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馬主になる方法と費用|JRA資格から一口馬主まで種類別に比較

馬主になる費用は一口3万円〜、個人馬主は数千万〜数億円:種類別の初期投資と年間コスト

馬主とは、競走馬を所有しJRA(日本中央競馬会)またはNAR(地方競馬全国協会)に登録してレースに出走させる権利を持つ個人・法人・組合のことです。馬主になるための費用は、選ぶ馬主タイプによって大きく異なります。一口馬主であれば3万円から始められる一方、個人馬主として1頭を単独所有するには馬の購入費だけで1,000万〜数億円、さらに年間600万〜1,500万円の維持費が発生します。

馬主タイプ別の費用と審査基準
馬主タイプ 初期費用 年間維持費 審査基準
一口馬主 3万〜100万円/口 1.2万〜3.6万円 クラブ入会審査のみ
組合馬主 500万〜3,000万円 200万〜500万円 組合員全員の所得1,000万円以上+組合財産1,000万円以上
個人馬主(JRA) 1,000万〜数億円 600万〜1,500万円 所得2,000万円以上・資産1億円以上
個人馬主(NAR) 300万〜2,000万円 300万〜600万円 競馬場により異なる(緩和基準)

※上記はカテゴリ別の目安です。JRA資格要件は2025年8月申請受付分から適用の新基準。正式な要件はJRA公式サイトに基づく

JRA(中央競馬)とNAR(地方競馬)では必要資金に大きな差があります。JRAで活躍する馬を所有したい場合、セリ市場での落札価格は中央値でも3,000万〜5,000万円に達しますが、地方競馬であれば300万〜500万円程度から競走馬を購入できます。

Elbrus Concierge
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馬主の費用を検討する際に見落とされやすいのが、JRAの資格要件が2025年8月の申請受付分から引き上げられている点です。従来の所得1,700万円・資産7,500万円から、所得2,000万円・資産1億円に変更されました。一口馬主として月1,000円の会費で参加することもできれば、数億円を投じてGⅠ馬を目指すこともできます。まずは自分が馬主に何を求めるのか――投資リターンか、ステータスか、純粋な競馬の楽しみか――を明確にすることが、適切な馬主タイプを選ぶ第一歩です。

馬主の3つの種類:一口馬主・共有馬主・個人馬主の違い

馬主には大きく分けて3つの形態があり、それぞれ出資額・意思決定権・リターンの仕組みが異なります。自分の資金力と関与度に応じて最適な選択をすることが重要です。

一口馬主(クラブ馬主):40口〜500口で1頭を共有する仕組み

一口馬主は、クラブ法人が購入した競走馬に対し、40口〜500口に分割された出資権を購入する形態です。JRAに登録された一口馬主クラブにはキャロットファーム、サンデーレーシング、シルクホースクラブなどがあります。

一口馬主の特徴

  • 最低出資額:1口3万〜100万円(馬の総額を口数で割った金額)
  • 月会費:1,000〜3,000円程度(クラブにより異なる)
  • 馬選びはクラブが行い、出資者は募集馬の中から選択
  • 賞金配分は口数に応じた按分(進上金・クラブ手数料を差し引いた後の配当)

一口馬主のメリットは、JRAの馬主資格審査を受けずに競走馬のオーナー体験ができる点です。ただし、馬主登録簿に名前が載るのはクラブ法人であり、出資者は法的には「馬主」ではありません。口取り写真への参加やゼッケン受け取りなど、馬主特典の一部は享受できますが、厩舎への直接の指示権限はありません。

組合馬主:3〜10名で1頭を所有

組合馬主は、3〜10名の個人が民法上の組合契約を締結し、1頭の競走馬を共同所有する形態です。JRAでは組合員数3名以上10名以下と定められています。

組合馬主の特徴

  • 出資額:500万〜3,000万円が相場(持分割合に応じる)
  • 馬選び・厩舎選定に関与できるケースが多い
  • 組合員全員の所得が過去2年間いずれも1,000万円以上であること(2025年8月申請受付分から適用の新基準)
  • 組合財産として1,000万円以上の預貯金が必要
  • 賞金は持分割合に応じて分配

組合馬主は「自分の判断で馬を選びたいが、単独所有のリスクは分散したい」という層に適しています。知人同士で組むケースが多く、馬主仲間とのコミュニケーションも醍醐味の一つです。なお、登録される馬主は「組合」であり、個々の組合員が馬主登録されるわけではありません。

