間総コストの目安は以下のとおりです。

コスト項目 ライトジェット ミッドサイズ ラージキャビン
固定費合計 2,000万〜3,000万円 4,000万〜6,500万円 8,000万〜1.5億円
燃料費(200時間) 2,400万円 3,500万円 6,400万円
パイロット人件費 3,000万〜5,000万円 3,000万〜5,000万円 3,000万〜5,000万円
年間総コスト 5,000万〜8,000万円 8,000万〜1.2億円 1.2億〜2億円

※2026年時点の目安です。整備費用(Cチェック、エンジンオーバーホール等)は数年に1度の大規模支出のため上記に含んでいません。年間の平準化コストとして別途計算が必要です。

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パイロットの「待機コスト」は見落としやすい項目です。月に数回しか飛ばない場合でも、常時2名のパイロットを確保しておく必要があり、飛行時間あたりの人件費単価は跳ね上がります。年間飛行時間が100時間未満の場合、専属パイロットを雇用するよりチャーターや区分所有の方が合理的なケースもあります。

区分所有・共同保有という選択肢:初期費用を1/4に抑える方法

年間200時間以上飛ぶ方にはフルオーナーシップが合理的ですが、そこまでの利用頻度がなければ、区分所有(フラクショナルオーナーシップ)を検討する価値があります。初期費用を4分の1程度に抑えつつ、チャーターにはない「自分の機体」という安心感を得られる仕組みです。

区分所有プログラムの仕組みと費用

区分所有とは、1機の航空機を複数のオーナーで共同所有し、持分に応じた飛行時間を利用する仕組みです。米国ではNetJets(バークシャー・ハサウェイ傘下)が最大手で、1/16シェア(年間50時間)から1/2シェア(年間400時間)まで選択可能です。

区分所有の費用は、初期のシェア購入費、月額管理費(パイロット・保険・格納庫等の固定費を按分)、飛行時間あたりの運航費の3つで構成されています。

日本国内では区分所有プログラムの選択肢が限られていますが、海外プログラムの日本拠点利用や、アジア圏をカバーするプログラムを活用することで類似のサービスを受けられます。日本国内ではOpenSkyがPilatus PC-12およびPC-24の区分所有プログラムを提供しており、1口あたり年間5時間の利用権が付与される仕組みです。

参考:OpenSky公式サイト(区分所有プログラムの仕組み・料金)、NetJets公式サイト(区分所有の費用構成)

フルオーナーシップとの比較:どちらが得か

判断の分かれ目は、年間飛行時間150〜200時間のラインにあります。

比較項目 フルオーナーシップ 区分所有(1/4シェア)
初期費用 機体価格の全額 機体価格の30〜35%程度(シェア比率+運営プレミアム)
年間固定費 全額オーナー負担 シェア比率に応じて按分
予約の柔軟性 完全自由 48〜72時間前通知が基本
機体カスタマイズ 自由 不可
売却時の流動性 市場次第 プログラム内で買戻し制度あり

フルオーナーシップが有利なケース

  • 年間飛行時間が300時間以上
  • 突発的な移動が多く、予約なしで即時出発したい
  • 機内仕様を自社ブランドに合わせてカスタマイズしたい
  • 機体を資産として保有し、将来の売却益を期待する

区分所有が有利なケース

  • 年間飛行時間が100〜200時間
  • 初期投資を抑え、キャッシュフローを重視したい
  • 機体管理・パイロット手配の手間を省きたい
  • 数年後に利用頻度が変わる可能性がある
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区分所有で見落としやすいのが「ピーク期間の利用制限」です。年末年始やゴールデンウィークなど、他のオーナーと利用希望が重なる時期は、希望どおりの日程で飛べないリスクがあります。契約前に、ピーク期間の予約ルールと過去の利用実績を確認しておくことをお勧めします。

自分に合った選び方:用途・予算・利用頻度から逆算する

プライベートジェットの購入は、ブローカーまたはメーカー直販窓口への問い合わせから始まります。新品で8億〜120億円、中古で3億〜40億円が相場であり、年間維持費は機体サイズに応じて5,000万〜2億円。年間飛行時間と主な行き先から逆算することで、最適な機種と保有形態が決まります。

判断チェックリスト:5つの質問で最適解を導く

購入を具体的に検討する段階で、以下の5つの質問に答えてみてください。これだけで、候補となる機種と保有形態がかなり絞り込めます。

Q1:年間何時間飛ぶか?

  • 50〜100時間 → チャーターまたはジェットカード
  • 100〜200時間 → 区分所有(1/8〜1/4シェア)
  • 200時間以上 → フルオーナーシップを検討

Q2:主な行き先はどこか?

  • 国内のみ → ライトジェット
  • アジア圏まで → ミッドサイズ
  • 欧米まで → ラージキャビン

Q3:同乗者は最大何名か?

  • 4名以下 → ライトジェットで十分
  • 6〜8名 → ミッドサイズが適正
  • 10名以上 → ラージキャビンが必要

Q4:初期投資と維持費、どちらを重視するか?

