近年、うつ病の増加が社会問題となっています。
その影響で、就労不能に陥るケースが増加しています。
このようなリスクに備えるために、就労不能保険が重要な役割を果たします。
本記事では、うつ病や精神疾患を含む場合の就労不能保険の保障対象や注意点について詳しく紹介していきます。
現代社会におけるうつ病の問題
近年、うつ病の発症が増加し、その影響は社会全体に広がっています。うつ病は、様々な原因によって引き起こされ、脳機能の低下や気分の落ち込み、身体の症状などが現れる精神的な疾患です。
特に、働く人々のストレスや、女性の妊娠・出産・更年期などのホルモンバランスの変化によるうつ病が注目されています。
社会的背景としては、不況や失業率の上昇もうつ病の増加に影響しています。
厚生労働省の報告によれば、うつ病を含む気分障害の患者数は年々増加しており、生涯のうちにうつ病になる確率は約6%前後とされています。
つまり、16人に1人が生涯でうつ病になる可能性があるということです。
さらに人によっては、うつ病が原因で就労不能となり、休職や退職にまで追い込まれることもあります。
就労不能保険とは?うつ病は保障される?
就労不能保険とは?
近年、就労不能保険が注目を集めています。就労不能保険は、ケガや病気によって長期間働けなくなった際に生活を支えるための保険です。
突然の収入の途絶や生活費の心配を軽減するために、多くの人にとって必要不可欠な保険と言えます。
万が一、加入者が長期間働けなくなった場合、毎月の給付金や一時金を受け取ることができ、生活の安定を図りながら治療やリハビリに専念することが可能です。
うつ病は就労不能保険の保障対象となるのか?
「うつ病は就労不能保険の保障対象となるかどうか」多くの方がこのような疑問を持ちますが、基本的にうつ病などの精神疾患は保障対象外とされることが多いです。これは、精神疾患が見た目で疾患の有無が判断しにくく、また罹患や回復の判断が難しいというのが理由です。
しかし、保険商品によってはうつ病を含む精神疾患が保障対象となる場合もあります。
うつ病で働けなくなった場合の給付金は、回数制限が設けられたり、単にうつ病になるだけでなく、60日以上の入院をした場合に初めて給付されたり、条件が設定される場合が多いので、加入前に契約内容を詳しく確認することが重要です。
就労不能保険の選び方のポイント
就労不能保険を選ぶ際には、会社員の場合と自営業の場合で考慮すべき点が異なります。以下にそれぞれの場合の選び方のポイントをまとめました。
会社員の場合
- 公的保障を確認する: まずは会社員の場合の公的保障である傷病手当金や障害年金などを確認しましょう。これらの制度で十分な保障があるかを把握します。
- 生活費の保障: 公的保障だけでは不足する部分を補う給付金額を選択します。家族構成や生活費の観点から十分な保障ができるようにします。
- 保険期間の設定: 年金受給までの保障や子供の独立後までの保障など、家計の状況や将来の計画に応じて適切な保険期間を設定します。
会社員の場合、公的保障は充実していますが、その範囲や支給額には限界があります。特に治療が長引き、働けない状態が続く場合は、公的保障だけでは生活水準を維持することが難しくなります。
そのため、公的保障で給付される金額を考慮した上で、不足する部分を就労不能保険で補うというのがベストな選択です。就労不能保険は、生活費や医療費の補填だけでなく、住宅ローンや教育費などの支払いにも対応できるため、安心して生活を続けるための重要な手段と言えます。
公的保障と就労不能保険を組み合わせることで、より包括的な保障を確保できます。自身や家族の生活状況や将来のリスクを考慮し、適切な保障を検討することが大切です。
自営業の場合
- 公的保障の不足を考慮する: 自営業者は公的保障が少ない場合がありますので、その点を考慮して保険を選択します。国民健康保険の加入者であれば傷病手当金が受給できないことなどを考慮します。
- 生活費の保障: 自営業者は収入が不安定な場合もあるため、生活費の保障を重視して保険を選択します。必要に応じて給付金額を設定します。
- 精神疾患の保障の有無: 精神的な負担が大きい自営業者の場合、精神疾患の保障があるかどうかも重要です。精神的な健康リスクに備えるため、必要に応じて選択します。
個人事業主や自営業者などは年次有給休暇の概念は存在せず、傷病手当金も加入している健康保険によっては受け取ることができません。そのため、万が一の病気や怪我で働けなくなった場合、収入が途絶えてしまうリスクが高まります。
このようなリスクを軽減するためには、就業不能保険を利用することが有効です。就業不能保険は、病気や怪我による収入の減少を保障するものであり、自営業者や個人事業主が万が一の際に備えて保険料を支払うことで、収入の安定を図ることができます。
以上のポイントを考慮して、自身や家族の状況に合った就労不能保険を選ぶことが重要です。
うつ病になったら生命保険には加入できない?入れる保険は?