個人馬主:1頭を単独所有し、すべての決定権を持つ

個人馬主は、競走馬を単独で所有し、厩舎の選定、レースの選択、騎手への依頼まで全ての決定権を持つ形態です。JRAの馬主資格を取得することで、馬主として正式に登録されます。

個人馬主の特徴

  • 馬購入費:1,000万〜数億円(セリ市場・庭先取引)
  • 年間維持費:600万〜1,500万円(預託料・保険・輸送費等)
  • 賞金は進上金20%(調教師10%・騎手5%・厩務員5%)を差し引いた額を受領
  • 勝負服をデザインし、自分の名前で馬が走る

個人馬主になることで得られるのは、金銭的リターンだけではありません。ウィナーズサークルでの表彰、騎手・調教師との直接の関係構築、そして競馬界における社交ツールとしての馬主ステータスがあります。これはアート投資と共通する部分があり、「所有すること自体に価値がある」という性質を持っています。

JRA馬主資格の要件と審査:所得2,000万円以上・資産1億円以上の壁

JRA(日本中央競馬会)の個人馬主になるためには、厳格な資格審査をクリアする必要があります。審査基準は公開されており、所得・資産の両面で一定の基準を満たすことが求められます。JRAの2025事業年度末時点の馬主登録数は2,991名で、前年より132名増加しています。

収入・資産要件の詳細と証明書類

JRAの馬主資格要件は以下の通りです(2025年8月申請受付分から適用の新基準)。

JRA馬主資格の要件(2025年8月〜適用)

  • 所得要件:今後も継続的に得られる見込みのある所得金額が、過去2年間いずれも2,000万円以上
  • 資産要件:資産の額が1億円以上
  • その他:競馬施行規程第7条各号の欠格事由に該当しないこと

所得要件は「所得金額」であり、「年収(収入金額)」ではない点に注意が必要です。給与所得者であれば「給与所得控除後の金額」、事業者であれば「事業所得」で判定されます。一時的な所得や競馬に関する所得(地方競馬賞金等)は含まれません。証明書類としては、確定申告書の控え(2年分)または源泉徴収票(2年分)が必要です。

資産要件の「資産」には、本人名義の不動産、預貯金、有価証券(投資信託、債券等を含む)が含まれます。ただし、保険証券、ゴルフ会員権、海外に所在する不動産、書画骨董等は資産に含まれません。また、負債がある場合は資産額から差し引かれます。

法人の代表者や役員が申請する場合は、決算書、役員報酬の確認書類なども求められます。なお、所得または資産のいずれかが要件に満たない場合でも、所定の換算により馬主登録できる場合があります。

審査プロセスと所要期間:申請から登録まで概ね4〜5ヶ月

JRA馬主資格の審査は、年3回(4月・7月・11月)行われ、書類審査と面接審査の2段階で実施されます。

JRA馬主資格の審査プロセス
ステップ 内容 所要期間
STEP1 申請書類の準備(申請書、証明書類一式) 約1ヶ月
STEP2 書類審査(JRA馬主登録課による審査) 1〜2ヶ月
STEP3 面接審査(JRA本部にて面接) 日程調整含め1ヶ月
STEP4 登録完了・馬主証交付 1〜2週間

※全体で概ね4〜5ヶ月が目安。JRA公式サイト参照

面接審査では、馬主になる目的、競馬に対する理解度、経済的な継続性などが確認されます。「競馬を長く楽しみたい」という姿勢を示すことが重要であり、短期的な投資目的だけを強調することは避けるべきです。

NAR(地方競馬)の資格要件:JRAより緩和された基準

NAR(地方競馬全国協会)に登録する馬主は、各競馬場(主催者)ごとに資格審査を受けます。JRAと比較して基準が緩和されており、馬主デビューの第一歩として選ぶ人も少なくありません。

NAR馬主資格の特徴

  • 所得要件:なし〜500万円程度(競馬場により異なる)
  • 資産要件:JRAより大幅に緩和(数百万円〜)
  • 審査期間:1〜3ヶ月程度
  • 登録料:数万円程度

地方競馬の魅力は、JRAより低コストで馬主になれることに加え、馬との距離が近いことです。厩舎見学や調教見学がしやすく、調教師や厩務員とのコミュニケーションも密になりやすい傾向があります。

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JRAの馬主資格審査では、競馬施行規程第7条に定められた欠格事由に該当しないことも要件です。所得・資産要件を満たしていても、同条各号に該当する場合は登録が拒否されます。審査に不安がある方は、まずNARで馬主実績を積んでからJRAに申請するルートも検討に値します。なお、申請書類には預託予定の調教師名を記入する必要があるため、事前に調教師とのコネクションを確保しておくことも重要です。

