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電気スーパーカーを日本で所有する方法|購入ルート・充電・維持費

電気スーパーカーとは、電動モーターのみで駆動する超高性能スポーツカーで、最高出力1,000PS超・0-100km/h加速2秒台を実現する次世代ハイパーカーの総称です。日本では2026年時点で約3,000万円から3億円超の価格帯で購入可能で、正規ディーラーで購入できるポルシェ タイカン ターボGTから、英国の総代理店経由で予約するロータス エヴァイヤ、海外直接購入が必要なリマック ネヴェーラ・ピニンファリーナ バッティスタまで選択肢が広がっています。

日本市場の最新動向、主要モデル比較、購入手続き、充電インフラ、3年間の維持費用までを実務観点でまとめます。

電気スーパーカー所有を取り巻く日本市場の動向

日本国内のEV普及はここ数年で大きく進み、超富裕層向けのハイパーEV選択肢も増えています。まず市場環境を押さえることで、購入判断に必要な視野が確保できます。

国内のEV保有台数は一般社団法人 次世代自動車振興センター(NeV)の統計によると、2019年度の138,120台から2024年度の358,262台へ約2.6倍に増加しました。新車販売面でも輸入車セグメントで電動化が進み、日本自動車輸入組合(JAIA)の2025年度速報では、ポルシェ9,361台、BYD4,536台(前年比204.2%)など、EVを主力とするブランドの登録が顕著です。

日本国内のEV保有台数推移(年度末時点・2024年度版)
年度 EV乗用車(普通・小型) EV合計(軽自動車含む) PHEV乗用車
2019 117,315台 138,120台 136,208台
2021 138,325台 161,363台 174,231台
2023 191,613台 301,435台 252,552台
2024 214,512台 358,262台 287,352台

※出典:一般社団法人 次世代自動車振興センター「EV等 保有台数統計」(自動車検査登録情報協会・軽自動車検査協会のデータより集計)

ハイパーカー領域に目を向けると、日本自動車輸入組合(JAIA)「2025年度輸入車新規登録台数(速報)」(2025年4月〜2026年3月、2026年4月発表)では、ロールス・ロイス528台、ベントレー482台、アストンマーティン458台、フェラーリ1,521台、ランボルギーニ1,020台、マクラーレン219台、ロータス117台と、超高級セグメントは年間数百台規模の希少市場となっています。電気スーパーカーは、この限られた選択肢の中でさらに少数のオーナーが手にする最先端領域に位置づけられます。

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輸入車新規登録の超高級セグメントは年間で数百台規模にとどまります。電気スーパーカーは、その中でも限定生産モデルが大半を占めるため、購入を検討する場合は2〜3年先の納車を見越したスケジュールが必要です。

電気スーパーカーの価格帯は3,000万〜3億円超

電気スーパーカーの購入を検討する際、車両本体価格だけを見て判断することは避けるべきです。日本での購入総コストは、本体価格に消費税・登録諸費用を加えた水準で見積もる必要があります。電気自動車は2026年3月31日まで環境性能割が非課税で、令和8年度税制改正大綱(2025年12月決定)に基づき2026年4月1日以降は環境性能割そのものが廃止されます。乗用車の輸入関税については、日本では1978年以降無税となっています(日本自動車工業会 自動車関税率資料)。

価格帯別に「何が手に入るか」を整理すると、以下の3段階に分かれます。

電気スーパーカーの価格帯と日本での入手性(2026年4月時点)
価格帯 代表モデル 特徴 日本での入手性
3,000万〜5,000万円 ポルシェ タイカン ターボGT 正規ディーラーで購入可能、実用性と性能の両立 ◎ 容易
3億円台 ロータス エヴァイヤ 130台限定、正規総代理店経由で予約 ○ 要予約
3億〜5億円超 リマック ネヴェーラ、ピニンファリーナ バッティスタ 各150台限定、海外直接購入 △ 海外直接購入

※上記はカテゴリ別の目安です。為替変動・仕様・ビスポークオプションにより価格は変動します。

購入時諸費用の内訳

車両価格2億円の電気スーパーカーを海外から並行輸入するケースでの諸費用を試算します。

購入時諸費用の試算例(車両価格2億円・海外並行輸入の場合)

