自動貯金

奨学金の返済があると貯金できない?返済中にこそ貯金体質をつくる仕組み

奨学金の返済があるから、貯金なんて無理。そう感じていませんか?毎月の返済で手取りが減り、貯金に回すお金が残らない。将来への不安は募るばかり。でも、ちょっと視点を変えてみてください。奨学金返済中の貯金とは、返済額と並行して少額の自動積立を行う「先取り貯金」のことです。返済そのものが先取りの仕組みになっているため、同じ仕組みを貯金にも応用するだけで貯金体質は身につきます。

結論からお伝えすると、返済額と同額の自動積立を「今から月1,000円でも」始めることが、返済中・返済完了後の両方で貯金体質をつくる近道です。

この記事では、返済中でも貯金体質を身につける方法と、返済完了後にスムーズに貯金へ移行するための準備について解説します。

奨学金返済=強制貯金の練習という発想転換

奨学金の返済は、毎月一定額が口座から自動的に引き落とされる仕組みです。これは先取り貯金とまったく同じ構造。つまり、毎月決まった額を確保する習慣をすでに身につけていることになります。

返済と貯金の構造は同じ

貯金が苦手な人の多くは「余ったら貯めよう」と考えます。しかし、お金は余りません。先に使う分を確保する「先取り」こそが貯金の王道です。

奨学金返済は、この先取りを強制的に実行している状態です。毎月1万5,000円の返済をしている人は、言い換えれば毎月1万5,000円を先取りで確保できる能力があるということ。この事実を自覚するだけで、お金との付き合い方が変わります。

FP
FP
お金の管理に慎重な方ほど、奨学金返済中は「貯金まで手が回らない」と立ち止まりがちです。でも、毎月の固定費を意識する習慣がすでに身についているのは強みです。私自身もFPとして15年見てきましたが、返済経験者は通信費や保険料の見直しにも前向きで、家計管理の基礎力が高い傾向がありますよ。

20代・30代の借入実態から見る「自分だけじゃない」

若い世代で借入を抱えているのは、決して珍しいことではありません。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の最新調査では、20代・30代の借入金保有率が他の年代より明確に高いことが示されています。

世帯主年代別 借入金の有無(二人以上世帯)
世帯主の年代 借入金がある 借入金がない
20歳代 28.7% 71.3%
30歳代 27.8% 72.2%
40歳代 24.8% 75.2%
50歳代 22.3% 77.7%
全国平均 18.7% 81.3%

出典:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)二人以上世帯調査」問15・借入金の有無

20代の約3割、30代も同じく約3割が借入を抱えている状況です。住宅ローン、自動車ローン、奨学金などその内訳はさまざまですが、「返済しながら生活している」のは決して特殊な状態ではないことがわかります。

返済中でも貯金を始める具体策

返済中でも、少額から貯金を始めることは可能です。以下の方法を試してみてください。

  • 月1,000円の自動積立:返済日と同じ日に、別口座へ1,000円だけ自動振替を設定する
  • ボーナス時の先取り:ボーナスが入ったら、使う前に1〜2万円を貯金用口座へ移動
  • 固定費の見直し:契約内容によってはスマホを格安SIMに変えるだけで月3,000〜5,000円の余裕が生まれることも

金額の大小より、「返済と貯金を両立できている」という実感が大切です。この実感が、返済完了後の貯金習慣につながります。

返済完了後に貯金体質へスムーズに移行する準備

返済が終わった瞬間、毎月の返済額がそのまま自由に使えるお金になります。このとき何も準備していないと、その金額は「なんとなく消える支出」に吸収されてしまいます。

返済額をそのまま貯金に回す設定

返済完了の半年前から、以下の準備をしておきましょう。

  1. 返済額と同額の自動積立を設定(返済終了月から開始)
  2. 積立先を用途で分ける:短期の生活防衛資金は定期預金や別口座(元本保証)、長期の資産形成はNISAのつみたて投資枠(元本割れリスクあり)
  3. 給与日の翌日に自動で移動するよう設定し、手元に残さない

返済が終わっても口座から一定額が消える状態を維持することで、生活水準を上げずに貯金だけが増えていきます。

返済が終わったら貯金しようと思っていたのに、気づいたら何も残っていなかった——

相談者
相談者
返済が終わったら貯金しようと思ってたのに、気づいたら何も残ってなくて。どうすればよかったんでしょうか…。

と感じている方も多いのではないでしょうか。返済完了後に貯まらない状態を防ぐには、返済中の今から準備しておくことが重要です。返済額をそのまま貯金に移行する設定を、終了前に済ませておきましょう。

