
世界最大級の高級時計見本市「Watches and Wonders 2026」において、時計の二次流通市場に注目すべき変化が観測されています。時計専門オンラインマーケットプレイスのChrono24が実施した現地取材により、新作発表が中古市場に与える「ハロー効果」の拡大と、価格動向の変化が明らかになりました。
同社の最新マーケットデータによりますと、著名ブランドの新作発表後における既存モデルの二次流通価格は、従来の下落傾向から一転して上昇基調に転じるケースが増加しています。特に限定モデルや廃番予定モデルにおいて、この傾向が顕著に現れているとのことです。
新作発表が既存モデル価格に与える影響の変化
従来、新作の発表は既存モデルの市場価値を押し下げる要因とされてきました。しかし、今回の調査では、ブランドの新作発表が既存コレクション全体の注目度を高める「ハロー効果」が強く作用していることが判明しています。
この現象は特に、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ロレックスなどの最上級ブランドにおいて顕著に表れており、新作発表後の数週間で既存モデルの問い合わせ数が平均30-50%増加することが確認されています。価格面では、一部のヴィンテージモデルで10-20%の上昇も記録されているとのことです。
超富裕層の購買行動における変化
Chrono24のデータ分析によりますと、超富裕層の顧客における購買パターンにも変化が見られます。従来は新作への関心が中心でしたが、近年は新作発表をきっかけとして、同ブランドの希少な既存モデルや廃番モデルへの投資的な購入が増加している傾向が確認されています。
特に注目されるのは、新作発表と同時に廃番が発表されたモデルの価格上昇で、発表から24時間以内に15-25%の価格上昇を記録するケースも報告されています。これは、コレクターや投資家が市場の変化を即座に価格に反映させていることを示しています。
実務的な購入戦略への示唆
今回の調査結果は、高級時計を資産として考える超富裕層にとって重要な示唆を提供しています。新作発表のタイミングを活用した戦略的な売買が、従来以上に重要になっていると考えられます。
Chrono24では、こうした市場動向を踏まえ、顧客向けの価格アラート機能や市場分析レポートの提供を強化する方針を表明しています。特に、ブランド別・モデル別の詳細な価格推移データの提供により、投資判断をサポートする体制を整備していくとのことです。
高級時計市場における「ハロー効果」の拡大は、単なる市場現象を超えて、超富裕層の資産運用戦略に新たな視点をもたらしています。今後の見本市シーズンにおいても、この傾向が継続するかどうかが注目されています。