うつ病になったら生命保険に加入できないは嘘
「うつ病になったら生命保険に加入できない」という認識を持たれている方も多いのではないでしょうか。ただし、実際には、うつ病を含む精神疾患を過去に患っていたとしても生命保険に加入することができます。
うつ病発症後でも生命保険に加入できる一般的な条件は、以下の通りです。
- 5年以上前にうつ病が完治していて、その後は医師の診察等を受けていない場合
- 完治から5年未満の場合でも、現在健康であると医師が証明するか、経過観察中と診断されると特別条件付きで加入可能。
加入時には健康状態や過去の医療歴を正確に告知することが重要であり、保険会社は告知内容をもとに加入の可否を判断します。これらの条件は保険会社ごとに異なりますし、加入者ごとの状況によっても変わることがあります。加入を検討する際には、保険会社と十分に相談し、詳細な情報を提供することが重要です。
うつ病の闘病中でも入れる保険はある!
過去にうつ病を患った方でも入れる保険はあると上記で解説しましたが、現在うつ病闘病中の人はさすがに加入できない?と疑問を持つ方もいるかと思います。これも誤解で、うつ病闘病中の方でも入れる保険は存在するので、以下で紹介します。
引受基準緩和型の医療保険
- 保険会社への告知項目が少なく、持病や入院歴がある人でも加入しやすい医療保険。
- 保障内容によっては、うつ病を含む精神疾患に対する給付が可能な場合がある。
- 一般の医療保険に比べて保険料が高めに設定されることがある。
無選択型の医療保険
- 健康状態に関する告知や医師の診査が不要で加入できる医療保険。
- 通常の医療保険よりもさらに加入しやすいが、給付の制限や加入後の対象外期間がある場合がある。
少額短期保険
- 保険期間が1年以内で保険料が少額に抑えられる医療保険。
- 持病があっても加入しやすく、特定のニッチな保険商品もある。
がん保険
- がんの治療に特化した保険
- がんの既往歴や関連する告知項目によって加入が可能。(うつ病などの精神疾患の既往歴は聞かれない)
これらの保険は、うつ病闘病中の方でも一定の条件を満たせば加入が認められる場合がありますが、保険料や給付の制限などが異なる場合もあるので注意が必要です。
うつ病になった時、公的保障制度では支援してくれないの?
うつ病や精神疾患になった際に、公的保障制度は一定の支援を提供していますが、その範囲や条件には制約があります。以下に、主な公的保障制度とその支援内容を概説します。
傷病手当金
- 病気やケガによって仕事を休む期間に支給される給付金。
- 連続して4日以上の欠勤が条件で、最大1年6ヶ月まで支給される。
傷病手当金は健康保険に加入している労働者を対象としており、自営業者やフリーランスなどは適用されない場合があります。
労災保険
- 業務中や通勤中に病気やケガが発生した際の保障を行う制度。
- 労働者が労災認定されると、無償で治療を受けられるほか、一定の給付金が支給される。
労災保険は勤務先の会社が加入している必要があり、自営業者や個人事業主などは適用されない場合があります。
自立支援医療
- 精神疾患の治療費の一部を公費負担する制度。
- 精神科の通院治療費や投薬費などに上限を設けて負担を軽減。
- 自立支援医療は所得に応じた負担上限があるが、うつ病などの精神疾患にも適用される。
精神障害者保健福祉手帳
- 精神障害によって日常生活や社会生活に制約がある場合に発行される手帳
- 手帳を所持していると、税金の控除や減免、公共サービスの割引などの特典を受けられる。
以上の公的保障制度は、うつ病や精神疾患に対する一定の支援を提供していますが、その範囲や条件には制約があります。また、公的制度だけでなく、民間の就業不能保険や医療保険などと組み合わせて検討することが重要です。
保険を活用して、うつ病リスクに備えよう!
うつ病や精神疾患に備えるためには、公的な保険制度や民間の就労不能保険など、利用できる保険制度を理解しましょう。
もちろん健康管理も重要であり、定期的な健康診断やストレス管理、適切な睡眠と栄養、適度な運動を心掛けましょう。また、ストレスや不安を感じた時には適切なストレス発散、メンタルヘルスをケアすることも大切です。
就労不能保険の重要性は言うまでもありません。うつ病や精神疾患による就労不能リスクに備えるために、適切な保険の選択が必要です。
保険料や保障内容、支給条件などを比較検討し、自身や家族のニーズに合った保険商品を選びましょう。
専門家のアドバイスも活用し、リスク管理に積極的に取り組みましょう。