  • 関税:0円(乗用車は1978年以降無税)
  • 消費税:2,000万円(車両価格の10%)
  • 環境性能割:0円(電気自動車は2026年3月31日まで非課税、2026年4月1日以降は廃止)
  • 輸送費(海上輸送+国内陸送):150万〜300万円
  • 通関手数料・保険:50万〜100万円
  • 登録諸費用(自動車重量税含む):30万〜50万円
  • 並行輸入車の保安基準適合手続き:100万〜500万円

合計:2,330万〜2,950万円(車両価格の約12〜15%)

正規ディーラー経由で購入する場合、輸送費や保安基準適合費用は車両価格に含まれることが一般的で、諸費用は車両価格の10〜13%程度に抑えられます。一方、並行輸入や海外直接購入では、保安基準適合のための個別手続きや排ガス・騒音試験の取得が必要となり、追加費用と時間が発生します。

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並行輸入で見落としやすいのが「保安基準適合」の費用と時間です。日本の正規ルートで販売されていないモデルは、排出ガス・騒音・保安基準への適合を個別に証明する必要があり、車種によっては半年以上かかる場合があります。購入前に必ず輸入代行業者へ確認してください。

主要電気スーパーカー5モデルの比較

2026年時点で購入可能、または予約受付中の電気スーパーカー(電動ハイパーカー)主要5モデルを比較します。性能だけでなく、日本での入手可否とアフターサービス体制も重要な判断材料です。

電気スーパーカー主要5モデルの仕様比較(2026年4月時点)
モデル 価格帯 最高出力 0-100km/h 最高速度 航続距離 日本での購入
リマック ネヴェーラ 約€2M〜(約3〜3.5億円) 1,914 PS 1.81秒 412 km/h 489 km(WLTP) 海外直接購入
ピニンファリーナ バッティスタ 約US$2.2M〜(約3.3億円) 1,900 hp 1.86秒 350 km/h 476 km 海外直接購入
ロータス エヴァイヤ 180万〜200万ポンド(約3.5〜4億円) 2,011 bhp 3秒未満 349 km/h 約400 km 正規総代理店経由
ポルシェ タイカン ターボGT 3,144万円〜 789 PS(オーバーブースト時最大1,108 PS) 2.3秒 290 km/h 638〜677 km(WLTC) 正規ディーラー
テスラ ロードスター 20万US$〜(予定、未確定) 非公表 1.9秒(公称) 400 km/h超(公称) 約1,000 km(公称) 発売時期未定

※出典:Rimac Automobili 公式Automobili Pininfarina 公式Lotus Cars 公式ポルシェジャパン 公式。為替変動・オプションにより価格は変動します。タイカン ターボGTのヴァイザッハパッケージ装着車は最高速度305 km/h・0-100km/h加速2.2秒。

リマック ネヴェーラ:世界最速EVの実力と購入ルート

クロアチアのリマック・アウトモビリが製造するネヴェーラは、市販EVとして世界最速級の性能を持ちます。1,914 PS、最高速度412 km/h、0-100 km/h加速1.81秒というスペックは、ガソリン車のハイパーカーを凌駕します。

生産台数は全世界で150台限定。日本には正規代理店がないため、購入にはリマック本社(クロアチア)への直接コンタクト、または欧州の正規ディーラーを経由する必要があります。

リマック ネヴェーラ購入時の実務ポイント

  • 購入価格目安:約€2,000,000〜(為替により約3億〜3.5億円超)
  • 納期:オーダーから18〜24ヶ月の目安
  • 日本への輸送:購入者手配または並行輸入代行業者を利用
  • 保安基準適合:個別取得が必要(費用300万〜500万円、期間3〜6ヶ月の目安)

ピニンファリーナ バッティスタ:イタリアン デザインの電動ハイパーカー

フェラーリやマセラティのデザインを手がけてきたピニンファリーナが、自社ブランドとして初めて製造したハイパーカーがバッティスタです。1,900 hp、0-100 km/h加速1.86秒、最高速度350 km/h、航続476 kmというスペックを、イタリアンデザインの美しさと組み合わせています。バッテリーパック・パワートレインはリマック製を採用しています。

生産台数は全世界で150台限定。日本からの購入は、ピニンファリーナ本社(イタリア・カンビアーノ)またはAutomobili Pininfarina GmbH(ドイツ・ミュンヘン本部)への直接問い合わせ、または欧州・中東の正規ディーラーを経由します。