  • 初期投資を抑えたい → 中古機または区分所有
  • 維持費を抑えたい → 新品(初期整備費用が低い)
  • 両方を最適化したい → ライトジェットの新品

Q5:5年後の売却・乗り換えを想定しているか?

  • 長期保有(10年以上) → 新品購入が有利
  • 中期保有(5〜7年) → 中古機購入を検討
  • 短期保有(3〜5年) → 区分所有の方がリスクが低い

購入相談の第一歩:どこに問い合わせるべきか

購入相談は、ブローカー(仲介業者)またはメーカー直販窓口から始まります。どこに声をかけるかで、アクセスできる機体の選択肢が変わってきます。

日本国内で相談可能なブローカー・代理店

  • 丸紅エアロスペース:Gulfstreamの正規代理店
  • 双日エアロスペース:Bombardierの正規代理店
  • Honda Aircraft Company:HondaJetの直販

初回相談で準備すべき情報

  • 想定する年間飛行時間と主な行き先
  • 同乗者の人数(通常時・最大時)
  • 予算の目安(機体価格+初年度費用)
  • 希望する納期
  • 新品・中古の希望

初回相談は無料で、複数のブローカーに並行して問い合わせるのが基本です。同じ機体でもブローカーによって提示価格やアクセスできる在庫が異なるため、比較することで市場の相場感をつかむことができます。

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初めてプライベートジェットを購入する場合、機体の選定だけでなく、運航管理会社の選定も同時に進めることをお勧めします。パイロットの手配、整備管理、運航計画の作成を一括して委託できる運航管理会社があると、購入後の立ち上げがスムーズに進みます。ブローカーに「運航管理会社の紹介も可能か」を確認しておくとよいでしょう。

検討時に確認すべきポイント

プライベートジェットの購入を検討する際に、事前に把握しておきたい代表的な疑問をQ&A形式でまとめます。

プライベートジェットの購入に必要な年収・資産規模の目安は?

一般的に、フルオーナーシップでの購入は総資産50億円以上、年間可処分所得5億円以上が目安とされています。機体価格に加え、年間5,000万〜2億円の維持費を継続的に負担できることが前提です。資産規模がこの水準に達しない場合は、区分所有やチャーターの方が合理的です。

中古と新品、どちらが得か?

「得」かどうかは利用目的と保有期間で変わります。中古機は初期投資を抑えられ、納期も短い(1〜3ヶ月)のが強みです。一方、新品はメーカー保証(5年程度)が付き、初期の整備費用が低く抑えられます。5年以上の長期保有を前提にするなら新品、3〜5年の中期保有なら中古が選択肢に入りやすくなります。

個人名義と法人名義の違いは?

法人名義で購入した場合、減価償却費を経費計上できるため、税務上のメリットがあります。耐用年数は新品で5〜10年(機種による)、中古はさらに短くなります。ただし、業務使用割合が低い場合は税務調査で否認されるリスクがあるため、顧問税理士との事前協議が不可欠です。個人名義では経費計上はできませんが、法人の利益状況に左右されない点が利点です。

日本国内でプライベートジェットを保管できる空港はどこか?

羽田空港、成田空港、関西国際空港、中部国際空港、神戸空港などに格納庫・駐機スポットがあります。羽田はVIPハンガーの空きが慢性的に不足しており、1〜2年待ちになることもあります。成田やその他の空港であれば比較的確保しやすい状況ですが、自宅や主要拠点からのアクセス時間も考慮して選定する必要があります。

購入後、すぐに海外へ飛べるのか?

国土交通省への航空機登録と耐空証明の取得が完了するまでは、日本の登録記号(JA)での運航はできません。中古機の場合、引き渡しから登録完了まで1〜2ヶ月かかるのが一般的です。また、国際線の運航には飛行計画の提出やオーバーフライト許可の取得が必要であり、初回の国際線フライトまでには運航管理会社との調整期間も見込んでおく必要があります。

プライベートジェットの売却は難しいか?

市場環境により変動しますが、人気機種(Gulfstream G650、Bombardier Challengerシリーズ等)は比較的流動性が高く、売却までの期間は3〜6ヶ月程度です。ニッチな機種や整備履歴に問題がある機体は、1年以上かかる場合もあります。売却時にはブローカーを通じて国際市場に出すのが一般的で、売却手数料は取引価格の1〜3%程度です。

チャーターではなく購入する判断基準は?

年間飛行時間が200時間を超える場合、1時間あたりのコストではフルオーナーシップがチャーターを下回るケースが出てきます。また、フライトスケジュールの自由度、セキュリティ、機内のカスタマイズ(社内会議仕様、医療設備等)を重視する場合は、チャーターでは対応できない部分があります。年間100〜200時間であれば区分所有、100時間未満であればチャーターまたはジェットカードが費用面では有利です。

プライベートジェットの購入は、機体選定・資金計画・登録手続き・運航体制の構築と、複数の専門分野にまたがるプロジェクトです。信頼できるブローカーと運航管理会社を早い段階でパートナーに選ぶことが、購入後の長期的な満足度を左右します。

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