返済額別・自動積立シミュレーション

返済額をそのまま自動積立に回した場合、5年後にどれくらい貯まるかを確認しておきましょう。金利は預け先によって異なりますが、ここでは利息を含めない元本ベースで概算を示します。

返済額をそのまま自動積立に回した場合の到達額(元本ベース)
毎月の返済額(=積立額) 1年後 3年後 5年後
1万円 12万円 36万円 60万円
1万5,000円 18万円 54万円 90万円
2万円 24万円 72万円 120万円
3万円 36万円 108万円 180万円

※利息・運用益を含まない元本のみの単純計算。NISAのつみたて投資枠などで長期運用すれば、市場環境次第ではこれ以上の到達額となる可能性もあります(一方で元本割れのリスクもあります)。

毎月1万5,000円の返済を続けていた方なら、その金額をそのまま積立に振り替えるだけで5年で90万円が貯まる計算です。これが「生活水準を上げない」効果です。

奨学金返済中に貯金できない人が返済完了後も貯まらない理由

奨学金返済中に貯金できない最大の原因は「返済=損失」という思い込みです。返済を強制貯金の練習と捉え直し、返済額と同額の自動積立を今から設定することで、返済完了後もスムーズに貯金体質へ移行できます。

「返済が終わったら貯金しよう」と考える人ほど、実際には返済完了後も貯金できないケースが多いのが現実です。その理由は、返済という強制的な先取りがなくなり、浮いたお金が生活費に吸収されてしまうから。

返済中の今だからこそ、毎月一定額を確保する仕組みを貯金にも応用しておくことが大切です。抵抗があるなら、まずは月1,000円からでも構いません。返済中に貯金する体験が、返済完了後の貯金習慣を確実なものにします。

FP
FP
返済完了直後の3ヶ月が分岐点になりがちです。この期間に自動積立が動いていないと、ご褒美消費で浮いたお金が消えていくパターンに陥りやすいです。完了前の設定が明暗を分けると考えてください。

奨学金の返済は、意志とは関係なく「先取りで一定額を確保する習慣」を鍛えてくれています。今日から、返済額と同じ金額の自動積立を設定してみてください。返済完了と同時に、あなたは「貯金ができる人」になっています

奨学金返済と貯金に関するよくある質問

Q. 奨学金を返済中でも貯金はできますか?

できます。返済そのものが「先取り貯金」と同じ仕組みのため、月1,000円からでも別口座への自動積立を追加するだけで貯金は始められます。金額の大小より、返済と貯金を両立する習慣を持つことが重要です。

Q. 月いくらから貯金を始めればいいですか?

返済額が大きく負担を感じている場合は、まず月1,000円〜3,000円の自動積立から始めるのが現実的です。家計に余裕が見えてきたら、返済額の3分の1程度まで段階的に増やしていくとよいでしょう。

Q. 繰上返済と貯金、どちらを優先すべきですか?

判断基準は奨学金の金利と種類です。無利子の第一種奨学金であれば、貯金や少額の積立投資を優先しても合理的です。利子付きの第二種奨学金で金利が高い場合は、生活防衛資金(月収の3〜6ヶ月分)を確保したうえで繰上返済を検討する選択肢もあります。

Q. 返済完了後に貯金できない人の特徴は?

返済完了の半年前までに自動積立の設定をしていない方に多く見られます。返済が終わって浮いた金額がそのまま生活費に吸収され、気づくと何も残っていないというパターンです。完了前に積立設定を済ませておくことが最大の対策です。

Q. 奨学金返済中におすすめの貯金方法は?

最もシンプルなのは、返済日と同じ日に別口座へ自動振替を設定する方法です。返済引き落としと同じタイミングで貯金分も動かすことで、「返済しながら貯金する」習慣が自然に定着します。長期の資産形成を視野に入れるなら、NISAのつみたて投資枠の活用も選択肢になります。

  • この記事を書いた人

ウィズマネ編集部

ウィズマネ貯金では、貯金ができない人でも今すぐ貯金ができるようになるための情報をまとめて紹介しています。ファイナンシャルプランナー(FP)ならではの視点でアドバイスしているので、これから貯金を考えている方や貯金の仕方を見直したい方は是非チェックしてください。

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