ポルシェ タイカン ターボGT:3,144万円から、最も現実的な選択肢

電気スーパーカーで「最も現実的な選択肢」と言えるのがポルシェ タイカン ターボGTです。日本全国のポルシェセンターで購入でき、充実したアフターサービスを受けられます。

価格はポルシェジャパン公式コンフィギュレーターで31,440,000円(2026年モデル、税込車両本体価格)。最高出力789 PS、ローンチコントロール時1,034 PS、最高出力測定法に従う2秒間のオーバーブースト時1,108 PS、0-100 km/h加速2.3秒、最高速度290 km/h、WLTCモード一充電航続638〜677 km。サーキット走行に特化したヴァイザッハパッケージ装着車は最高速度305 km/h・0-100km/h加速2.2秒へとさらに引き上がります。

特筆すべきは、日本国内での整備体制が確立されている点です。バッテリーを含む主要部品の交換・修理を国内で完結でき、リセールバリューも比較的安定しています。従来のスーパーカーオーナーが電気への移行を検討する際、最初の一台として選ばれることが多いモデルです。

ロータス エヴァイヤとテスラ ロードスター:次世代モデルの現状

ロータス エヴァイヤは、英国ロータス初の完全電動ハイパーカーです。「Type 130」の開発コードにちなみ、生産台数は130台限定。最高出力2,011 bhp(公式)、0-100 km/h加速3秒未満、最高速度349 km/h(リミッター付)。価格はLCI株式会社(ロータスの日本における正規輸入総代理店)の発表によると、180万〜200万ポンド(税別、英国ロータス工場渡し価格、別途輸送・登録諸費用等)で、手付金25万ポンド(返金可能)で生産枠が確保される仕組みでした。日本での問い合わせ窓口はLCI株式会社が対応しています。

テスラ ロードスターは、0-100 km/h加速1.9秒、航続距離1,000 km超という公称スペックで2017年に発表されましたが、2026年時点でも発売時期は未定です。予約金は基本5万US$(初回5,000 US$+10日以内に追加45,000 US$をワイヤー送金、ファウンダーズシリーズは25万US$)で、世界中で予約者が待機しています。テスラ公式の予約契約上は返金可能とされる一方、近年は予約解除時の返金プロセスで複数のトラブル事例が報じられているため、予約金の取扱いについては慎重な確認が必要です。

PHEV領域に目を向けると、2026年4月にはアストンマーティン初の量産ミッドエンジンPHEVスーパーカーも国内デリバリーが始まっています。

アストンマーティンは、F1(フォーミュラ1)の技術を結集した次世代のPHEV(プラグインハイブリッド)スーパーカー「Aston Martin Valhalla(ヴァルハラ)」の国内デリバリーを開始した。このモデルは、アストンマーティン初の量産ミッドエンジンPHEVスーパーカーであり、世界限定999台という希少性を持つ。

出典:car-moby.jp(2026年4月21日)

ヴァルハラは1,079 PS、0-100 km/h加速2.5秒、最高速度350 km/h、日本価格1億2,890万円。完全電動ではありませんが、ハイブリッド技術による電動化の流れを示すモデルです。

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テスラ ロードスターは発表から8年以上経過しても発売されていません。予約金は名目上返金可能とされていますが、実際の返金には時間と労力がかかる事例が報告されています。発売時期未定のモデルへの予約は、長期間動かなくても許容できる資金で行うことが前提となります。

日本での購入ルートと手続きは正規・並行輸入・海外直接購入の3択

電気スーパーカーを日本で所有するには、3つの購入ルートがあります。それぞれメリット・デメリットが明確なので、予算と手間のバランスで選択してください。

3つの購入ルートの比較(2026年4月時点)
購入ルート 対応モデル例 諸費用(車両価格比) 納期目安 アフターサービス
正規ディーラー ポルシェ タイカン 10〜13% 3〜12ヶ月 ◎ 国内完結
正規総代理店経由(限定モデル) ロータス エヴァイヤ 13〜18% 12〜24ヶ月 ○ 総代理店対応
並行輸入・海外直接購入 リマック、ピニンファリーナ 15〜20% 12〜24ヶ月 △ 海外対応中心