馬主にかかる費用の内訳:購入費・預託料・保険・その他を年間で試算

馬主になった後、実際にどれだけの費用がかかるのか。購入費はあくまでスタートラインであり、競走馬を維持するためのランニングコストを正確に把握しておくことが重要です。

馬の購入費用:セリ市場と庭先取引の価格差

競走馬の購入方法は主に2つあります。セリ市場での競り落としと、生産者や馬主から直接購入する庭先取引です。

主要セリ市場の価格帯

  • セレクトセール:日本最大の1歳馬セール。上場馬の平均価格は数千万円に達し、最高額は10億円超の実績あり
  • JRAブリーズアップセール:JRA育成馬のセール。2025年は75頭が売却された
  • 庭先取引:500万〜3,000万円(良血馬を相場より安く入手できるケースも)

セレクトセールで億単位の馬を購入するのは一部の超富裕層に限られますが、庭先取引であれば1,000万円前後から「将来性のある馬」を探すことは可能です。ただし、庭先取引は生産者とのコネクションが必要であり、初めての馬主がいきなりアクセスするのは難しい側面があります。

一口馬主の場合、総額2,000万円の馬を400口で募集すれば1口5万円、500口であれば1口4万円という計算になります。募集価格に加えて、クラブ入会金(3万〜10万円程度)と月会費が発生します。

月額預託料:60万〜80万円が相場

競走馬は購入後、調教師が管理する厩舎に預けます。JRAの美浦トレーニングセンター(関東)または栗東トレーニングセンター(関西)に預託する場合、月額60万〜80万円が相場です。

月額預託料の内訳(目安)

  • 飼料費:8万〜12万円
  • 厩務員人件費:15万〜25万円
  • 施設使用料:10万〜15万円
  • 調教費:15万〜20万円
  • 装蹄費・獣医費:5万〜10万円
  • 合計:60万〜80万円/月

レースに出走できない休養期間中は、外厩(育成牧場)に馬を移すケースもあります。外厩の費用は月額30万〜50万円程度であり、トレセン預託より低コストですが、外厩からレースに直行するには調教師との連携が必要です。

その他費用:保険・輸送費・進上金の年間試算

預託料以外にも、以下の費用が発生します。

預託料以外の年間費用(個人馬主・1頭所有の場合)
費用項目 年間費用(目安) 備考
競走馬保険 90万〜150万円 馬価格の3〜5%(3,000万円の馬の場合)
輸送費 30万〜200万円 1回3万〜10万円×年間10〜20回
進上金 賞金の20% 調教師10%、騎手5%、厩務員5%
登録料 3万〜5万円 JRA馬主登録維持費

※上記はカテゴリ別の目安です。正式な費用は各サービス提供者への問い合わせが必要です

個人馬主として1頭を所有する場合の年間総コストは、預託料720万〜960万円+保険90万〜150万円+輸送費30万〜200万円+その他で、合計約900万〜1,500万円となります。これを複数頭所有すれば、コストは頭数に比例して増加します。

馬主のリターンと市場規模:売得金3.5兆円超の競馬産業で黒字化できるのか

馬主になるには、一口馬主なら3万円+月会費で始められ、個人馬主ならJRA資格審査(所得2,000万円以上・資産1億円以上)を通過後、馬を購入します。審査期間は3〜6ヶ月、馬の購入費は1,000万円〜数億円です。

JRAの市場規模と賞金の仕組み

JRAの2025事業年度の売得金(中央競馬+海外競馬の合計)は3兆5,178億円で、前年比105.2%と14年連続のプラス成長を記録しました。このうち中央競馬の売得金は3兆4,853億円です。馬主登録数も2,991名(前年比132名増)と増加傾向にあり、競馬産業全体が拡大基調にあります。

JRA売得金(中央競馬+海外競馬)と馬主登録数の推移
年度 売得金 馬主登録数(年度末)
2022年 3兆2,736億円 2,740名
2023年 3兆2,964億円 2,795名
2024年 3兆3,428億円 2,859名
2025年 3兆5,178億円 2,991名

出典:JRA「2025事業年度 事業報告書」

JRAの賞金体系は、レースのグレードによって大きく異なります。2026年度の1着本賞金はおおむね以下の水準です。

JRA 1着本賞金の目安(2026年度)

  • 新馬戦:650万円
  • 1勝クラス:1,000万〜1,500万円
  • 2勝クラス:1,820万円
  • 3勝クラス:2,500万〜3,000万円
  • オープン特別:3,000万〜4,000万円
  • GⅢ:4,000万〜7,000万円
  • GⅡ:6,000万〜1.3億円
  • GⅠ:1.5億〜5億円(ジャパンカップ・有馬記念は5億円)