※上記はカテゴリ別の目安です。正式な費用は各正規ディーラー・代理店・並行輸入業者への問い合わせが必要です。

正規ディーラー経由の流れ

ポルシェ タイカンシリーズは、日本全国のポルシェセンターで購入可能です。購入から納車までの流れは、通常、ディーラー訪問・試乗、仕様決定・見積もり取得、契約・頭金支払い、生産・海上輸送、納車という5段階に整理できます。

STEP1:ディーラー訪問・試乗

最寄りのポルシェセンターで試乗予約を入れます。タイカン ターボGTは試乗車を常備していない店舗もあるため、事前確認が必要です。

STEP2:仕様決定と見積もり

外装色、内装、オプションを選択し、見積もりを取得します。フル装備のターボGTでは4,000万円を超えることもあります。

STEP3:契約と頭金

契約時に頭金(車両価格の10〜20%程度)を支払います。

STEP4:生産と海上輸送

ドイツでの生産後、海上輸送で日本へ。納期は通常3〜6ヶ月ですが、人気仕様は12ヶ月以上かかることもあります。

並行輸入・海外直接購入でリマック・ピニンファリーナを所有する

日本に正規代理店がないリマック ネヴェーラやピニンファリーナ バッティスタを購入する場合、2つの方法があります。

1つ目は海外直接購入です。メーカー本社または海外正規ディーラーに直接コンタクトし、購入契約を結びます。車両の受け取りは現地で行い、日本への輸送は自身で手配するか、輸入代行業者に依頼します。

2つ目は並行輸入代行業者の利用です。日本の輸入代行業者に依頼し、車両の調達から輸送、保安基準適合手続き、登録までを一括で任せます。手数料は車両価格の5〜10%程度が目安ですが、トラブル時の対応力は業者によって大きく異なります。

信頼できる輸入代行業者を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • ハイパーカー・スーパーカーの輸入実績があるか
  • 保安基準適合手続きの代行経験があるか
  • 整備・メンテナンスのサポート体制があるか
  • 過去の顧客からの評判や紹介可否
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並行輸入で最も注意すべきは「保証」の問題です。海外で購入した車両は、日本での正規保証が受けられないケースがほとんどです。故障時の部品調達や修理は自己責任となるため、信頼できる整備工場との関係構築が必須です。

充電インフラと従来スーパーカーとの所有体験の違い

電気スーパーカーのオーナーになると、従来のガソリン車とは異なる所有体験が始まります。最大の違いは「充電」という新しい習慣と、エンジン音がない「静寂の走り」です。

自宅充電設備の導入費用は50万〜400万円

電気スーパーカーを快適に所有するには、自宅に充電設備を設置することが事実上必須です。外出先の急速充電器だけに頼ると、充電待ちのストレスや、対応充電器が見つからないリスクがあります。

設備投資の目安は以下の通りです。

自宅充電設備の費用比較(2026年4月時点)
充電設備タイプ 設置費用(税込) 充電時間(0→80%) 特徴
普通充電器(6kW) 30万〜60万円 12〜15時間 単相200Vで対応、夜間充電向け
普通充電器(11kW) 50万〜80万円 7〜9時間 機種により単相200Vまたは三相200V電源工事が必要
急速充電器(50kW) 200万〜400万円 1〜1.5時間 三相200V以上の電力契約見直しが必要

※上記はカテゴリ別の目安です。正式な費用は施工業者への問い合わせが必要です。

一戸建ての場合、6〜11kWの普通充電器を設置し、夜間に充電する運用が一般的です。集合住宅の場合は、管理組合との調整や共用部への充電設備設置の交渉が必要になるため、購入前に確認しておくことをお勧めします。

外出先での充電と充電規格の違いに注意

日本国内の急速充電器は増加傾向にありますが、電気スーパーカーで長距離ドライブする際には充電規格の違いを把握しておく必要があります。

日本仕様のポルシェ タイカンはCHAdeMO規格を採用しており、ポルシェジャパンがABB社と共同開発した最大150kW出力の「ポルシェターボチャージャー」が全国のポルシェセンターおよび東京・名古屋・大阪のターボチャージングステーションに設置されています(ポルシェジャパン公式チャージング情報)。日本の高速道路SA・PAやe-Mobility Power等の公共急速充電器(CHAdeMO規格)も利用できます。

一方、リマック ネヴェーラ・ピニンファリーナ バッティスタ・ロータス エヴァイヤなどを並行輸入で持ち込む場合、欧州仕様のCCS Combo2規格が中心となります。CCS対応の急速充電器は近年増加傾向にあるものの、地方では選択肢が限られるため、長距離移動時は事前の充電スポット確認が必要です。

長距離ドライブの際のポイントは以下の通りです。

  • 出発前に充電スポットの位置と対応規格(CHAdeMO・CCS)を確認する
  • 高速道路のSA・PAの充電器は連休中に混雑することがある
  • 高級ホテルやゴルフ場の中にはEV充電設備を備える施設が増加している
  • 緊急時に備え、ロードサービスの連絡先を控えておく

従来スーパーカーとの所有体験比較

フェラーリやランボルギーニから電気スーパーカーへの乗り換えを検討する際、「所有体験がどう変わるか」は重要な判断材料です。

従来スーパーカーと電気スーパーカーの所有体験比較
比較項目 従来スーパーカー(V8/V12) 電気スーパーカー
エンジン音・排気音 迫力のあるサウンド 静寂(モーター音のみ)
加速感 回転数上昇に伴う加速 即時最大トルク、Gが強烈
給油・充電 ガソリンスタンドで5分 急速充電で30分〜1時間
メンテナンス オイル交換、エンジン整備が必要 オイル交換不要、ブレーキ摩耗も少ない

電気スーパーカーの最大の特徴は「静寂の中で味わう圧倒的な加速」です。アクセルを踏んだ瞬間に最大トルクが発生し、体が座席に押し付けられるような加速Gを体感できます。一方で、V12エンジンの咆哮を愛するオーナーにとっては、物足りなさを感じる可能性もあります。

ロールス・ロイスのオーナーのように「静粛性」を重視する方には、電気スーパーカーの静けさは魅力となるでしょう。

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従来スーパーカーから乗り換えたオーナーが最初に気づくのは、ブレーキパッドの減りが極端に少ないことです。回生ブレーキが減速を担うため、機械式ブレーキの使用頻度が大幅に減ります。タイヤ代は同程度かかりますが、ブレーキ周りの維持費は大きく下がります。

3年オーナーシップコスト試算

電気スーパーカーを購入した後、3年間でどの程度の維持費がかかるのか。ポルシェ タイカン ターボGT(3,144万円)を例に試算します。

年間維持費の内訳

ポルシェ タイカン ターボGTの年間維持費(2026年4月時点・目安)
費用項目 年間費用(目安) 備考
自動車保険(車両保険込み) 150万〜300万円 年齢・等級・補償内容による
自動車税(種別割) EVのため低額(〜数万円) グリーン化特例適用の場合あり
電気代 10万〜30万円 年間走行距離5,000〜15,000km想定
タイヤ交換 50万〜80万円 2〜3年で交換、高性能タイヤ使用
車検・点検 20万〜40万円 正規ディーラーでの点検
駐車場代 0〜100万円以上 自宅ガレージの場合は0円

※上記はカテゴリ別の目安です。正式な費用は保険会社・ポルシェセンターへの問い合わせが必要です。

3年間の維持費合計:約700万〜1,500万円(駐車場代を除く)

従来のV12スーパーカーと比較すると、電気代(ガソリン代と比べ低水準)とメンテナンス費用(オイル交換不要)で年間50万〜100万円程度の差が出ます。一方、車両保険料は車両価格に比例するため、3億円超のリマックやピニンファリーナでは年間500万円以上になることもあります。

なお、自動車税については2028年5月以降、令和8年度税制改正大綱に基づきEV・PHEVへの「特例加算分」が自動車重量税に上乗せされる方針が示されており、2028年度以降に新規登録するEVには車両重量に応じた自動車税の新方式も導入される見通しです。長期保有を前提とする場合、税制動向の確認が必要です。

投資価値とリセールバリュー

電気スーパーカーを「投資」として購入することは有効でしょうか。結論から言えば、限定生産モデルはコレクター価値が期待できる一方、量産モデルは一般的な高級車と同様に減価する傾向にあります。

限定生産モデル(リマック、ピニンファリーナ)