賞金がそのまま手取りになるわけではありません。進上金(調教師10%・騎手5%・厩務員5%の合計20%)と源泉所得税が差し引かれます。一口馬主の場合はさらにクラブ手数料が引かれます。

例えば、新馬戦で1着(賞金650万円)を獲得した場合、個人馬主の手取りは以下のようになります。

650万円 − 進上金130万円(20%)= 520万円(税引前)

馬主を続ける本当の理由:金銭以外の価値

統計的に見れば、賞金だけで年間維持費を回収できる馬主は限られています。しかし、馬主登録数が2,991名に達し、増加傾向が続いている理由は、金銭的リターンだけでは測れない価値にあります。

  • ウィナーズサークルでの表彰:勝利した際、騎手・調教師と並んで記念撮影ができる
  • 騎手・調教師との関係構築:競馬界のトッププロと直接やり取りできる
  • 社交ツールとしてのステータス:経営者・超富裕層コミュニティでの話題になる
  • 馬の成長を見守る楽しみ:1歳馬を購入し、デビュー、勝利、引退までのストーリーを共有できる
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馬主としての収支を考える際に重要なのは、「何頭まで維持費を払い続けられるか」を事前に計算しておくことです。年間維持費×想定保有年数(3〜5年)×頭数が、馬主としての総投資額の目安になります。最初から黒字を目指すのではなく、この金額を「競馬を深く楽しむための費用」と割り切れるかどうかが、馬主活動を長く続けられるかの分かれ目です。

馬主検討時に確認すべきポイント

馬主になるには、一口馬主なら3万円+月会費で始められ、個人馬主ならJRA資格審査(所得2,000万円以上・資産1億円以上)を通過後、馬の購入費1,000万円〜数億円+年間維持費600万〜1,500万円が必要です。

Q1:会社員でも馬主になれますか?

一口馬主であれば会社員でも問題なく始められます。JRA個人馬主の場合、所得要件2,000万円以上を給与所得で満たす必要があるため、年収換算では2,500万円以上(給与所得控除前)が一つの目安です。上場企業の役員クラス、または事業所得と合算して基準を満たすケースが考えられます。

Q2:一口馬主のクラブ選びのポイントは?

クラブ選びは「何を重視するか」によって異なります。勝率・回収率を重視するならキャロットファームやサンデーレーシング(ノーザンファーム系)、低コストで始めたいなら募集価格が低めのクラブが選択肢に入ります。入会前にクラブの募集馬実績、月会費、配当実績を比較検討してください。

Q3:馬主資格の審査に落ちることはありますか?

あり得ます。JRAの競馬施行規程第7条には、拘禁刑以上の刑に処せられた者、競馬法に違反して罰金の刑に処せられた者、暴力団関係者など、複数の欠格事由が定められています。所得・資産要件を満たしていても、これらに該当する場合は登録が拒否されます。審査に通らなかった場合、一定期間を置いて再申請することは可能です。

Q4:馬が引退した後の費用負担はありますか?

引退後の処遇は馬主の判断に委ねられます。繁殖入り(種牡馬・繁殖牝馬)する場合は牧場への預託費が発生し、乗馬転用や引退馬養老牧場への委託にも月額5万〜15万円程度のコストがかかります。一口馬主の場合、引退後の処遇はクラブが決定し、出資者に追加費用は発生しないことが一般的です。なお、JRAでは引退競走馬のセカンドキャリア促進にも取り組んでおり、一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfareを通じた支援体制が整備されています。

Q5:海外の馬を購入して日本で走らせることは可能ですか?

可能です。海外セリ(キーンランド・タタソールズなど)での購入や、海外の生産者からの庭先取引で日本に輸入できます。ただし、輸入手続き、検疫(約1ヶ月)、輸送費(欧米から日本まで500万〜1,000万円程度)などの追加コストが発生します。また、外国産馬の出走レースに制限がある点にも注意が必要です。

Q6:馬主同士のコミュニティや交流はありますか?

JRA馬主会(東西)が公式の馬主団体として存在し、定期的に懇親会や馬主向けイベントが開催されています。また、同じ厩舎に馬を預ける馬主同士の交流、セリ市場での顔合わせなど、馬主になることで自然と競馬界のネットワークが広がります。一口馬主の場合も、クラブ主催のツアーや口取り写真の場で同じ馬への出資者と交流できます。

The summit reveals a life yet unseen.

まだ見ぬ景色を、その手に。

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