150台限定といった希少性は、クラシックカー市場で評価される可能性があります。ただし、電気自動車特有の「バッテリー劣化」課題があり、10年後・20年後のバッテリー交換費用がリセール価格に影響する可能性があります。

量産モデル(ポルシェ タイカン)

ポルシェ タイカンの中古車市場では、3年落ちで新車価格の50〜60%程度に落ち着く例も見られます(個別の車両状態・走行距離・市場時期により変動)。従来のポルシェ911と比較すると、減価率はやや高い傾向にあります。なお、ポルシェ タイカンの高電圧バッテリーには欧州・日本市場で8年または16万kmの保証が付帯し、保証期間中は容量保持率の最低水準(保証期間終了時点で70%)も担保されます(ポルシェジャパン公式参照、詳細は購入時の保証書をご確認ください)。

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電気スーパーカーを投資目的で購入する場合、最大のリスクは「バッテリー技術の進化」です。5年後・10年後に現在のバッテリー技術が陳腐化すれば、リセール価格が下落する可能性があります。コレクター価値と実用価値は別物として捉える必要があります。

電気スーパーカー購入で確認しておきたいポイント

電気スーパーカーの価格帯は3,000万〜3億円超。日本で最も入手しやすいのはポルシェ タイカン ターボGT(3,144万円〜)で、正規ディーラー網と充実した整備体制が強みです。リマックやピニンファリーナは海外直接購入となり、諸費用と維持体制の確認が欠かせません。

Q1:日本で電気スーパーカーを買うならどのモデルが現実的か

ポルシェ タイカン ターボGTが最も現実的な選択肢です。3,144万円という価格は電気スーパーカーとしては手の届きやすい部類で、日本全国のポルシェセンターで購入・整備が可能です。789 PS(オーバーブースト時最大1,108 PS)、0-100 km/h加速2.3秒、最高速度290 km/hという性能は、日常使いとサーキット走行の両方を楽しめる水準です。

Q2:充電時間と長距離ドライブの実用性は

日本仕様のポルシェ タイカンはCHAdeMO規格に対応し、ポルシェターボチャージャー(最大150kW出力)を使用すれば短時間での急速充電が可能です。WLTCモード一充電航続638〜677 kmのため、東京から大阪まで途中1回の充電で到達可能な水準です。並行輸入のCCS規格対応モデルは、対応充電器の設置場所を事前に確認しておく必要があります。

Q3:従来のフェラーリやランボルギーニから乗り換える価値はあるか

求める「所有体験」によります。V12エンジンの咆哮や機械的な操作感を重視するオーナーには、電気スーパーカーは物足りなく感じる可能性があります。一方、「静寂の中で味わう圧倒的な加速」や「環境負荷の低減」を重視するオーナーには、新しい価値を提供します。実際には、従来スーパーカーを手放さずに電気スーパーカーをコレクションへ追加する所有スタイルも一般的です。

Q4:電気スーパーカーの車検・整備は国内で対応できるか

ポルシェ タイカンは日本全国のポルシェセンターで完全対応可能です。ロータス エヴァイヤはLCI株式会社(日本における正規輸入総代理店)でサポートを受けられます。一方、リマックやピニンファリーナは国内に正規サービス拠点がないため、欧州への車両輸送や技術者の派遣が必要になる場合があります。並行輸入車の場合、信頼できる整備工場との関係構築が重要です。

Q5:投資目的で電気スーパーカーを購入するのは有効か

限定生産モデル(リマック150台、ピニンファリーナ150台、ロータス エヴァイヤ130台)は、希少性からコレクター価値が期待できます。ただし、バッテリー劣化という電気自動車特有のリスクがあり、長期保有時の価値維持には不確実性があります。投資目的での購入は、価値変動を許容できる資金の範囲内で行うことが前提となります。

Q6:バッテリー保証と交換費用の目安は

ポルシェ タイカンの高電圧バッテリーは、欧州・日本市場で8年または16万km保証が付帯し、保証期間終了時点での容量保持率は最低70%が担保されます。バッテリー単体の交換費用については正規ディーラーでの個別見積もりとなり、車両価格の数十パーセントに達する可能性があります。通常使用ではバッテリー劣化は10年以上かけて緩やかに進行するため、購入後すぐに交換が必要になることは想定されません。

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